脂肪吸引の失敗やリスクで多いものとは!手術前に読んでほしい知識

脂肪吸引の失敗とはどんなことがあるのでしょうか?失敗の定義は難しく、不可抗力で起きることでも患者さんにとっては失敗したと感じるかもしれません。

失敗、副作用、合併症、、、色々な言葉がありますが、手術を受ける前に心配なことは起こりうるデメリットを知っておきたいという事だと思います。

ここでは、失敗、副作用、合併症、あえて細かくは分類せずに、脂肪吸引の手術後に起きうるデメリットについて解説していきます。

どんなに脂肪吸引が上手な医師が手術を行っても100%上手く行くという事は残念ながらあり得ません。リスク、デメリット、さらには対処法を知っていれば不安要素も消えるかもしれません。是非一度この記事を読んでみて下さい。

1、脂肪吸引:9つの失敗パターンと対処法
・1-1、吸引した部位に凹凸ができた
・1-2、左右差が気になるようになった
・1-3、傷跡が気になる
・1-4、皮膚がたるんだ気がする
・1-5、シミやあざのようなものができた(色素沈着)
・1-6、吸引部分のボディーラインが崩れた
・1-7、口元に窪みができた
・1-8、顔の脂肪吸引で神経麻痺が起きた
・1-9、お尻が垂れた&二段になった
2、脂肪吸引の失敗:見た目には分らないもの
・2-1、ひきつれ感が残ることがある
・2-2、思ったように細くならないことがある
3、脂肪吸引の合併症や重大な事項
・3-1、感染することがある
・3-2、血や体液が溜まることがある(水が溜まる、セローマ)
・3-3、皮膚が傷つい損傷することがある:壊死する
・3-4、ヤケドすることがある
・3-5、病院への搬送例や死亡例もある
4、まとめ

1.脂肪吸引:9つの失敗パターンと対処法

1-1.吸引した部位に凹凸ができた

どの程度のものを凹凸やデコボコと言うかにもよりますが、ある報告によると凹凸が出た症例は2.7%だったと言うものがあります。

実際は、医師の技術やどれくらいの脂肪を取るか(ある程度残すか)などによって結果は違ってきますが、上記の2.7%よりは少ない可能性だと思います。

もしも凹凸やデコボコができてしまった場合は、脂肪を注入して修正したり、取り残しがあれば再度吸引して修正します。

Elisa Bellini. A journey through liposuction and liposculture: Review. Ann Med Surg (Lond). 2017 Nov 6;24:53-60.

凹凸やデコボコにならないために

当院では凹凸やデコボコにならないために、どれだけ脂肪を残すかを考えて吸引しています。部位によっても皮膚の薄さが違い、どの時点で脂肪吸引を終了するかは術者によって異なります。

脂肪を残し過ぎれば細くなりにくいし、あまりに取り過ぎれば凹凸も出やすくなります。当院では見ても触っても美しい状態を目指して吸引を行います。

もともと凹凸がある場合もある

もともと凹凸やデコボコがある場合もあります。特に女性の太ももは気が付いていなくても凹凸がある場合があります。

もともと凹凸がある場合は、手術後もあまり変化しない場合が多いです。しかし、手術後はよく手術部位を見るようになりますので、初めて気になってしまう人もいます。(もちろん手術後に良くなる場合もありますし、少し悪化することもあり得ます。)

良くなることもありますが、脂肪吸引でこの凹凸を常に解消するのは難しいのではないかと思います。

1-2.左右差が気になるようになった

細かい左右差はどうしても出るでしょう、というよりも元々左右で差があるものです。たいていの場合は少しの左右差であれば気になりません。特に腕や足は右と左が離れていますので気になる事も少ないと思います。

ただし、お腹ではちょっとした左右差も気になることがあり、注意が必要です。

修正する場合は、太い方、太い部分を再度吸引する事になる場合が多いでしょう。

左右差が出ないために

手術中に念入りに左右差が出ていないかを確認して微調整して手術を終了します。それでも、腫れなどで手術後に左右差が出てしまう場合があります。

その様な場合は、保証の範囲内で、脂肪の厚みによる差であれば修正させていただきます。もし、元々あるような左右差、筋肉の差であれば修正が難しい場合もあります。

1-3.傷跡が気になる

脂肪吸引の手術は傷を作らないと手術ができませんので、必ず傷ができます。傷の治り具合は人それぞれです。

ほとんど見えなくなる場合もあれば、赤みや凹み・膨らみが気になってしまう場合もあります。ですので、どこのクリニックも出来るだけ目立ちにくい場所に傷を作る事が多いと思います。

また、傷が目立ちにくくなるには早い人で3カ月程度、ゆっくりな人だと1年くらいかかります。

傷跡がキレイになるために

傷跡ができるだけキレイになるように、手術中は傷跡に保護用のプロテクターを装着し手術を行います。また、傷口は丁寧に縫合し、手術後は傷口保護用のテープを使って頂き保護します。

“傷の位置は目立ちにくい場所が良いのではないか?!”

