脇汗を気にしていませんか?服にシミがついたり、他人に臭うのではないかとか心配になる事もありますよね?
脇汗を抑える方法は脇のボトックス注射が一番手軽で効果が大きいのです。
脇のボトックス注射とは、ボトックスという薬を脇に注射することで、脳からくる「汗を出しなさい」と言う命令を途中でシャットアウトします、その結果、注射した範囲で汗が出なくなるという方法です。
しかし、その効果や持続期間、副作用や費用など、気になる事もありますよね。また、保険適応について聞いたことがある方もいるかもしれません。
そこで、このページでは脇のボトックス注射の効果がどれ位なのか、リスクなども含めてやるかどうかの判断になる情報を効果・リスクに分類して詳しく説明いたします。
この脇のボトックス注射をお考えの方は、ぜひ読んで下さい。
目次
1.脇ボトックスの効果と持続期間
脇ボトックスとは、脇にボトックスと言う注射をして汗を止める方法です 。ボトックスを注射すると、脳から出る汗を出すための指令をブロックして、注射した部位の汗をストップさせます。
効果は使用するボトックスの量によっても変わってきますが、実感として70%程度、汗が出なくなる 感じを持つと思います。(参考文献:細川亙「腋臭症・多汗症」P67)
お薬の持続期間は4カ月ほどです。注射してから数日で効果が出現し、4カ月ほどで消えていきます。4カ月経つと季節が変わってきますので、注射する時期にもより効果が長く持ったと感じたり、短かったと感じたりする事もあります。
また、1か所注射すればいいと言う訳ではなく、片側に20か所程度注射します。ただし、普通の採血などの針に比べると非常に細い針を使います。
脇以外でも、手のひらや頭皮など気になる場所に打つことも出来ます。ただし、1回で使用するお薬の上限もありますので、範囲は限られます。両脇と同じような面積分であれば問題なく注射で来ます。
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“におい(わきが)も改善する”
ボトックス注射は、においの元には直接作用しませんが、汗が減る事によって臭いも改善します。イメージとして臭いも半分くらいにはなる印象があります。
2.脇のボトックスの適量とは
ボトックスは「単位(Unit、ユニット)」と言う表記で量を表します。
脇に使用する量は両方で100単位が目安です 。身体の大きな人には150単位程度打つ場合もあります。打てば打つほど効くと言う訳ではありませんので、これ位が適量になります。(添付文書と言う、お薬の説明書にも片脇に50単位と書いてあります。)
また、量をたくさん使えば効果の持続期間が長くなるわけでもありません。
自由診療のクリニックでは量を少なめの値段は普通なんてこともありますから、「値段が安いので心配!」と言う方は、事前に何単位打つのかを確認するのが良いでしょう。
3.脇ボトックスの副作用とリスク
脇ボトックスはリスクも少なく手軽には出来ますが、ノーリスクと言う訳ではありません。
痛みがある
ボトックス注射は他の注射よりも痛みがあります。刺す痛みよりも、お薬が体の中に入って来る時の注入時痛と言うものが大きいです。
内出血が出る事がある
青アザになる事がありますが、必ず消えますし、脇なので気にならないと思います。
腫れや赤み、アレルギーを起こすことがある
軽く腫れたり、赤みが出たりする事は数%の程度で起こりますが、気になるほどではありません。
アナフィラキシーと言って、治療が必要になるようなアレルギーは0.01%以下の可能性です。
他の場所から汗が増える事がる
脇の汗は減ったが、他の場所から汗の量が増えたような気がすると訴える方がいます。実際には5%ほどにそのような症状が出るとされていますが、脇からの汗が減った方が日常生活は改善されるようです。
続けていると効果が薄れてくる時がある
ボトックスを使い続けていると効果がなくなってきた、効果が早く切れるようになってきたと言う方がいます。実際にそういう現象は起こりますが頻度などは不明です。
ボトックスは筋肉をストップさせる作用もあります。よく使われるのが顔の表情じわに注射してしわを取る方法です。これは顔の筋肉の一部に注射してその筋肉を動かなくしている訳ですが、脇の汗を止めるために皮膚に注射する分には筋肉までお薬が到達して筋肉が動かなくなることはありません。*汗止めのために手のひらにボトックスを打つと、細かい動きが行いにくい、ボタンが掛けにくいなどの症状が出る場合がありますが、完全に動かないと言うのはありません。
4.脇ボトックスが健康保険で出来る場合と料金
脇ボトックスは多汗症と言う病気として治療を受ける事が出来ます。ただし、病的な汗の量でなければ受ける事は出来ません。
具体的には以下のような基準で総合的に判断します。
- 両脇で同じ位の汗をかく
- わき汗が多いため日常生活に支障が出る
- 週に1回以上、わきに多量の汗をかく
- 25歳よりも前に始まった
- 同じような症状の家族・親戚がいる
- 寝ている時はわき汗がひどくない
脇のボトックスを保険で受ける時の料金
健康保険の3割負担で治療を受ける場合、普通の病気と同じように初診料なども必要になりますが、3万円弱の負担になります。使用するお薬はアラガン社のボトックス(一番有名で信頼性のあるもの)になります。
保険で行っているクリニックはこちらのページ「ワキ汗 情報サイト」から探す事が出来ます。
5.脇のボトックスの料金
本来、アメリカのアラガン社と言う会社が作っているものがボトックスと言う商品になります。その他に、韓国の会社が作っているニューロノックスやリジェノックス、イギリスの会社が作っているディスポートなどがあります。
費用については15個のクリニックを参考にして算出しました。
アメリカのアラガン社のボトックスは、約42,000~100,000円、平均約71,000円でした 。
韓国製のリジェノックスと言うお薬は、約12,000円~80,000円、平均約35,000円でした 。
韓国製のお薬であれば、健康保険で治療するのと料金的には変わりません。
クリニックによって使用する量(単位数)も違う可能性がありますので、料金は参考として考えてください。
脇のボトックスは両脇でだいたい100単位と言う量を使うのが一般的です。身体の大きい人の場合、もっと増やすこともあります。(イギリス製のディスポートと言うものは、100単位ではなくて200単位程度、倍の量を打つ必要があります)
6.まとめ
脇のボトックスは持続期間が約4カ月となり、繰り返すと費用も掛かりますが、手軽にでき、副作用やリスクも少ない方法です。
脇汗が気になっている方は試してみてはいかがでしょうか?