『自分のにおい』というのは、自分では感じにくく、気づかないことが多いですよね。
しかし、過度な清潔志向と無臭思考がある現代社会では、自分のにおいを気にする方はとても多いです。
そのため、ふとした瞬間に自分の汗などのにおいを感じ、普段からにおいがしていたのか、もしかしたらワキガなのかと、心配になることはあると思います。
また、ワキガのにおいに悩まされて、長年コンプレックスを抱え、においを消す方法をお探しの方も多いのではないでしょうか。
今回は、ワキガのにおいの特徴や、どなたでも簡単にできるワキガのセルフチェック(自己診断)の方法をお教えいたします。
さらに、日常で実践できる、ワキガのにおいを解消する方法もご紹介します。においを消す方法を知れば、コンプレックスの解消に役立つと思います。
目次
1.ワキガの匂いの特徴とは
ワキガの臭いは、腋に存在するアポクリン腺と呼ばれるところからの分泌物が雑菌に分解されることにより臭い物質に変化し起こります。
臭いは、玉ねぎ、鉛筆の芯、カレー、すっぱい、生乾き・雑巾臭、チーズのような発酵臭と言われることが多く人それぞれだったりします。いろいろな表現がありますね。
医学的にはその物質が明らかになっていますが、一つの特定の物質ではなくいくつかの物質が混じりあって臭うので、人によって臭いが違う事は多々あります。
また、汗をかいた時の全身の臭いのようなものは、ワキガではありません。
2.ワキガかどうかチェックする方法
自分で上記のような臭いを感じる方はワキガの可能性も高いでしょう。しかし、ワキガと気づかない、自分ではわからない方も多くいらっしゃいます。
そこで簡単なチェック方法を紹介します。
・2-1.簡単にできるワキガのセルフチェック(自己診断)の方法
・耳垢が湿っている
耳垢が湿っている場合はワキガの可能性が高くなります。逆に耳垢が乾いている人でワキガの人はいません。
・両親のどちらか、もしくは両方がワキガである
実は耳垢が湿っているのと同じですが、ワキガは遺伝的要因があります。ですので、両親がワキガの場合その可能性が強くなります。
・衣類の黄ばみ
腋の部分が黄ばむ場合、ワキガである可能性が高くなりますが、必ずワキガであるわけでもなく、ワキガの人が全て黄ばむわけではありません。
・腋毛に白い粉が付く
耳垢が湿っており、腋毛に白い粉が付く場合はワキガの可能性が高くなります。
2-2.特殊なセルフチェック
・遺伝子による診断
ABCC11という遺伝子の型を調べます。これも確定診断ではなく、ワキガの可能性が高いか低いかが分る検査です。またこれは耳垢が湿っているかどうかという事にも関係します。
こちらの会社が遺伝子解析サービスを行っているようです。
株式会社DAL・DNA解析ラボラトリー(https://www.dal-labo.jp/services/contract/contract3.html)
・臭いセンサによる方法
テレビなどで見た事があるかも知れません。臭いを評価する機械です。高価で置いている病院も限られます。
・2-3.病院で診察してもらう方法
自分ではどうしても臭いを自覚しにくいです。気になる場合は医療機関で診察を受ける事をお勧めします。
ガーゼテストと言って、ガーゼを腋に挟みその臭いで判断する方法などが取られます。その際はシャワーを浴びた直後などでなく、臭いが気になる状態で受診することをお勧めします。
3.セルフケアでワキガのにおいを減らす方法
ワキガの臭いには、アポクリン腺からの分泌物、細菌、汗、腋毛によって臭いが周りに伝わるようになります。
根本的にアポクリン腺をなくす事はセルフケアでは出来ませんが、臭いを減らせる方法をご紹介します。
3-1.デオドラント剤を使う
デオドラント剤には、制汗効果、殺菌効果、においの中和、消臭効果があります。
制汗効果のあるパウダースプレーが主流ですが、ワキガの場合には、殺菌効果のあるクリームやスティックなどの直塗りタイプの方がオススメです。しかし、各社色々な特徴を出そうと、両方の効果をうたっていたりします。殺菌効果の持続の長いものとしてAg+の製品もお勧めです。
注意点としては、汗をかいて雑菌が繁殖し、においが出てから使っても、デオドラント剤の効きめは弱くなってしまいます。そのため、シャワーを浴びたあとの、清潔な肌に塗った方が効果があります。