傷の位置は、万が一、傷が目立ってしまった時のことを考えて、出来るだけ見えにくい位置に作るのが良いのではないでしょうか?

下の写真のような場所に作ってしまうと、もし目立った場合に非常に気になります。

手術前にどこに傷を作るかも確認しておくのが良いでしょう。

1-4.皮膚がたるんだ気がする

一番大きな要素は年齢だと思いますが、脂肪がなくなれば皮膚が余ります。。。しかし、通常は皮膚が縮んできて気にならなくなるものです。

ただし、年齢や皮膚の状態によって皮膚が縮み切らずに、たるみの症状として出てくることがあります。

たるみと言うと、テレビなどで出てくる100㎏オーバーの人が数十キロ痩せた時にお腹がデロンとたるんでいる状態を想像するかも知れませんが、そう言う症状が出ることは滅多にありません。

特に腕や太ももではたるみとしては認識しにくいです。どちらかと言うと、止まっている状態と言うよりも動いた時に凹凸感が出るような感じがあったり、腕を上げた時に皮膚が下に垂れ下がる感じが出ます。ですので、静止している写真ではたるみと言うのは分りにくいです。

また、お腹の場合はたるみがあると凹凸感として見られます。触った感じはデコボコしていなかったり、寝ている状態では凹凸はないのに、立ち上がると凹凸が見えることがあります。

レーザーを使用した脂肪吸引であったり、ボディタイトと言う機械を使った脂肪吸引では、引き締め効果があったと言うものもありますが、キチンとした証拠(エビデンス)があるものはなく、引き締め効果があると言っても、どこまでも自由に引き締まる訳ではありません。

ちなみに、ベイザー(VASER)脂肪吸引では引き締め効果があると言う論文は、引き締め効果に関しては計算間違い等のため否定されています、ベイザー脂肪吸引で引き締め効果があると言うのはありません。

気になるたるみを出さないために

たるみを出さないようにするには、脂肪吸引量を控えめにする事ですが、それでは脂肪吸引の満足度も落ちてしまいます。

たるみが出そうな場合、当院では、術前の皮膚の状態を一緒に確認し、手術後はどの程度たるみやシワが出そうか、どのくらいまで許容できそうかなどを話し合ってから手術を行います。

1-5.シミやあざのようなものができた(色素沈着)

脂肪の浅すぎるところを吸引すると、皮膚が茶色くなる(色素沈着)が起きることがあります。特に皮膚の薄い部分に起きやすく注意が必要です。

時間経過とともに大分よくはなっていきますが、どうしても残ってしまう事もあり得ます。

また、明らかにスポットで茶色くなるわけではありませんが、皮膚がまだらに茶色くなる(色ムラができる)ことがあります。大理石様皮膚などと表現されます。特に太ももの内側などに起きやすく、年齢が高い方が起きやすく治りにくいです。
しかし、待っていれば気にならない程度の状態になることがほとんどです。

色素沈着を起こさないために

跡に残るような色素沈着を起こさないように、色素沈着の起きやすい部位をしっかり理解し、丁寧に手術します。
万が一、残りそうな色素沈着が起きた場合にはお薬等を処方し、できる限り対処しています。

1-6.吸引部分のボディーラインが崩れた

脂肪吸引はただ単に脂肪を取ればいいと言うものではないと思います。人によって気にされる部位や理想とするものは違うでしょうが、考えて吸引しないと不自然なボディーラインになってしまいます。

これを修正する場合は、再度吸引して整えたり、おかしく凹んだ部分があれば脂肪注入をして滑らかにしたりします。

不自然なボディーラインにならないように

ただ単に脂肪を吸引するだけでは、その部分だけ凹んで見えてしまったり、他の部分が変に膨らんで見えてしまいます。そうならないように、全体的な整合性を考えながらデザインや吸引を行っています。

1-7.口元に窪みができた

口元や口角辺りを吸引し過ぎると、特に年齢が上の人、窪みが目立ってしまう場合があり注意が必要です。

口元が膨らんでいるからと言って、脂肪吸引ですべて解決出来る訳ではありません。修正には脂肪注入が適応です。

窪みを作らないために

たるみに対して過度な脂肪吸引は上記のような合併症があります。許容範囲内で手術を行うべきで、その他、ヒアルロン酸やリフトアップなど他の方法も同時に考慮します。

1-8.顔の脂肪吸引で神経麻痺が起きた

まれに神経を損傷し、口元の動きが悪くなってしまう場合があります。

「イー」とか「ウー」とか言いにくくなります。しかし、1-6カ月で治ると考えられています。

神経麻痺を起こさないために

丁寧な手術、解剖の理解が必須ですが、稀に起きる場合もあり得ます。万が一、このような症状が出た場合には、少しでも早く改善するように内服薬を飲んで頂きます。

1-9.お尻が垂れた&二段になった

お尻の位置が下がることがあります。1cm程度下がっても気が付かない場合は多いですが、数㎝下がってしまうと気になってしまいます。これを完全に元に戻すのはかなり難しいです。

