近年、目の下のクマ・たるみ治療として裏ハムラ法を行うクリニックが増えています。
それに伴い、「裏ハムラ+ミッドフェイスリフト」といった治療を目にする機会も増えてきました。
では、裏ハムラ法を受けるのであれば、ミッドフェイスリフトも一緒に行った方がよいのでしょうか?
今回は、
「ミッドフェイスリフトを追加すると、どの程度変わるのか?」
「裏ハムラだけでも頬が持ち上がって見えることはないのか?」
という点について、実際の症例写真を比較しながら考えていきます。
動画で先に知りたい方へ
「裏ハムラ+ミッドフェイスリフトは本当に必要なのか?」について、症例を見ながら約15分で詳しく解説しています。
▶ YouTubeで詳しく見る
目次
先に結論
裏ハムラ法にミッドフェイスリフトを加えることで、中顔面に多少のリフト効果が加わると私は考えています。
ただし、その変化はフェイスリフトのような大きなものではありませんし、年齢にもよると考えます。特に若年で中顔面の下垂がほとんどない方では、追加するメリットは小さいと考えます。。
また、裏ハムラ法単独でも目の下から頬にかけての凹凸が改善することで、実際には組織を大きく持ち上げていなくても「頬が上がった」「若返った」ように見えることがあります。
そのため、
裏ハムラを受ける方全員にミッドフェイスリフトが必要というわけではありません。
このページでは、実際の
・裏ハムラ+ミッドフェイスリフト
・裏ハムラ単独
の症例を比較しながら、本当の違いを見ていきます。
1,ミッドフェイスリフトとは
ミッドフェイスとは、目の下からほうれい線の上あたりまでの「中顔面」と呼ばれる部分です。
この部分の組織を上方向へ移動させる手術がミッドフェイスリフトです。
一般的なミッドフェイスリフトにはさまざまな術式があります。
皮膚側からアプローチする方法では、目の下から頬にかけて比較的広い範囲を操作することができます。
一方、裏ハムラ法と同じように下まぶたの裏側、つまり結膜側からアプローチする方法もあります。
当院では、裏ハムラ法と同時に行う場合、頬の組織を上方向へ移動させて固定し、必要に応じて補助的な操作を加えています。
ただし、ミッドフェイスリフトにはさまざまな方法があり、「ミッドフェイスリフト」という同じ名称であっても、実際に行っている操作がすべて同じとは限りません。
当院では頬のお肉を糸で吊り上げて骨のフチに固定します。さらに糸リフトの糸を補強で入れています。
誰がやっても同じということはありませんが、他よりも効果がすごい出るということはないと考えます。
2,裏側からのミッドフェイスリフト
では、通常は皮膚側から行われることが多いミッドフェイスリフトを、下まぶたの裏側から行った場合はどうでしょうか。
裏側からのアプローチには、表面に切開線を作らずに行えるというメリットがあります。
一方で、操作できる範囲や方向には制限があります。
より広い範囲を剥離し、さまざまな方向から固定できる表側からのアプローチと比較すると、裏側から行う方法では手術操作の自由度が低くなります。
そのため当院では、裏側からのミッドフェイスリフトについて、
「大きなフェイスリフト効果を出す手術」というよりも、裏ハムラ法に中顔面のリフト効果を少しだけ追加する手術
と考えています。
3.どのような人にミッドフェイスリフトを追加するのか?
ここは非常に重要です。
私は、裏ハムラ法を受ける方全員にミッドフェイスリフトをおすすめしているわけではありません。
目の下の膨らみや凹みが主な問題で、中顔面の下垂がそれほど強くない場合には、裏ハムラ法だけで十分なことも多くあります。
一方で、目の下だけではなく、
頬の位置が下がっている、中顔面全体の下垂感がある、ゴルゴライン周囲の変化も気になる
といった場合には、ミッドフェイスリフトを追加することでプラスの効果が期待できることがあります。
ただ、このような場合は表ハムラ法の適応が強くなってきますので、
- 裏からでも、少しでも頬を上げておきたい人
- 表ハムラ法の適応が強いが裏ハムラ法を希望し、たるみが強い方(チークが下がっているので凹みの長さが大きくなるのを予防する)
このような方に適応があると思います。
ただし、「何歳以上だから必要」というように年齢だけで決めるものではありません。
骨格、頬のボリューム、皮膚や軟部組織の状態、目の下の凹凸などを診察した上で判断する必要があります。
4,裏ハムラ法+ミッドフェイスリフトの効果
それでは実際の効果を見ていきたいと思います。
当院ではミッドフェイスリフトに糸リフトも併用して行っています。脂肪注入は行っておりません。
ケース1

