埋没法(二重整形)で腫れにくい自然な手術を進めるための基礎知識

二重まぶたにしたい、二重を広げてはっきり見せたいと言う女性は多くいらっしゃいます。アイプチやアイテープを使った事のある方も多いと思います。

しかし、毎日アイテープやアイプチを行うのはめんどくさい、、、結局まぶたにテープやノリが付いているので目立つ、、、肌があれる、、、など美容整形で二重にしてしまおうと思っていませんか?

埋没法と言う方法は、美容整形でもプチ整形などと言われ10分くらいで終了するお手軽な手術と考えられています。

しかし、身体に傷を付けて行う訳ですので、大丈夫なのか?痛くないか?希望通りになるのか?など不安な方も多いでしょう。

そこで、この記事では、埋没法に長年携わってきた医師が、埋没法とはどのような方法でどういった事ができるのか、リスクは、費用は、などを分りやすく解説していきます。

かなり長い記事ですが、この記事をお読みいただければ埋没法についてかなりの知識が身に付く事と思います。埋没法を考えている方は是非この記事をお読みください。

1.埋没法とは
2.埋没法の効果
3.埋没法でのラインの決め方で知っておいてほしい4つのこと
・3-1.平行型と末広型とは
・3-2.広すぎる二重幅は変になる
・3-3.埋没法でどんな理想のラインも可能か
・3-4.どのようなラインがきれいに見えるのか?
4.埋没法手術後の腫れ
・4-1.腫れの経過
・4-2.腫れている間はラインが太く見える
・4-3.腫れに大小がある理由 ・4-4.腫れが出ることは悪いことなのか
5.自宅でできる腫れを出来るだけ抑える方法
・5-1.術後は軽く冷やす
・5-2.頭を下げ過ぎない、下見てスマホばかりいじらない
・5-3.身体を温めなすぎない
6.埋没法術後の経過
・6-1.内出血の経過
・6-2.傷跡・食い込みの経過
・6-3.糸の膨らみの経過 ・6-4.ライン・幅の経過 7.長期的な経過・影響は?
・7-1.目の開きが悪くなることがある(眼瞼下垂が進む)
・7-2.目がゴロゴロしてくることがある
8.埋没法のリスク・副作用・失敗
9.埋没法の痛み
10.埋没法の抜糸とは?
11.埋没法の費用
12.埋没法の口コミ

1.埋没法とは

埋没法とは、まぶたに糸を埋め込むことによって二重まぶたを作る手術です。手術といっても皮膚を切って行うわけではなく、針などで小さい穴をあけて行いますので、基本的に残るような傷はできません。

手術時間も通常は15分程度で終了します。

埋没法の仕組み

下の図のように、糸を埋め込むことで、まぶたを開けるときに糸が引っ張られ、それにつられて皮膚が引っ張られてへこむというのが埋没法の仕組みです。

2.埋没法の効果

下の写真のように、基本的には希望した幅の二重にすることができます。残念ながら何でも好きな二重にできるとも限らないのですが、細かいラインの話は後に詳しく行っていきます。

3.埋没法でのラインの決め方で知っておいてほしい4つのこと

3-1.平行型と末広型とは?

平行型の二重、末広型の二重など、いろいろ書いてあると思います。大きく分けてこの2つですが、何が違うのでしょうか。

残念ながらきちんとした定義はありませんが、目頭までラインが消えずに残っている事を平行型の二重まぶた、目頭のラインが消えている状態を末広型と呼ぶことが一般的だと思います。

どちらが好みか、自分に合うかはその人次第です。

しかし、この2つの形はただ単にラインの幅が細いか太いかによって決まります。あとは目頭の襞(ひだ)が強ければ、広い幅にしないと平行型にならないし、襞(ひだ)が強くなければ平行型になりやすいのです。

下の写真で分るようにそもそも全て平行型のラインなのですが、皮膚が被ってきているかどうかの違いによって見え方が変わってくるのです。

3-2.広すぎる二重幅は変になる

どの時点で広すぎるかは人それぞれですが、二重幅が広くなればなるほど不自然になってきます。

二重のラインはまぶたの動きに一致します。目を閉じているときは二重にはなっておらず、目を開けると二重になります。この時にまぶたが動く量に応じて二重のラインで食い込みができるのです。広ければ広いほど(眉毛に近い皮膚にラインを作ると)まばたきした時にあまり動かない部分が二重になるので、あまり食い込まず浅いラインになってしまいます。

