目の下のたるみや膨らみは、老化の1つのサインとして知られており、多くの人が気にしている美容の悩みです。
この問題を解決するためには、まずその原因を理解することが重要です。
ネットに書いてある目の下のたるみに効果的な方法は本当に効くのでしょうか?原因を考えれば有効なのかそうでないのかが理解できるようになります。
では、なぜ加齢とともに目の下の膨らみが目立つようになるのでしょうか?また、どのような治療法があるのか、さらに詳しく探っていきましょう。
目次
目の下のたるみとは?なぜ老けて見えるのか?
まず、目の下のたるみ、膨らみの主な原因は「眼窩脂肪」と呼ばれる脂肪組織です。
これが目の下から前方に出てくることにより目の下がたるんで、膨らんで見えます。老化のサインでもありますが、どうしてこれによって老化して見えるのでしょうか?
それは顔はできるだけ肌に張りがあり、凹凸がない状態がキレイに見えます。ほうれい線や口回り、輪郭などもそうですね。
さらに目の下は凹凸があると陰に見えることもあり、暗い印象を与える場合もあります。
例えば30代、40代の方ですが、目の下がフラットになることにより、目元が5-10歳ほど若く見えるようになったと思いませんか?
*基本的には老化で起きますが先天的な要因で若くても出ている人はいます。ただし、その内容は上記のように眼窩脂肪が出てきています。
目の下のたるみ、膨らみが老化で目立つ理由
しかし、なぜ加齢とともに目立つようになるのでしょうか?その理由を知ることは、適切な治療法を選ぶ上で重要です。
眼球は眼窩と呼ばれる骨の窪みに収まっており、周囲の組織によって支えられています。眼窩脂肪は眼球の周りを取り囲んでおり、眼球を保護し支える役割の一端を果担っています。
しかし、加齢とともに眼球を支える組織が緩み始めるため、眼球が微妙に下方に落ち込むと考えられています。この状態では、上からの圧力によって目の下側の眼窩脂肪が押し出されるのです。
- 目の下を支えている組織の支持力が弱って来る
- 眼球が下に下がって目の下の脂肪を圧迫する
- 脂肪が押し出されて前方に出てくる
*上の図の番号と併せてご覧ください。
また、眼窩脂肪の前方も組織によって支えられているため、押し出しを防ぐ働きをしています。しかし、加齢とともに組織が弛んでくると、脂肪が押し出す力に耐えられなくなります。
例えば、目の下の組織である眼輪筋という筋肉は年齢とともに薄くなってくることが報告されています。眼輪筋が薄くなることと眼窩脂肪の突出は相関関係があるとされ、目の下のたるみの原因の一つとも考えられます。
これにより、目の下にポッコリとした膨らみが生じます。注意点として、脂肪が増えて膨らんでくるわけではなく、実際には加齢とともに脂肪は減少する傾向にあると考えられています。
参考文献:
Sean Pack, DDS, MD. Transconjunctival Lower Blepharoplasty. Atlas Oral Maxillofacial Surg Clin N Am 24 (2016) 147–151
Gregory H. Branham, MD. Lower Eyelid Blepharoplasty. Facial Plast Surg Clin North Am . 2016 May;24(2):129-38
どうやったらきれいになるの?
原因が分かりましたが、残念ながら緩んだ組織を強固にして若返りを図ることは現時点では出来ません。
我々ができる事は出てきてしまった脂肪をどうにかする方法がメインとなります。
目の下の膨らみを改善するためには、適切な治療法を選ぶことが重要です。以下にいくつかの治療法を紹介します。
手術治療
眼窩脂肪の切除や再配置などの手術治療が一般的です。
表面からの治療では、中の方にある脂肪にアプローチできないため手術以外の方法は効果がかなり限定的です。手術はより効果的で持続的な結果を得ることができますが、リスクや回復期間も考慮する必要があります。
手術を検討する際には、信頼できる医師との相談が不可欠です。
ただし、治療法を選ぶ際には個人の状態や希望する結果に基づいて判断することが重要です。医師との相談を通じて、自身に最適な治療法を見つけましょう。
手術療法の一つである「裏ハムラ法」についてまとめた記事です。参考にしてください。
ヒアルロン酸注入
ヒアルロン酸は、目の下の膨らみではなく、その下の「凹み」を埋めるために使用される方法です。適切な量のヒアルロン酸を注入し、目の下の凹みを目立たなくすることができます。この治療法は即効性があり、比較的簡単に施術が行えます。
リスク:塞栓、青く透ける事がある、笑うと膨らむことがある
レーザーなど機械による治療
レーザー治療は、肌の引き締めやコラーゲンの生成を促すことで目の下のたるみを改善する方法です。レーザーを照射することで、眼窩周辺の組織を刺激し、ハリや弾力性を取り戻させることができます。複数回の施術が必要です。
ただし、膨らみに対する効果は非常に限定的でどちらかと言えば小じわや肌のハリを目的にします。
マッサージでは変わりません
マッサージでは上記で説明した部分の何も変化しません。強いて言えば脂肪の中にある水分が移動して一時的にスッキリ見えるだけです。
ただし、水分は移動したままではなく、元の状態に戻ってきますので根本的な解決には至りません。
目元の日常的なケア
たるみ、膨らみを解消する訳ではありませんが、目元をきれいに保つためには、以下のような日常的なケアも大切です。ぜひ心がけましょう
健康的な生活習慣の維持
バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレスの軽減など、健康的な生活習慣は肌の状態にも影響を与えます。規則正しい生活を心がけましょう。
禁煙
特にタバコは美容にとって大敵です。血管を収縮させ、血液の循環を悪化させます。これにより、肌への酸素や栄養供給が減少し、皮膚の老化が進みます。その結果、しわやたるみが目立つようになり、肌のハリや弾力性が低下します。
日焼け対策
紫外線は肌の老化を促進する要因のひとつです。
外出時には適切な日焼け止めを使用し、帽子やサングラスなどで目の周りを保護しましょう。日焼け対策は美肌を保つためにも重要です。
目元の保湿
保湿クリームやアイクリームを使用することもおすすめです。ただし、目の下の膨らみを改善するには訳ではなく、あくまで補助的な方法として考えましょう。
まとめ
目の下のたるみ(膨らみ)は眼窩脂肪という脂肪の突出が原因となります。
ですので基本的にはこの脂肪に対するアプローチ、すなわち手術的な治療法が基本になります。もちろんすべての方が手術を気軽に受けれるものではないので、ご自身に合った適切な方法を医師と相談してみてください。