ハムラ失敗⁉どうして完全に良くならない事があるのか

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【著者】渋谷高野美容医院
院長:高野 洋一

最近表ハムラや裏ハムラがやっと広がってきて、これらをよく聞くという方やこれから受けようと思っている方も増えたのではないかと思います。

実際10年以上前からハムラ法と言われる「脂肪移動手術」が目の下のクマ・たるみに関してはスタンダードな方法です。

脱脂(脂肪取り)よりも良い方法と認知されていることが多いと思います。その通りなのですが、ハムラ法を行えば全て解決で100%綺麗に見えるという訳にはいきません。

今回はなぜ100%良くならない場合があるのかを、特に裏ハムラ法について解説していきます。

1,はじめに

「裏ハムラをしたけどまだ気になります、失敗されたのでしょうか?」というような質問を受けることがあります。

正直、「中を開けてみてないので分からないです」としか答えようがないです。なぜなら手術はちゃんとなされていても希望通りの結果にならない事もあると考えます。

裏ハムラは若返り系の手術にしては、多くの人でいい結果が出るので、満足いかない場合に上記のような疑問を持つ人がいるんだと思います。

*先天的な原因も含まれる

目の下の若返り手術は、二重や鼻のように「こういう形にしましょう」というものではありません。フェイスリフトもそうだと思います。糸なんて数か月後のリフトアップ効果は微々たるものです。肌の若返りなんかも自由に綺麗にできる訳ではありません。

2,目の下の老化に関して

まずは目の下の老化がどのように進んできているかを理解する必要があります。

  1. 眼球を支えている周りの組織の力が弱くなり、眼球がわずかに下方へ下がります。
  2. それによって目の下の脂肪に上からのプレッシャーがかかります。
  3. 目の下で脂肪が出てこないように支えている眼窩隔膜等が弱くなっており
  4. 筋肉の菲薄化、皮膚のたるみゆるみも生じてくる

→これらによって結果的に脂肪が前方へ押し出されてきています

あくまで脂肪は押し出されてきているだけで結果に過ぎないのです。

*Branham, MD. Lower Eyelid Blepharoplasty.Facial Plast Surg Clin N Am 24 (2016) 129–138

3,理由① 脂肪以外のたるみを改善できない

我々は基本的に出てきた脂肪に対する対処方法しか持ち合わせていません。

皮膚を若い頃の状態にして、筋肉の厚みを戻し、眼球のサポートを強くすることはできません。

ですので、脂肪をきれいにしてあげても、微妙にまだたるみが残っているように見えても不思議ではありません。もちろん、きれいに手術がなされていない場合もあるでしょうが、なかなか他人が確かめるのは困難です。

(拝見して、これは、、、ちゃんとやってないね、、、って分かるケースもありますよ。)

*表ハムラであれば皮膚のたるみを取ったり、筋肉を吊り上げたりでよりきれいに見えます。ただし使い分けは医師の自由にできるわけではなく、受ける人のニーズにもよります。

4,理由② tear troughの構造的な問題

解剖学的にtear trough(俗称ゴルゴ線という人も)が無くなりにくいタイプの人がいます。

tear troughとは外見上、目の下の膨らみの下方で凹みに見える部分です。下の黄色矢印

実はこの上下で違いがあるのです。

4-1,皮下脂肪の有無

tear troughより上では皮下脂肪が乏しく、下では皮下脂肪があるため段差のような質感の違いのように見える場合があります。

4-2,皮膚の質感の違い

目の下の皮膚とチークの皮膚の質感に違いがある人がいます。目立ちやすい人と目立ちにくい人がいます。

写真は典型的な方ですが、目の下とtear trough(窪み)の下では皮膚の質感が違うのが分かると思います。

術後にこの質感の違いでtear troughが残ったように見える場合があります。

4-3,色味の違い

上の写真の方もそうですが、目の下は赤み青み、色素沈着の茶色味などの色がある事も多いです。

これはtear troughを超えると途端になくなります。

術後に色味の違いで線が入って見える(tear troughが残って見える)場合があります。

術前

術後

膨らみも色も結構良くはなっていますが、色の違いや皮膚の質感の違いで何となくクマが残っているようにも見えます。

5,まとめ

以上のように手術がきちんとなされていてもハムラ法ではどうしようも出来ない部分も残ります。

上記の内の1つがあるから術後に残るとか、そういう事ではありません。

以上のような事が複雑に絡み合い、術後の見た目に影響を及ぼします。

とはいえ、物理的な膨らみや凹み(tear trough)が改善すればかなり良く見えますし、ハムラ法を行って無駄という事ではありません。

ハムラ法は現時点では目の下のたるみに対して有効でスタンダードな手術法です。

*NT. Haddock. The Tear Trough and Lid/Cheek Junction:Anatomy and Implications for Surgical Correction. Plast. Reconstr. Surg. 123: 1332, 2009

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