他にも、

  • 太いラインの皮膚は分厚い皮膚なので、二重で折れ込んだところがぼてっと見える
  • 上記に解説したように動きが少ないので、目頭側にも目尻側にもラインが伸びない
  • 持続期間が短くなる

などの不都合が起こります。

3-3.埋没法でどんな理想のラインも可能か

埋没法でどんな二重も理想通りに作れるのでしょうか?残念ながら答えはノーです。埋没法は、まぶたのしわに沿って出来るラインで二重を作ってあげることしか基本的にはできません。あとは広くするか狭くするかの問題です。

下の写真のように、まぶたの1点を押さえれば二重が出来上がります。この自然なラインに沿って糸を付けていくわけです。おでこのシワのように、折れ曲がるべきラインというのは決まっているのです。多少の無理は効きますが、自由にできるという訳ではありません。

アイプチやアイテープでも、このラインを無視して目頭側を極端に広くしている方がいますが、その場合はテープが浮いてきたり、うまく二重になっていなかったりします。

例えば同じ7㎜と言うラインで埋没法を行ったとしても、人によってラインが違って見えるのは、以下のような理由です。

  • 目頭の皮膚の被り方
  • 皮膚のかぶさり具合
  • 目の開き方
  • そもそもの目の形など

目頭切開や全切開、眼瞼下垂法であれば、上記を多少理想に近くすることはできます。

3-4.どのようなラインがきれいに見えるのか?

どのようなラインがいいのか、自分に合っているのか、迷う…わからない…ってあると思います。

そういうメイクをするかによっても変わってきますし、なかなかこれが一番いいというのはありません。

しかし、キレイに見える二重というのは、まつ毛の生え際がちゃんと見えて、二重がしっかり食い込んで、黒目が大きく見えるラインだと思います。

下の写真を見ていただくと、ラインが狭いとまつ毛が隠れて黒目も大きく見えない、逆にラインが広いとまつ毛は見えてくるけど食い込みが浅くなり黒目が小さく見えるという現象が起こっているのが分かります。

このように、ちょうどいいラインというのがあるのです。しかし、まぶたのたるみ具合や皮膚の厚みなどによって必ず実現できるわけではありません。まぶたが重すぎて、まつ毛の生え際を出してあげることができない場合もあります。

4.埋没法手術後の腫れ

埋没法は切開二重手術などに比べて短時間にダウンタイム(回復期間)も短く行うことができますが、手術後には腫れが出ます。殴られたように瞼が腫れるわけではなく、多くの場合は太い二重として見えます(二重のラインの下側が腫れます)。

少しの例ですが、下の写真を見ていただくと、腫れの経過が分かると思います。

4-1.腫れの経過

腫れの程度は糸のかけ方や、縛る強さで変わってくると言いましたが、腫れが少ない場合は2-3日で腫れの70%程度は治まり、1週間で90%程度、ほぼ予定通りの幅になっています。腫れが大きい場合でも1週間で70%程度の腫れは引いてきています。
ただし、完全に腫れが引いて予定した幅に位置着くのは4週間が目安です。

4-2.腫れている間はラインが太く見える

まぶたが腫れるというと、殴られたボクサーみたいなのを想像する方もいるのですが、埋没法の場合は二重の線よりも下が優位に腫れます。ですので、予定よりも幅の広い二重になっているように見えます。

だんだんと腫れが引くにしたがって、二重幅が小さく落ち着いてきます。ですので、予定よりも広い幅になっていても問題ない場合がほとんどです。

逆に、腫れが出ているはずの期間なのに、二重幅が狭く見える場合は、腫れの経過とともに二重幅が広くなることはありませんので、おそらく予定と違った二重のラインになる恐れがあります。

4-3.腫れに大小がある理由

埋没法を行った人のブログやSNSなどを見ていると、腫れが大きかったとか少なかったとか書いてあると思います。腫れの程度は様々な要因によりますが、主な要因は「設定する幅、ラインの太さ」「糸で縛る組織の量」「糸を縛る強さ」で決まってきます。それぞれ大きい方が腫れが出やすくなります。

設定する幅、ラインの太さ

幅の広いラインを選択したほうが、腫れが出やすくなります。立体で考えると糸で縛る組織の量が多くなるということと同じことです。

糸で縛る組織の量

糸で縛る組織の量が多いほど腫れが出やすい傾向にあります。例えば、目の幅は30㎜くらいですが、糸がかかっている部分が10mmの場合と、20㎜の場合では20㎜の広く組織を縛ったほうが腫れやすくなります。

糸を縛る強さ

糸で同じ量の組織を縛っていたとしても、ギュッと強く結べばその分、腫れは大きくなります。

4-4.腫れが出ることは悪いことなのか?