上の写真は40代男性の方です。術後3か月の状態です。
何となく頬がふっくらしたのが分かると思いますが、丸を付けた部分のボリュームが増え少しリフトアップしています。
ケース2

40代女性の方です。
1番の方と同様に頬のトップの位置が上がっているのが分かると思います。
ケース3

50代の女性です。3.5か月の状態です。
丸を付けた部分のボリュームが増え、頬のトップが上に移動したように見えます。
以上のようにとりあえず3か月の時点ではリフトアップ効果があり、どのような変化がもたらされるのかが分かります。
3症例を見ると、術後3か月前後では、中顔面がリフトアップしたように見える変化が確認できます。
ただし、ここで一つ考えなければならないことがあります。
この変化のすべてが、ミッドフェイスリフトによるものなのでしょうか?
動画では6症例を続けて比較しています
症例写真は1枚ずつ見るよりも、
「ミッドフェイスリフトあり」
と
「裏ハムラ単独」
を続けて比較した方が違いが分かりやすくなります。
動画では今回掲載している症例を見ながら、どこが変化しているのかを詳しく解説しています。
特に6分58秒からの比較部分を見ると、今回の記事でお伝えしたいポイントが分かりやすいと思います。
5,裏ハムラ単独ではどう見えるのか?
先ほどの症例を見ると、
「ミッドフェイスリフトで頬が上がった」
ように見えると思います。
しかし、それだけでミッドフェイスリフトの効果と判断してよいのでしょうか。
実は、裏ハムラ法単独でも「リフトアップしたように見える」ことがあります。
裏ハムラ法では目の下の膨らみと凹みを調整します。
その結果、目の下から頬へのラインが滑らかになることで、実際に頬を大きく上へ移動させていなくても、視覚的には頬が高くなったように見えることがあります。
そこで、裏ハムラ単独の症例も見てみます。
ケース1

40代の男性です。頬の部分のボリュームがアップしてリフトアップしたように見えませんか?
丸を付けた部分も膨らみの位置がやや上方へ移動したように見えて、リフトアップしているように見えます。
ただ、手術は裏ハムラ法単独です。
ケース2

20代女性です。この方はどうでしょう?
まず印象として目の下のハの字の凹みが解消することにより下方向へ下がる印象がなくなりリフトアップしたかのように見えます。
また、丸を付けた部分の黒子の位置のボリュームが増えたように見え、これもリフトアップしたように見える一因となっています。
ケース3