また、下がるまで行かなくてもお尻が二段になったように見えることがあります(banana deformityと呼んだりします)。これもほんの少しであれば気にならない人もいますが、大きな段になってしまうと気になります。

お尻をたるませないために

お尻の中央部やお尻のすぐ下を吸引すると、お尻が高頻度でたるむと考えられます。危険部位には十分注意して手術を行う事が肝要です。

2.脂肪吸引の失敗:見た目には分らないもの

2-1.ひきつれ感が残ることがある

脂肪吸引の傷口は非常に小さいものですが、脂肪を取った範囲全体に傷が付いています。身体の中では傷を治そうと言う反応が起き、硬くなります。その結果、例えば、腕を上げる時に腋の部分が引きつって上がりにくかったり、太ももであれば正座する時などにひきつれ感を感じることがあります。

“ひきつれ感を残さないために”

ほとんどの場合は、3ヶ月から6カ月程度で改善していきますが、当院ではストレッチをして頂き慣らすようにしてもらっています。

2-2.思ったように細くならないことがある

脂肪吸引をしたからと言って、どれだけでも細くなると言う訳ではありません。同じような体格の人から同程度の脂肪を吸引しても結果が違うこともあり得ます。

脂肪吸引の満足度は約80%と高い手術ですが、手術前にどれくらい脂肪が付いているかなどを医師としっかりカウンセリングして、納得して受けるようにしましょう。

高い満足度、納得して受けてもらうために

手術前の期待値と結果で満足度が決まります。脂肪はいくらでもついている訳ではなく、どれだけでも細く出来る訳ではありません。手術前にしっかり診察し、どれくらい細くなりそうかなどをカウンセリングにて説明する事を重視しています。

3.脂肪吸引の合併症や重大な事項

ここまで失敗例とそうならないための方法を説明してきましたが、最後に、失敗とは言えないまでも脂肪吸引を受ける上で知っておくべきリスクについて説明します。

3-1.感染することがある

脂肪吸引で感染が起きることは非常に稀です。1%以下です。

傷口程度の感染であればすぐに良くなる事も多いですが、広い範囲の感染になってしまうと通院処置が必要であったり入院が必要であるケースもまれにあり得ます。

Elisa Bellini. A journey through liposuction and liposculture: Review. Ann Med Surg (Lond). 2017 Nov 6;24:53-60.

3-2.血や体液が溜まることがある(水が溜まる、セローマ)

脂肪吸引を行って出来たスペースに、血液や体液が溜まることがあります。水が溜まるなどと言う人もいますし、専門用語ではセローマと言います。そうならないために手術後には圧迫をしたりするのですが、まれにこういった合併症が起きることがあります。

体液等が溜まってしまった場合には注射器で抜くことが多いのですが、一度スペースができてしまうと再度同じところに体液等が溜まることが多いので、繰り返しの処置が必要にあることもあります。

体液や血液が溜まると、そこの皮膚の色が悪くなってしまったり(色素沈着)、感染を起こすリスクがあったり、通院の負担などがあります。

体液や血液が溜まるのは合併症です

こういった症状が起きた時に、よく脂肪が取れた証拠ですなどと言う医師もいるようですが、ただ単に合併症です。当たり前ですが、論文等でも合併症として分類されます。

3-3.皮膚が傷つい損傷することがある:壊死する

脂肪の余りに浅い部分を無理に吸引すると、皮膚も傷が付いてダメージを受けます。その障害が大きければ皮膚が損傷し、跡が残るような傷になることがあります。通常は滅多に起きません。

3-4.ヤケドすることがある

レーザーなど、熱を発する機械を同時に使用する場合は、火傷を起こすリスクがあります。基本的にはほとんどありません。

3-5.病院への搬送例や死亡例もある

手術中に出血が多すぎて、、、体液バランスが崩れて、、、麻酔で呼吸が浅くなりすぎて、、、なんていう事も稀にあります。また、手術後でも脂肪の塊が血管に詰まって、貧血がひどくて、など入院が必要になるケースもないとは言えません。

ただし、基本的に手術前に持病のチェックや血液の状態、年齢、吸引する脂肪量を考慮するなどしていれば滅多に起きるものではありません。

4.まとめ

脂肪吸引の失敗やリスクについて解説しましたが、脂肪吸引の失敗やリスクは大きなものではなく基本的に満足度の高く安定した結果の出る手術です。

しかし、リスクはありますので十分理解して信頼できる医師を探してください。

当院の脂肪吸引の費用

当院では通常料金と、経過のお写真を使用させていただく、モニター料金の2種類があります。

施術名 種類 通常料金 モニター料金
脂肪吸引 へそ上 230,000円 184,000円
へそ下 230,000円 184,000円
ウエスト 230,000円 184,000円
230,000円 184,000円
お腹全体 498,000円 398,000円

*お腹全体の場合は採血費用12,500円が必要です
*お持ちでない方は圧迫物品10,000円が必要です
*2018/5月現在

一覧を見る