以上を読んでいただいて、腫れが出ないようにはちょっとの幅で緩く縛ればいいと思うかもしれませんが、それだと埋没法の持続期間が大丈夫なのかという考えもあり、腫れだけで埋没法が成り立っているわけではないので、それぞれのドクターが色々考えながら手術を行っているわけです。

しかし、腫れは極力抑えたいとお思いでしょうから、自宅で行える腫れを少しでも緩和できる方法をご紹介します。

5.自宅でできる腫れを出来るだけ抑える方法

5-1.術後は軽く冷やす

術後は軽く冷やした方が腫れが出にくいと考えられています。打撲した時に冷やすのと一緒ですね。

アイスノンなどを薄いガーゼやハンドタオルで巻き、軽く冷やしましょう。術後当日くらいでいいと思います。

5-2.頭を下げ過ぎない、スマホばかりいじらない

立っていると足がむくむのと同じで、重力に応じてむくみも移動します。頭の位置は出来るだけ心臓よりも高いくらいの位置にしておくのがベターだと思います。

お休みになる時も、数日はタオルなどで枕を高くしてみてはいかがでしょう。

また、座って休んでいても下を向いてばかりいると目がむくみやすくなります。スマホをしているとどうしても、うつむきがちですので、あまり下を見過ぎない方がよいと思います。

5-3.身体を温めなすぎない

身体を温めると血流が良くなって腫れが出やすくなります。身体は元気だからと言って、良く動いたり運動したりすると腫れが出ますので注意して下さい。

また、お風呂の長湯も身体を温めます。腫れを抑えたい場合はシャワー程度の方がベターです。

6.埋没法術後の経過

手術後はどういった経過をとるのでしょうか。

6-1.内出血の経過

埋没法の手術後は内出血が出ることがあります。ちょっとした赤みが2-3日だけ出る場合もあれば、青や赤のあざになって10日間ほど出ることもあり、左右一緒とも限りません

内出血は麻酔の注射の針や糸を通すときの針が血管に当たってしまうと出るのですが、瞼の細かい血管まですべて避けることはできませんので、どうしても内出血が出てしまうことがあるのです。

内出血は手術直後よりも手術翌日に出ていることが多く、その後徐々に引いていきます。重力によってまつ毛の方や目尻の方に移動してくることもあります。

内出血が出たとしてもいずれは消えますし、数日後にはお化粧が可能となります。

“細い針なら内出血は避けれるのか?”

細い針であればあるほど内出血の可能性は低くなると考えられます。しかし、埋没法を行う場合はどこのクリニックもある程度細い針を使用していると思います。34・32・30Gというサイズの針を使用していることが多いです。
34Gが細く、30Gが太くなります。採血検査をする針は23Gの太さなので30Gでもそれなりに細い針です。

6-2.傷跡・食い込みの経過

埋没法では、気になるほど傷が残る事は滅多にありませんが、手術後はカサブタのように見えますし、しばらくは糸がかかっているので食い込んで見えます。

先ほど、ラインは1ヶ月でほぼ完全に落ち着くと言いましたが、1ヶ月では目を閉じた時のわずかな食い込みが残っていることがあります。そのように食い込みの強い人は3-6カ月ほどして徐々に消えて気にならなくなることがほとんどです。

6-3.糸の膨らみの経過

埋没法で糸をまぶたに入れると、糸を結ばないといけない訳ですが、糸の結び目はまぶたの皮膚の下に来ます。この結び目がポコッと膨らんで気になることがあります。

この膨らみは3-4週間目位の腫れ・むくみが引いてきた時点が一番目立つことが多いです。しかし、糸は結ばれていますので、中の方に埋まっていき目立ちにくくなる場合も多いです。