30代女性です。ゴルゴ線が持ち上がりリフトアップしたように見えますし、目じり側のボリュームが増えることによりリフトアップした感を出します。
これらの方は裏ハムラ法単独で、ミッドフェイスリフトによる頬の吊り上げは行っていません。それでも、ボリュームのプラスとマイナスが変化することで、リフトアップしたように見える場合があります。
ヒアルロン酸注入でも、ボリュームや輪郭が変化することで『持ち上がったように見える』ことがあります。
6,「リフトアップして見える」と「実際に持ち上げる」は違う
この2つを区別することが非常に重要です。
裏ハムラ法単独の場合、主な目的は眼窩脂肪や目の下の凹凸を調整することです。
頬全体を大きく上方向へ引き上げる手術ではありません。
しかし、目の下から頬にかけての「膨らみ」と「凹み」のバランスが変わることで、見た目としてはリフトアップしたように感じることがあります。
したがって、
裏ハムラ+ミッドフェイスリフトの術後写真だけを見て、「この変化がすべてミッドフェイスリフトの効果」と考えるのは適切ではありません。
ミッドフェイスリフトの本当の効果を考えるには、
「裏ハムラだけでも生じる見た目の変化」
を差し引いて考える必要があります。
7,結局、裏ハムラとミッドフェイスリフトは一緒に受けた方がよい?
ここが一番気になるところだと思います。
私自身は、
裏側から行うミッドフェイスリフトには、少しのリフト効果はある
と考えています。
しかし、その効果は大きなものではありません。
そのため、
「裏ハムラをするなら、全員が一緒にミッドフェイスリフトも行うべき」
とは考えていません。
目の下の凹凸改善が主な目的であれば、裏ハムラ単独で十分なケースもあります。
一方、中顔面の下垂があり、「目の下だけでなく頬の位置についても少し改善したい」という場合には、追加する意味が出てきます。
つまり、
ミッドフェイスリフトを追加するかどうかは、“より多く手術をするかどうか”ではなく、“どこまでを治療目標にするか”で決める
というのが私の考えです。
🎥 「先生なら、どんな人にミッドフェイスリフトを提案しますか?」
動画では、実際にどのような場合にミッドフェイスリフトを提案しているのか、受ける方・受けない方の違いまで詳しく説明しています。
8,ミッドフェイスリフトの効果はずっと続く?
今回掲載している症例では、術後3か月前後の時点で中顔面の変化が確認できます。
ただし、術後早期には腫れや組織の張りなども影響します。
時間の経過とともに組織がなじむため、術後早期に見られた引き上がり感が、そのまま長期間まったく同じ状態で維持されるとは限りません。
また、手術を行った後も加齢による変化そのものが止まるわけではありません。
したがって私は、裏側からのミッドフェイスリフトについて過度に大きなリフト効果を期待するよりも、
裏ハムラ法の効果に、中顔面へのプラスアルファを加える治療
として考えるのがよいと思っています。
9,よくある質問
Q.裏ハムラをするならミッドフェイスリフトも一緒に行った方がよいですか?
必ずしも必要ではありません。
目の下の膨らみや凹みの改善が主な目的であれば、裏ハムラ法単独で十分な場合もあります。
中顔面の下垂や頬の位置も気になる場合には、追加を検討することがあります。
Q.裏ハムラ単独でも頬は上がりますか?
裏ハムラ法は頬全体を持ち上げることを主目的とした手術ではありません。
ただし、目の下の凹凸が改善して頬との境界が滑らかになることで、視覚的に頬が持ち上がったように見えることがあります。
Q.表側と裏側のミッドフェイスリフトでは効果は同じですか?
アプローチできる範囲や行える操作が異なるため、同じ手術とは考えていません。
当院では、裏側からの方法は大きなフェイスリフト効果を目的とするものではなく、中顔面にある程度のリフト効果を追加する方法と考えています。
Q.40代・50代ならミッドフェイスリフトを追加した方がよいですか?
年齢だけでは決めません。
中顔面の下垂、骨格、頬のボリューム、目の下の状態などを総合的に診察して判断します。
Q.ミッドフェイスリフトは後から追加できますか?
後から行うことも可能ですが、一度手術した部位には癒着が生じているため、初回手術とまったく同じ条件ではありません。そのため再手術としての難しさを考慮して適応を判断します。状態によっては、再度の剥離手術ではなく、脂肪注入やヒアルロン酸注入などでボリュームを調整する方が適している場合もあります。
Q.ミッドフェイスリフトを追加すると大きく若返りますか?
変化には個人差がありますが、裏側から行うミッドフェイスリフトだけで大きなフェイスリフト効果を期待する治療ではないと私は考えています。
目の下の治療に中顔面の変化を少し追加したい場合の選択肢として考えるのがよいと思います。
10,裏側からのリフトアップ効果の結論
裏側からのミッドフェイスリフトの効果は上記のリフトありの場合から、裏ハムラ単独の手術の効果を引いた分になります。
残念ながら数字で出たりするものでもないですし、写真や微妙な角度によっても変化します。なので上記を参考にしていただき、ご自身で考えるための手助けとなればよいかなと思います。
個人的には、「裏からのミッドフェイスリフトの効果は大きな効果ではないものの多少ある」と思っています。
ただし、リフトアップの効果は半年ほどは戻る可能性があるのでそこも加味していただいた方が良いと思います。