塗り直しをする際にも、殺菌効果のあるシートで汗を拭きとって、肌を清潔な状態にしてから塗りましょう。
直塗りタイプのものは、合わないと肌が炎症を起こすことがあります。その場合には、使用を中止して皮膚科などに受診してください。
また、病院で制汗に使用する塩化アルミニウムと言う製剤の少し濃度の薄いものは市販でも手に入ります。
「佐藤製薬:テノール液」
「日邦薬品工業:オドレミン」
3-2.こまめに汗を拭きとる
アポクリン腺からの分泌物や汗をこまめに拭き取り清潔を保つようにしましょう。トイレに行くついでに位の頻度でいいと思います。
3-3.脱毛、剃毛
腋毛があることで、アポクリン腺からの分泌物が溜まりやすくなります。脱毛は医療機関でしか行えませんが剃毛(毛ぞり)は可能でしょう。
毛がなくなると汗が直接皮膚に滴るので、汗が増えたように感じることがあります。
3-4.食生活を見直す
欧米型の脂肪の多い肉食を中心とした食生活も臭いと関係ある事が言われます。野菜中心の日本食の方が臭いが少なくなると言う医師もいます。
3-5.アルコール・タバコを控える
タバコはニコチンがアポクリン腺もエクリン腺の汗の分泌も促進します。ワキガの臭いがより増す可能性があります。また、タバコ自体が臭いの原因になります。本当にワキガに悩んでいる場合はタバコも控えた方が賢明です。
アルコールにも発汗作用があり、体温が上昇し、ワキガの臭いが強くなる可能性があります。またアルコールが代謝された物質のアセトアルデヒドや酢酸は強いニオイ物質ですので、ワキガの臭いと相まって強い臭いを相手に与えます。ワキガの臭いを気にされている方は控え目がいいでしょう。
4.病院での治療でワキガのにおいを減らす方法
セルフケアで改善しない場合は医療機関を受診しましょう。
以下に病院で受けれる治療を挙げます。
・塩化アルミニウム(外用薬)
汗を減らす事によって、周りへの臭いも減らせます。初めは毎晩塗りますが、徐々に回数を減らしていくこともできます。
病院では「パースピレックス」という既製品を扱っているところと、院内で調合しているところがあります。
・抗コリン薬(内服薬)
汗を一時的に減らすことができます。連用するには問題もありますので、一時的な使用で用いられる場合が多いです。
・ボトックス注射による治療
注射による治療です。局所的に汗を大幅に止める事ができるので、臭いも軽減します。お薬の作用期間は約4か月間です。
・レーザーによる治療
「ミラドライ」や「ビューホット」という商品があります。正確にはレーザーではありませんが、手術なしで汗や臭いを軽減できます。
・手術による治療
ワキガの手術法としては皮弁法(反転剪除法)が代表的でありますが、その他にも傷を小さくした方法など色々あります。
より詳しく知りたい方は「人前でも安心!ワキガ治療の種類・効果・値段・選び方」「【保険・保険外】ワキガ手術の効果・リスク・再発率のすべて」をお読みください。
5.衣類についたワキガのにおいを消す方法
まずは、こまめに洗濯することが重要です。
洋服のワキガのにおいや黄ばみ汚れは、そのまま置いておくと酸化が進み、落ちにくくなってしまうため、できるだけ早めに洗濯した方が良いです。
普段から漂白剤を使用すると、黄ばみ汚れがつきにくくなります。
漂白剤は除菌・消臭効果があるので、ワキガのにおいに効果的です。
使い方は簡単で、衣服用の酸素系漂白剤を、洗濯時に洗剤と一緒に混ぜるだけです。
それでも、黄ばみ汚れがついてしまう場合は、漬け置き洗いをしましょう。
方法は、汚れの気になる部分に、漂白剤を直接塗り、洗面器等にお湯を入れて洗濯洗剤を溶かして、洋服を20〜30分漬け置きして下さい。その後、いつも通り洗濯をします。
白い無地のTシャツや、Yシャツの場合は、塩素系漂白剤を使用した方が、より効果的です。
生乾きの状態は、においの原因となってしまいますので、しっかりと乾かすということも大切です。
6.まとめ
日本人ではワキガの人が少なく、臭いを気にされる方も多いです。セルフチェックや自分で出来る対応法も書いていますので参考にしてください。自分で対応できない、ワキガかどうか気になると言う場合は医療機関を受診してアドバイスをもらいましょう。