これも3-6ヶ月程度で徐々に改善していきます。しかし、どうしても気になる場合は抜糸して修正しないといけません。

糸をまぶたの裏で止める方法

糸をまぶたの裏側で結んで、結び目を見えなくする方法もあります。まぶたの裏側ですので眼球側で糸を結ぶことになります。
 
メリットは糸の結び目がポコッと膨らむことがないことですが、デメリットはもし抜糸をしたい時に簡単に抜けるかどうかという問題があります。また、同じように表側から行う方法にうらべて、皮膚の引っ張られるところに引っかかり(糸の結び目)がないので、持続期間が短くなる可能性があるのではないかと考えています。

持続期間に関しては、ちゃんと期間をおいて調べたデータはありません。
(サンプル期間が短かったり、データの取り方があいまいなものはあるようですが、そのような恣意的なデータは意味ないと思います)

6-4.ライン・幅の経過

埋没法で二重まぶたを作っても、残念ながらいつか緩んでくる事が多く二重でなくなってしまいます。ずっと二重が持続している人もいるでしょうが、いつかは緩んでしまうと思っておいた方が無難です。3-5年が平均的などと言われたりもしますが、人によっても全然違います。

二重がいつまで持続するかは人それぞれですが、緩んでくるころの経過としては、

  • 日によって二重が取れたり戻ったりする
  • だんだんと幅が狭くなってきた

などの症状があります。

二重の消失率というデータ

埋没法の二重消失率を正確に出すのは残念ながら不可能です。手術を受けた方は二重が取れたとしても元の病院に行くとは限りませんし、仮に連絡をしたとしても連絡がつかない人がほとんどでしょう。

時々、二重の消失率〇%などという表記を見ますが、これは正確な数字を表していない、もしくは観察期間が非常に短いことが多いです。1年の観察期間なのか、5年の観察期間なのかでかなり変わってきます。

7.長期的な経過・影響は?

埋没法が長期的にまぶたに影響するのか、はっきりとしたことはわかっていませんが、以下のようなことが起きる場合があると考えられています。

7-1.目の開きが悪くなることがある(眼瞼下垂が進む)

埋没法では将来的に目の開きが悪くなることがあるといわれています。どのくらいの頻度で、どれくらいの程度で起こるのかはわかりません。ただ、コンタクトレンズ(特にハード)でも目の開きが悪くなることがあります。

ですので、この可能性があるからと言って埋没法を行ってはいけないというほどでもないと考えていますが、埋没法はするべきではないとお考えの先生もいらっしゃいます。

リスクで述べますが、短期的にも眼瞼下垂になるリスクはあります。

7-2.目がゴロゴロしてくることがある

糸が緩んで出てきたり、出てなくても炎症を起こしたり、糸をかけたところが変形していたり、する理由で短期的にも長期的にも目のゴロゴロ感が出てくることがあります。

この場合は糸を抜かなければなりませんが、手術から時間がたっていると必ず抜けるというものではなくなっており、切開しなければならない場合もあります。

8.埋没法のリスク・副作用・失敗

埋没法は美容外科になるとまず行う手術ですが、簡単で失敗もないという訳ではありません。やればやるほど奥の深い手術だと思います。ですので、リスクのこともしっかり理解してから手術を選択しましょう。

8-1.腫れや内出血が出ることがある

ここに関しては、上記にて解説済なので4章・6章をご覧ください。

8-2.左右差が出ることがある

目の形が人それぞれですので、微妙な左右差は出る可能性は大きいですが、そこまで気にする人はあまり多くないです。明らかな左右差が思いがけずに出ることがあります。ただし、頻度は多くありません。皮膚のたるみが非常に大きい場合に出やすい印象があります。

サイドダウンタイムの時間はかかりますが、埋没法ですので修正は可能です。

8-3.希望通りの二重にならないことがある

埋没法は手術前にデザインを行い、デザイン通りに手術をすればそこにラインができます。しかし、見た目が予想と違うことがあります。

どういう事かというと、ラインができる位置に違いがなくても手術後に目の開き方が変わったり、眉毛の上げ方が変わったりする事で見た目の二重幅が違ってくる事があり得ます。もちろん、そもそものデザインが正確でなかったという事もあり得ます。

しかし、頻度の高いものではありません。

目頭側、目尻側の調節は困難

特に目頭側のラインにこだわる場合は注意が必要です。目頭側のラインは糸をかけて調節するというよりも、中央付近に付けた糸に引っ張られて自然にできるラインになります。ある程度なるようにしかならないのです。

