裏ハムラ法と脱脂の違いとは?比較と歴史的経緯

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【著者】渋谷高野美容医院
院長:高野 洋一

目の下のたるみや膨らみが気になる場合、脱脂(脂肪取り)や裏ハムラ法など色々な治療のオプションが出て来て「どれがいいのか迷ってしまう」、または「違いが分からない」という事があると思います。

とりあえずクリニックに行って聞いてみようというのも1つですが、中にはよろしくないクリニックが存在し、希望とは違うような手術を勧められてしまう場合もあります。

この記事を読めば脱脂や裏ハムラの違いが分かり、治療法を選択する一助になれると思います。

1,脱脂と裏ハムラの手術法の違い

両方ともに目の下の膨らみに対する手術方法です。両方とも目の下の裏側(結膜)を切開して手術します。

簡単に言うと、脱脂は目の下の脂肪を出ている分だけ切除、移動は脂肪を足側(骨の上)に移動します。

脱脂の方がかなり古くから行われており、その後に脂肪を移動するという概念が出てきました。

 

脱脂

裏ハムラ

2,目の下のたるみとは

目の下のたるみとは、眼球の周りを囲んでいる脂肪が前へと出て目立っている状態です。加齢とともに目立つ場合が多いですが、若くても元々出ているタイプの方もいます。

目の下のたるみについて詳しく知りたい方は下の記事をお読みください。

原因を知って対処する:目の下のたるみはどうしてできる?

3,脱脂とハムラの比較

敢えて比較をすると以下の表のようになるかと思います。

 

これらは違い、比較ですが、脱脂⇒移動への時代的な流れであまり比較するものでもないのかと思います。そもそもなぜ脂肪を移動するという概念が出てきたかというと、脱脂があんまりなのでは?と考えられたからです。

*日本でいう脱脂や裏ハムラは下瞼の裏側(結膜側)からの手術ですが、以下の内容は皮膚側の手術の話も含みます。

Drハムラは加齢で目周囲全体が窪んで見えるから取るだけでは解消にならないと、また脱脂では余計に凹みが目立つという言い方をしている先生もいます。またDrハムラは論文の中で本当に脂肪が多い人は10%以下と指摘しています。

「脂肪が多いから脱脂」か、「脂肪が多くても一部切除+脂肪移動」かは別に考えなくてはいけませんが…私は脱脂でも良いと思う人は滅多にいません。

その後、脱脂では眼球が僅かに下がる、目の上が窪むリスク(数年後)などが指摘されてきました。もちろん移動でも起こるかも知れませんが。こういった流れで脱脂⇒移動という手術が出てきたのです。

4,なぜ脱脂がダメと言われたか

上で脱脂がダメと言われてきたから裏ハムラへと移行したと書きましたが、具体的に何が言われてきたのかを解説します。

4-1,脱脂では痩せたように、骨ばって見える

下の写真をご覧ください。目の下が膨らんでいる方は多くの場合、その下に凹みがあります。

写真では黄色の矢印です。そして赤い矢印が骨の縁と思われる線です。

この状態で黄色い線より上の膨らみを取ることにより、黄色い部分の凹みに合わせて上が凹みます。

今まで「膨らみ→凹み」だった部分が「凹み→凹み」になるので痩せたような感じが出たり、赤い部分の骨を隠してくれていた脂肪が減ることにより骨ばったように見えるのです。

凹みがない場合は脱脂だけでも良いと思います。将来的にボリュームが減って来る事はあり得るとは思います。

4-2,凹みすぎる事がある

必ずではないですが、まれに脂肪の取り過ぎや何らかに原因によって凹み過ぎてしまっている方がいます。

これは修正することが非常に困難で気になってしまう状態になります。下の方は凹み過ぎを可能な限り修正した方です。

4-3,眼球が下がる、目の上が窪む

目の上の窪みというのは非常に評価がしにくいです。朝と夕方でも違いますし、体調などによっても変化します。

しかしながら、脱脂をすることで目の上が窪むという事は指摘されています。

enophthalmos has been suspected by some authors to result from standard blepharoplasty with fat pad resection,

*AA. Parsa. Lower Blepharoplasty with Capsulopalpebral Fascia Hernia Repair for Palpebral Bags: A Long-Term Prospective Study. Plastic and Reconstructive Surgery Volume 121, Number 4 P1387-1397

「いくつかの論文で脂肪切除を伴う標準的な手術において眼球陥凹が疑われてきた」と訳せます。眼球陥凹すると目の上のスペースが空きますので目の上の窪みが悪化しえます。

ただし、脂肪移動でも脂肪を触る訳なのでこういった事が起きないという報告は見たことがありません。脂肪移動でも起きる事はあるかも知れませんが、それでも脂肪切除よりはマシだと考えます。

 

5,まとめ

このように脱脂と裏ハムラは目の下の治療が発展する流れの中でより良い方法を求めて出てきているのであまり比較するようなものではないと思いますが、敢えて比較すると3のようになります。

目の下の膨らみ、たるみが気になる方は裏ハムラや表ハムラ法が第一選択になります。

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