医師が教える裏ハムラ法による効果、経過、リスク、費用

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【著者】渋谷高野美容医院
院長:高野 洋一

目の下がたるんできてお悩みではありませんか?年齢とともに目の下がたるんでくる方は多くいらっしゃいますし、20代30代の若い方でも目の下がぷっくり膨らんでお悩みの方は結構います。

目の下が膨らんで、たるんで見えると、実際の年齢よりも老けて見えたり、疲れて見えたりして自分で気になったり他人から指摘されることもあるでしょう。

しかし、この目の下のたるみや膨らみは普段のお手入れやマッサージなどの自分で行う方法ではあまり改善しません。

しっかりと効果を出すためには、美容クリニックでの治療があります。「裏ハムラ法」はその治療の中の1つで皮膚を切らないで行う事が出来ます。

今回の記事では、この「裏ハムラ法」の効果や気になる手術後の腫れや内出血などを解説し、他の方法との比較も解説します。

目の下の若返り治療として有効な「裏ハムラ法」について簡単でよく分る内容になっているため、手術を行うべきかどうかの判断に役立ちます。

裏ハムラ法とは目の下のたるみ(脂肪による膨らみ)を改善するための手術法です。

この方法は通常のハムラ法と違って、皮膚を切る必要がないため見えるところに傷が出来ないと言う特徴があります。

裏ハムラ 効果

1-1.目の下のたるみとは

目の下は年齢とともにたるんできます。皮膚がたるんで小じわが出来てくると同時に、目の下が膨らんできます。これは目の下の脂肪(眼窩脂肪と言われるもの)が出て来ています。また、目の下が膨らむと同時にその下が凹んでくるのです。

遺伝的素因もあるようで20歳前後からこの症状が出てくる人もいます。

目の下のたるみ 原因

裏ハムラ法 状態

1-2.裏ハムラ法の手術法

裏ハムラ法は通常のハムラ法と違って皮膚を切開しません。結膜と言う下まぶたの内側を切って手術を行います。

裏ハムラ法 傷

もちろん切らずに行う事は不可能ですが、傷が見える場所に出来ないと言うメリットがあります。

この傷から、目の下の脂肪を下側の凹みに移動する方法が裏ハムラ法です。

裏ハムラ 方法

2.裏ハムラ法の手術後の経過、ダウンタイム

手術後は腫れや内出血が出ますが、通常の皮膚を切るハムラ法よりは少ない事がほとんどです。以下に1週間目と2週間目の写真がありますが、1週間あれば腫れや内出血も大体は落ち着きます。

お仕事をしている方でしたら、4-5日のお休みが必要かと思います。お化粧は手術の翌日からでも可能ですので、4-5日後であればお化粧で内出血や腫れを隠せる状態になっている場合が多いです。

裏ハムラ ダウンタイム

内出血が出る

ほとんど目立たない場合と大きく出る場合があります。大きく出た場合は消えるのに1週間かそれ以上かかる事もあります。

腫れがでる

1週間程度で落ち着きます。その後は微妙なむくみが徐々に引いていきます。

血の涙が出る事がある

傷口から少量の血が出てくることがあります。血の涙のように思いますが、あまり焦る必要はありません。待っておけばなくなります。

常に出続けるようであれば問題ですので、手術を受けたクリニックへ連絡してください。

下まぶたが下がることがある

下まぶたがタレ目のように下がることがあります。手術によって引っ張られているからです。徐々に改善してきます。1-2週間で改善する程度の場合もあれば3ヶ月ほどで改善する場合もあります。

実際は気になる程度のものではありません。

白目に内出血が出る事がある

たまにしか起こりません。白目が充血した時のヒドイ感じです。消えてなくなっていきますが、初めは心配だと思います。早く消す方法はないので、しばらく待ってください。

白目にブヨブヨしたものが出来ることがある

白目のむくみです。見た目に少し気持ち悪いのですが、1週間以上長引くこともあります。ただし、起きる可能性も低いです。

移動した脂肪が硬くなる

移動した脂肪が一時的に硬くなったり、触ると痛かったりと言う状態が続きます。ただし、表面からの見た目には分りません。

1ヶ月で大分よくなりますが、完全には2-3ヶ月でよくなってくるイメージです。

3.裏ハムラ法のリスクと失敗

目の下のたるみが変わらない、余計膨らんで見える

ハムラ法で脂肪を移動する部分(距離)が不十分だと起こります。裏ハムラ法は手術するスペースが小さく、しっかり移動できない場合に起こる失敗です。慣れている先生であればあまり起こりません。

小じわが増えることがある

年齢や脂肪の量にもよりますが、今までは脂肪が膨らむ事によって皮膚が伸ばされた状態でしたが、脂肪が移動してなくなってしまいます。場合によっては小じわが増える場合があります。これを避けるためには通常の皮膚を切るハムラ法を選択する必要があります。

涙袋が強調されて見える可能性がある

目の下が膨らんでいる事により、涙袋が目立っていないケースでは、目の下の脂肪を取ると涙袋が本来の形としてはっきり分るようになる事があります。これは喜ぶ人の方が多いです。

目の上がくぼむ可能性がある

目の下の脂肪と目の上の脂肪はつながっています。目の下で引っ張る事により目の上の脂肪も引っ張られて目の上がくぼんで見える可能性があります。ただし、少しだけです。大きく変化する事はありません。