ですので、平行型と言われるラインにしたくて手術してもならない場合や、予定と違うなんて場合もあります。

目頭側のギリギリに糸を付けることも可能なのですが本来の自然なラインから外れている場合は、ガタついたり、すぐ取れてしまったりすることがあります。

8-4.違和感(目が重い、疲れ目になるなど)が出ることがある

まれに、手術後に目が重たい、疲れ目がひどくなった、肩こりがひどくなったという方がいます。この場合は、埋没法が影響していますので抜糸が必要です。このような方は切開法が理想だと思いますが、再度やり直すと症状が出ないこともあります。

8-5.糸が出てくることがある

まれに糸が出てくることがあります。出てきたいとは元に戻りませんので抜く必要があります。

8-6.糸の膨らみが気になることがある

一般的な埋没法は皮膚のすぐ下で糸の結び目を作ります。そうすると、結び目のところがポコッと膨らみ気になることがあります。手術後早期というよりは、むくみが引いてきた1か月目くらいが一番気になると思います。

おおよそ6カ月程度で改善していきますが、どうしても気になる場合は再度やり直す必要があります。皮膚が薄い方やラインが広い場合に目立ちやすい傾向があります。

8-7.赤く腫れてくることがある

まれにまぶたが赤く腫れてくることがあります。このような場合には、埋没法の手術を受けたクリニックに相談しましょう。繰り返すようであれば抜糸が必要です。

8-8.長期的にゴロゴロしたり、目の開きが悪くなることがある

これに関しては埋没法の経過のところで解説しましたので○章をご覧ください。

9.埋没法の痛み

埋没法は意識がある状態で行う手術ですので多少の痛みがあります。手術の始めに局所麻酔と言ってまぶたに注射をするのですが、これが少し痛いです。

痛みの感じ方や程度は人によって様々ですので、どれくらいかを説明はできませんが、下のグラフは当院で埋没法を受けて頂いた方54名のアンケート結果です。(2018/1-4月の調査)

見て頂いても分るように、おおむね痛みは小さいと感じる方が多いですが、中には少し強い痛みとして感じる方もいます。

9-1.痛みを少なくする方法

クリニックによっては痛みを少なくするために色々な方法を行っています。

笑気麻酔をする

笑気麻酔と言って麻酔ガスを吸って、痛みを和らげる方法です。少しリラックスしたような気分になります。

注射針を細くする

細い注射針の方が痛みが少なくて済みます。ただし、まぶたに使う針ですので、ほとんどのクリニックでそもそも細い針を使用しています。具体的には30G(ゲージ)32G(ゲージ)34G(ゲージ)というサイズの針を使用していることが多いです。(数字が大きい方が針が細くなります)

32Gと34Gでどこまで痛みが違うかは、そこまで大きくはないと思います。

10.埋没法の抜糸とは?

埋没法はやり直せるのがメリットの一つです。気に入らなければ抜糸すれば基本的には元の状態に戻ります。

しかし、いつでも気軽に抜糸できるという訳ではない事は覚えておいて欲しいです。

10-1.抜糸の方法

抜糸は埋没法を行った時と同様に、まぶたに小さな穴を開けて、そこから糸を取り出します。しかし、中には糸が見つからずに小さい穴から抜けない場合もあり、抜くのであれば切開が必要となるケースもあり得ます。

10-2.手術後1-2カ月で抜糸したい場合

手術に思っていたのと違う、希望通りになったけど元の目の方が良いなど、抜糸を希望する方もまれにいます。手術後数か月の時であれば、問題なく抜糸出来る場合が多いです

10-3.手術後数年経っている場合

手術後何年も経っていて抜糸をしたいという方もまれにいます。埋没法の手術から何年も経っていると目立たない小さな傷から抜糸をするのが難しい場合もあります

そして、抜糸しても二重のラインが取れずに残る場合もありえます

10-4.ラインを広げたい場合

ラインを広げたい場合は前回の埋没法の糸を必ず抜く必要はありません。ただし、前回埋没法で作ったラインと新しく作ろうとしているラインの幅に差があり過ぎると三重に見えてしまいます。

また、前回の糸が残っているのが気持ち悪いなど、あったら抜糸してもらってもいいと思います。

私は、簡単に取れそうでしたら取りましょう、と説明しています。

10-5.ラインを狭くしたい場合

ラインを狭くしたい場合は前回の埋没法の糸を抜かなくてはなりません。二重のままでは狭いラインでデザインができないので、一旦、抜糸を行って二重が消えてから再度埋没法で狭いラインをデザインして手術します。

11.埋没法の費用

美容整形の費用はクリニックによってかなり差があります。特に埋没法は差があるといっても良いでしょう。

埋没法の費用に関して、費用相場は8-15万円くらいです。

当院の埋没法2点止めは両目82,000円、モニター料金65,000円です。(2018/6/15現在)

11-1.安すぎる埋没法は大丈夫なのか?

