
近年、裏ハムラ法を行う施設も増えてきました。
それに伴いいろいろな名前を付けた方法やオプションなどを行うクリニックもあり、何が正しいのか判別が付きにくいと思います。
今回は裏ハムラ法と同時に行うミッドフェイスリフトの効果について考えていきたいと思います。
ミッドフェイスリフトは効果が数字に出たり分かりやすく変化するものではないので、あくまで術前後の写真での判別になります。
目次
1,ミッドフェイスリフトとは
まずミッドフェイスとは中顔面と呼ばれる部位で、ほうれい線の上の頬の部分です。
ここをリフトアップすることをミッドフェイスリフトと呼びます。
よくあるのは皮膚側を切開し目尻よりもやや傷を伸ばして(目尻にしわに沿って)、頬のお肉を吊り上げる方法です。
ミッドフェイスリフトの方法には様々な種類があるのですが、細かい説明は割愛します。
当院では頬のお肉を糸で吊り上げて骨のフチに固定します。さらに糸リフトの糸を補強で入れています。
裏側からのミッドフェイスリフトは傷口が狭いためできることがかなり限られます。誰がやっても同じということはありませんが、他よりも効果がすごい出るということはないと考えます。
2,裏側からのミッドフェイスリフト
通常は表側から行ってきたミッドフェイスリフトを裏側から行うと効果はどのようになるのでしょうか?
一般的には傷口が大きい方が効果も出やすいです、その分剥離範囲も大きくできるからです。
その点で裏側からの場合は、どうしても目尻までが最大の傷口になりますから表側から行うよりも効果が少ないと考えられます。
3,裏ハムラ法+ミッドフェイスリフトの効果
それでは実際の効果を見ていきたいと思います。
当院ではミッドフェイスリフトに糸リフトも併用して行っています。脂肪注入は行っておりません。
ケース1
上の写真は40代男性の方です。術後3か月の状態です。
何となく頬がふっくらしたのが分かると思いますが、丸を付けた部分のボリュームが増え少しリフトアップしています。
ケース2
40代女性の方です。
1番の方と同様に頬のトップの位置が上がっているのが分かると思います。
ケース3
50代の女性です。3.5か月の状態です。
丸を付けた部分のボリュームが増え、頬のトップが上に移動したように見えます。
以上のようにとりあえず3か月の時点ではリフトアップ効果があり、どのような変化がもたらされるのかが分かります。
4,裏ハムラ単独ではどう見えるのか?
上記で見ると効果があったように見えましたよね?
しかし、それだけで納得してもいいのでしょうか?
実は裏ハムラ単独でもリフトアップしたように見える場合もあるのです。その分を引かないと、本当の意味での裏側からのミッドフェイスリフトの効果が分からないです。
ケース1
40代の男性です。頬の部分のボリュームがアップしてリフトアップしたように見えませんか?
丸を付けた部分も膨らみの位置がやや上方へ移動したように見えて、リフトアップしているように見えます。
ただ、手術は裏ハムラ法単独です。
ケース2
20代女性です。この方はどうでしょう?
まず印象として目の下のハの字の凹みが解消することにより下方向へ下がる印象がなくなりリフトアップしたかのように見えます。
また、丸を付けた部分の黒子の位置のボリュームが増えたように見え、これもリフトアップしたように見える一因となっています。
ケース3
30代女性です。ゴルゴ線が持ち上がりリフトアップしたように見えますし、目じり側のボリュームが増えることによりリフトアップした感を出します。
これらの方は裏ハムラ法単独で行っており、実際に上に移動していることはありません。ボリュームのプラスとマイナスでこのように見える場合もあります。
ヒアルロン酸でリフトアップというのも同じような仕組みです。
5,裏側からのリフトアップ効果の結論
裏側からのミッドフェイスリフトの効果は上記のリフトありの場合から、裏ハムラ単独の手術の効果を引いた分になります。
残念ながら数字で出たりするものでもないですし、写真や微妙な角度によっても変化します。なので上記を参考にしていただき、ご自身で考えるための手助けとなればよいかなと思います。
個人的には、「裏からのミッドフェイスリフトの効果は大きな効果ではないものの多少ある」と思っています。
ただし、リフトアップの効果は半年ほどは戻る可能性があるのでそこも加味していただいた方が良いと思います。