必ず100点の結果で完成するわけではない

どの美容手術でもそうですが、皆が100点で満足する訳ではありません。中にはまだ膨らみが少し気になるという方や左右差が気になるという方がいます。頻度は少ないです。

モノが二重に見えたり、神経麻痺が起きる可能性はまれ

両方とも頻度としてはごく稀ですが、目の下の脂肪を強く引っ張り過ぎると、ものが2重に見える可能性があります。これは3か月程度で改善すると報告されています。

また神経麻痺が起こると下まぶた、上唇などの感覚が麻痺する可能性があります。動きの神経ではないので表情がおかしくなることはありません。触った感じが鈍いと言う事が起きます。

これらの症状は私自身経験したこともありませんし、身近に話として聞いたこともないので、気にするほどの可能性ではないと考えます。

感染、血腫(血のたまりができる)

感染の場合は何らかの治療が必要になったり、血腫の場合はひどいと再手術で血を洗い流す手術が必要になる場合があります。非常にまれです。

4.裏ハムラ法とハムラ法の違い

裏ハムラ法のメリット、デメリットは以下のようになります。

メリット

  • 傷が残らない
  • ハムラ法よりダウンタイムが少ない場合が多い

デメリット

  • 小じわは改善しない、悪化する場合もある(年齢にもよる)

通常のハムラ法のメリット、デメリットは以下のようになります。

メリット

  • 皮膚を切るので小じわの改善につながる

デメリット

  • 傷が残る(ほとんど気にならなくなる)
  • ダウンタイムが1-2週間と長い

ハムラ法 比較

5.裏ハムラ法以外で目の下のたるみに対処する方法

裏ハムラ法以外に通常ハムラ法との違いを4章で解説しましたが、そのほかの手術や処置について解説します。

手術で改善する方法

目の下の手術にはハムラ法・裏ハムラ法のような脂肪移動手術の他に、①脂肪を取るだけの手術、や②脂肪を取る+脂肪を窪みに注入する手術があります。以下の表をご覧ください。

①脂肪だけを取る方法(目の下の脂肪除去のみを行う)

目の下の脂肪除去のみを行う方法です。窪みは改善されません。一番問題になるのは数年後に余計窪んでみるなどの症状が出てくるケースがあります。もともと窪みが大きい人は手術後数カ月でも気になります。

この手術が適応となる人はごくごく一部だと思います。

日本ではいまだに多く行われているようですが、学会などでは裏ハムラ法や脂肪除去+脂肪移植が勧めている医師が多いです。

裏ハムラ法よりいい点は、

  • 裏ハムラ法より手術が簡単でダウンタイムが短い

悪い点は、

  • 裏ハムラ法よりも小じわが悪化する可能性が高い
  • 数年後に目の下の窪みが気になってくるケースがある。

②脂肪を取る方法+窪みに脂肪を注入する方法(脂肪移植)

裏ハムラ法は目の下の脂肪を移動して膨らみと凹みを改善する方法ですが、目の下の脂肪を除去だけして追加で太ももやお腹の脂肪を移植する手術があります。

裏ハムラ法よりもいい点は

  • 裏ハムラ法より手術が簡単(ダウンタイムは裏ハムラ法より少し短いかも)

悪い点は、

  • 移動した脂肪がどれだけ残るか分らない
  • 移動した脂肪がしこりになる事がある
  • 脂肪吸引する場所に傷が出来る

また、議論のあるところですが、窪みを形成している一つの原因でもある目の下の靭帯を処理しない場合が多いので、窪みの改善が不十分な症例が多いのではないかと思っています。

さらに言うと、目頭側の窪みの部分は筋肉が直接骨に付着しており、脂肪がほぼない部分ですので脂肪注入で改善させるのは無理があるかと思います。

処置で改善する方法

処置で行う場合は窪みに対する方法のみになります。手術と違って、目の下の膨らみ(脂肪)を処置で取り除く事は出来ないのです。

目の下のたるみ ヒアルロン酸

ヒアルロン酸注射を行う

向いている人:たるみ(目の下の膨らみ)の程度が大きくなく、時間をかけずに目立ちにくくしたい人

ヒアルロン酸とは体の中にもある物質で、人工的に作ったものを注射して凹みを改善します。目の下に使用するヒアルロン酸は4カ月ほどでなくなっていきますので、繰り返しの注射が必要です。

非常に手軽に出来て、軽度のたるみであれば気にならなくなる程度まで改善できます。しかし、繰り返し行うことでシコリとなり「笑うとポコッと膨らむ」「目の下が青く透けて見える」といった症状が出ることがあります。

脂肪注入を行う

向いている人:裏ハムラ法などの手術は怖いが、ヒアルロン酸では持続期間が短く1回で改善したい人

お腹や太ももから脂肪を取って来て目の下の窪みに注入する方法です。入れた脂肪のいくらかが脂肪が残り(個人差が大きいです)ヒアルロン酸よりも長持ちです。しかし、数年のうちになくなってくるとも言われます。

注射と言う割には腫れや内出血が出やすく最低3日間はお休みがあった方が無難です。また、脂肪を取る部分(太ももやお腹)には4㎜程の傷を作る必要があります。

6.裏ハムラ法の費用

10個のクリニックから調べています。裏ハムラ法の費用の相場は、最安値315,000円、最高値450,000円、平均386,700円でした。その他、麻酔代金がかかる可能性がありますので、2-3万円大目に考えておいたほうがよいでしょう。

7.まとめ

裏ハムラ法は目の下のたるみを改善するために非常に有効な方法です。特に皮膚のたるみが少なく、比較的若い方に向いています。他の方法と比較しても同等かそれ以上の効果や出来上がりです。

特に傷を残さずに出来るので、小じわがあっても傷を残したくない方や、男性には通常のハムラ法よりも裏ハムラ法の方が向いています。

やっぱり手術は抵抗があると言う方には、ヒアルロン酸注射など、お手軽な方法もあります。この記事を参考にして自分に合う方法を考えてください。

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