ときどき埋没法を非常に安価な値段設定で広告している場合があります。しかし実際にカウンセリングに行ってみると、「あなたの瞼は、安い手術法では二重にならないから」などと言われて20万円30万円の手術を強くすすめられるというような事例があります。

二重埋没法のみならず、美容医療に関してこのように不当に値段を吊り上げる事例が報告されています。(国民生活センター

消費者としては安い値段でやってくれるなら受けてみたいというのが本音でしょうが、安すぎる値段ではクリニックも経営が成り立たないです。
医師の時給1万円、看護師時給2000円、事務員時給1200円で計算しても、医師のカウンセリング20分と手術20分で6,666円、看護師の手術準備や手術、説明30分で1000円、事務員からの説明や手続き15分で300円として、人件費だけで超効率的に手術を行ってトータル8000円です。
実際には上記のように効率的にはいきません。。。

その他、材料費、お薬代、家賃、広告費、社会保険料や事業税などもあります。もろもろ入れれば数万円になることは予想できるでしょう。そして、利益がないと経営できないですから多少の利益が乗ってきます。

そうすれば、都内であれば埋没法は最低でも5万円くらい頂かないと経営が成り立たないというのが私の感覚です。埋没法に特化して、非常に小さなクリニックで人件費をかけずにやればもう少し安くできるかもしれませんが。

私も消費者としては、なんでも安いほうがいいのですが、いくら安くても理論的におかしい値段には釣られないようにしましょう。

11-2.埋没法の種類は何を選べばいいのか?

埋没法は2点(ループ)止めを基本として、いろいろな糸の止め方があります。どれを選べばいいのか迷ってしまう方も多いと思います。

迷っているのであれば今のところは2点止めを選びましょう、というのが私の意見です。

残念ながら、埋没法の種類によっての効果の違い(腫れ、持続期間、リスク)などを正確に対比することは難しいのです。短期的にはできますが、長期的に患者さんを追跡することが難しいからです。

今のところは2点止めを選びましょうという理由は、

医療の場合、一部のクリニックや医師しかやっていない方法よりも広く行われているほうが、結果が安定しており、広く行われるにはそれなりの理由があるからです。

現在のことろは、やはり2点止めがどのクリニックでも採用されており有用な方法だと考えられるのではないでしょうか?

12.埋没法の口コミ

近年、ネットの発達により様々な情報を得ることができるようになりました。twitterで自分のことを書いている人がいたり、口コミを専門的に扱う業者まであります。実名で口コミを書いている人は少ないのでどこまで信憑性があるか気になりますよね。

しかし、それ以前に身体の状態、特に目の状態は人によってかなり異なります。他人が良かったと言うクリニックが必ず自分にとても良いクリニックかどうかは分りません。お友達でも合う人とあまり合わない人がいますよね。参考にするのは良いのですが、絶対的には信じない方が無難です。

また、業者が行っているものはどこかで利益が発生しています。口コミは本当のことが正直に書いてあるとしても、クリニック側もどの人が口コミを書く人かが分っているので、その人にだけ懇切丁寧に対応することも不可能ではありませんし、もしかしたら”さくら”のコメントがある可能性も否定はできません。

結局は、自分の足でカウンセリングに行って、どんな医師かクリニックかを確かめることが非常に重要だと思います。

13.まとめ

埋没法は美容外科手術の中でも基本的なものです。新人美容外科医が行っても上手く行く事は多いのですが、抜糸のことや修正、腫れの度合い、持続期間など色々な要素を考えると非常に奥の深い手術だと思います。また目の形もかなり個人差がありますので、手術後の状態はかなり変わってきます。

医療に絶対ということはないこと、人によって個人差があり口コミやネットの情報通りにはいかないこともあること、をしっかり理解して、自分が信頼できる医師を探してみて下さい。

一覧を見る