埋没法とは糸で二重まぶたを作る手術です。比較的簡単に二重まぶたが手に入り、手術を受ける方も多くいます。
比較的簡単と言っても、アイプチやアイテープとは違い、針をさしたり糸を埋め込んだりしますので、腫れが出たり内出血が出ることがあります。
手術後の経過はちゃんと理解して受けるべき手術です。
ここでは、埋没法の手術後にどのような経過を辿るのかを「腫れ」「内出血」「見た目」など、また長期的な経過に関しても詳しく解説します。
読んで頂ければ、手術後経過に心配な点は解消されると思います。埋没法を受けようと思っている方は是非お読みください。
1.埋没法の手術後にお休みするべき期間とは
2.埋没法の経過で注目すべき5項目
3.埋没法手術の種類による経過の違い
4.埋没法の長期的な経過
5.まとめ:経過を良くすために
1.埋没法の手術後にお休みするべき期間とは
埋没法の手術後はどれくらいお休みを取ればいいのか気になりますよね。絶対ということはないのですが、4-5日あればお化粧でごまかせる程度には落ち着きます。また中には2-3日でお化粧してお仕事や学校に行かれる方もいます。
ちょっと心配だなという方は1週間ほどあれば十分な場合がほとんどです。
2.埋没法の経過で注目すべき5項目
埋没法の経過ですが、みなさん主に次のような事を気になさります。手術後の経過を知っておけば、手術後も安心して過ごせますし、異常があれば早めに気が付く事もできます。
2-1.埋没法による腫れの経過
埋没法の手術後は少なからず腫れが出ます。希望する幅が広い方が腫れが出やすい、糸を多くしっかり付ける方が腫れが出やすいなど、様々な要因が絡んできますが、一般的な腫れと経過について解説します。
埋没法の経過の写真
現在一般的に行われている「2点止め」と言う方法で行った場合の腫れについて写真をご覧ください。
また、当院では糸を絡めて行う方法でも手術を行っております。持続は長くなると考えられますが、腫れが出やすくなります。この場合の経過も併せてご覧ください。
ラインの完成は3-4週間
腫れに関しては、大きな腫れは数日で引くことが多く、手術後数日で腫れが引いたなと思うかも知れませんが、ラインは完成ではありません。下の表のように微妙に腫れは残っており少しずつ引いていきます。
そして、目安としては3-4週間後がラインの完成時期です。それまでは、腫れが引いたと思ってもまだラインが狭くなってくる場合があります。
動画で経過を見ると以下のようになります。
2-2.埋没法による内出血の経過
埋没法の手術後は内出血が出ることがあります。2日くらい傷跡が赤くなるだけという場合もあれば、10日程内出血が出てしまうことがあります。
下に1週間目で内出血の出ている例を提示します。
2-3.埋没法による痛みの経過
埋没法の手術後の痛みは大きなものではありません。もちろん、全く感じないという訳ではありませんが、クリニックから処方される痛み止めで十分対応できる程度の痛みです。
2-4.糸による膨らみの経過
埋没法の後に糸の結び目が膨らんで見えてしまうことがあります。手術直後や1週間目はまだ腫れがあるので気にならない場合も多いのですが、2-4週間で膨らみが気になってくる場合があります。
この膨らみは時間とともに改善していきますが、必ず見えなくなるという訳ではありません。おおよそ半年程度を目安として、気になる場合は担当医に相談しましょう。
2-5.埋没法によるひきつれ、食い込みの経過
埋没法の後は二重のラインが食い込んだように見えます。目を閉じていて食い込むというよりは伏し目の時に二重のラインが食い込んで見えることがあります。
これは糸で結んでいるので、手術後多少は出てしまいますが、徐々にゆるんで気にならない程度になることがほとんどです。個人差はありますが、1-6か月で改善してきます。
3.埋没法手術の種類による経過の違い
埋没法にいろいろな方法があって、何が違うのか気になりませんか?埋没法と言う範疇で同じですが、糸の通し方や、糸を結ぶ位置・数などが違ってきます。無数の組み合わせがありますので、どの方法が一番いいとか比べることが困難です。
3-1.糸の通し方の違い
点止め(2点止めや3点止め)
現在日本で行われる一般的な埋没法です。
1糸連続法
1本の糸でまぶたを連続で縫う方法です。
結び目を増やしたり、糸を絡める方法
糸の結び目を多くしたり、糸同士を絡める事によって持続期間を長くしようとする方法です。
点止め(2点止め) | 1糸連続法 | 結び目等を増やす方法 | |
腫れの出にくさ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆(腫れやすい) |
内出血の起きやすさ | ― | ||
痛みの大きさ | ― | ||
糸の膨らみ | 結び目が多いほど目立つ可能性は高い | ||
ひきつれ・食い込み | 糸を結ぶ強さによる | ||
持続の長さ | ☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆☆ |
抜糸のしやすさ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆ |
*皮膚の引っ張られる方に結び目がある方が持続が長いと考えています
3-2.糸を結ぶ位置の違い
糸は結ばないと止まりませんので、結び目を必ず作ります。その位置が皮膚側なのか、まぶたの裏側なのかによって埋没法を分類できます。上記の3パターンに表側か裏側化の分類で計6パターンに分類できます。
裏側で糸を結ぶ場合は以下のようになっています。
皮膚側で結ぶ | まぶたの裏で結ぶ | |
腫れの出にくさ | 結び目の位置では変わらない | |
内出血の起きやすさ | ― | |
痛みの大きさ | ― | |
糸の膨らみ | 出ることがある | 出ることはない |
ひきつれ・食い込み | 糸を結ぶ強さによる | |
持続の長さ | ☆☆☆ | ☆☆ |
抜糸のしやすさ | 難しい場合もあるが、比較的行いやすい | 難しい場合の頻度が高い |
3-3.糸を結ぶ強さの違い
糸を結んで止めないと埋没法は完成しませんが、糸をどれくらいの強さで結ぶかで経過が変わってきます。それぞれの医師によって、結ぶ強さは変わります。
糸を強く結べば腫れは大きく出る傾向にありますが、糸の膨らみは目立ちにくいですし、緩く結べば腫れは出にくいですが、糸の結び目が気になったり、必要以上に緩いと二重が取れやすかったり、糸が出てきたりする可能性があると思います。
糸を強く結ぶ | 糸を弱く結ぶ | |
腫れの出にくさ | ☆☆(腫れやすい) | ☆☆☆☆ |
内出血の起きやすさ | ― | |
痛みの大きさ | ― | |
糸の膨らみ | 出にくい | 出やすい |
ひきつれ・食い込み | 出やすい | 出にくい |
持続の長さ | 強すぎても弱すぎても取れやすいと考えられる | |
抜糸のしやすさ | ☆☆ | ☆☆☆ |
*上記3つの表は個人的な経験も加味したものとなっております。
腫れない二重、腫れにくい二重手術というのは、ほとんどが糸を緩く結ぶことで腫れを少なくコントロールしています。
4.埋没法の長期的な経過
いつか二重が緩んでくる可能性が高い
埋没法では一生ものの二重が手に入る場合は少なく、基本的には二重が取れてきます。1年未満で緩んでしまうようなまぶたの重たい人もいれば、10年以上持続しているような人もいます。
事前に何年持つかは分りませんが、担当の医師に聞いていただくと、持続しやすそうか、取れやすそうか位は判別してくれます。
“糸は抜糸しないとなくならない”
埋没法で使用する糸は基本的に溶けない糸を使用します。ですので、二重が緩んで取れてしまっても糸が取れる訳ではありません。
糸が出てくることがある
埋没した糸が出てくることがあります。皮膚側から出てくることもあれば、まぶたの裏側から出てくることもあります。
出てきたものは自然に埋まっていく事はありませんので抜糸する必要があります。
痛みが出てくることがある
手術後は何にも感じなかったのに数年後などに痛みが出てくることがあります。多くの場合はまぶたの裏が糸で変形していたり、糸が出てきたりしている場合です。このような場合も抜糸が必要になります。
しかし、出て来ている糸と違って、抜きにくい場合もあり、切開しなければ抜けないとこもあり得ます。
目の開きが悪くなる可能性がある(眼瞼下垂)
埋没法を行う事によって短期的にも将来的にも目の開きが悪くなる可能性があります。目の開きが悪い状態を眼瞼下垂と呼びます。
埋没法の直後に目の開きが悪くなってしまった場合は糸を抜けば改善しますが、長期的に起こってしまった場合は眼瞼下垂を修正する手術が必要になる場合も考えられます。
また、眼瞼下垂はコンタクトレンズや加齢によっても起こります。
5.埋没法のリスクや副作用
上記に説明したような経過とともに起こるリスクや副作用以外にも以下のようなものがあります。手術を考えている方は、経過やリスクなど十分理解して決めましょう。
- 希望通りにならない可能性
- 左右差が出る可能性
6.まとめ:経過を良くすために
埋没法の経過についてご理解いただけましたでしょうか?人間の体はみんなが同じような経過を辿る訳ではありませんので、経過に差がでることはあります。しかし、このように一般的な経過を知っておく事で、手術を受けようかどうかの判断も付きやすくなると思います。
また、埋没法と言ってもいくつか種類や方法があり、解説したように経過が微妙に変わってきます。
- 腫れを抑えたい人は2点止めなどの腫れの少ない方法を選ぶ
- 持続を長くしたい人は糸を絡めたり結び目を増やす方法を選ぶ
- 糸の膨らみを絶対に出ないようにするには糸を裏側で結ぶ方法を選ぶ
上記のように、その方のニーズに合わせた経過を選ぶことができると思います。
そしてそのためには医師としっかりカウンセリングして自分に希望、出来ること出来なことをきちんと理解することが重要です。
“腫れを抑えるためにできること”
よく言われている事ですが、腫れを少なくするためには以下のような事に注意しましょう。
- 手術後はアイスノンなどで冷やす
- 頭の位置を心臓よりも高い位置にして休憩する
- 寝る時は枕を高くする
- 入浴やアルコールで血流を良くしない
もっと良く知りたい、埋没法のカウンセリングを受けたいという方は、右上からカウンセリング・お問い合せのメールをください。当院の埋没法2点止め:85,000円