焼き肉や揚げ物などの脂っこい食べ物は、ダイエットの大敵です。
とはいっても、やはり食べたくなるし、我慢するのはつらいですよね。
脂っこいものを食べたいけど、太りたくない!という方に美容クリニックなどで処方されるお薬が「ゼニカル」です。
ゼニカルには、脂肪阻害効果といって、食事でとった脂肪の吸収を抑える働きがあります。
今回は、ゼニカルの効果や、効果的な使用方法、内服した際の注意事項などをお教えいたします。
普段から、脂っこい食事が多い方や、油っこい物が好きな方、ダイエット中の方は、参考にしてみて下さい。
ゼニカルは腸の中で脂肪の吸収を抑制し、食事でとった脂肪の約30%を排出してくれます。作用としては食事でとった脂肪分を分解されないようにして吸収を抑えます。
ゼニカルはロシュという世界最大の製薬メーカーが販売しております。ロシュの全体のデータだと、ゼニカル+ダイエット平均だと5.7Kgの減量、ダイエットのみの場合2.49Kgの減量であったと報告があります(期間は1~4年)。お薬は1日3回、1回1錠の内服です。3か月ほどでも減量効果は見られるようです。
また、海外ではゼニカルはBMI30以上の人を肥満症の治療として用いられます。日本では保険適応のお薬ではありません。医師の個人輸入により自由診療で処方されています。
*BMI=体重(Kg)÷身長(m)÷身長(m)
理論上は、1日3錠服用して脂分が30%カットできた場合、120Kcal前後のカットになるでしょう。脂肪1Kgが7000Kcalですので58日で1Kg落ちる計算になります。120Kcalは30分のウォーキング・8枚切トーストやごはん半膳程度に相当します。
2.ゼニカルの効果的な服用方法
通常は1日3回食事の時か食後1時間以内に1錠(120㎎)を服用します。1日で3錠です。食事を取らない時はゼニカルも服用する必要はありません。
その他、脂の多い食事の時だけに服用し、体重増加の予防で飲んでいらっしゃる方もいます。
また、ゼニカルは単独で飲んでいれば痩せると言うものではありません、ダイエットと一緒に補助として行う事が重要です。やはり脂肪の摂取の多い方に効果的でしょう。上記の製薬会社のデータは海外のものですので、日本人の場合は食習慣も違い結果が変わってくる可能性もあります。
また、内服を始めてもすぐには痩せません。体の中の脂肪が消費されるにはかなりのエネルギー消費を必要とします。
3.ゼニカルの副作用
主な副作用は下痢にまつわるものです。
おならの増加、おならとともに便が出るなど、便にまつわるものがほとんどです。これらはだいたい飲み始めて3か月以内に起こります。だいたいは1週間、長いと4週間で軽減してきます。しかし、中には数か月にわたって続く場合もあります。
予防法はありませんが、不意な排出に備えて、ナプキンの使用をお勧めします。
また、脂肪分の吸収が悪くなるとビタミン(A,D,E,K)やβカロテンが不足すると言われます。
毎日ゼニカルを飲むのであれば、薬局に売っているサプリメントで大丈夫ですので、補うようにしましょう。ゼニカルとは2時間以上あけて服用するのがポイントです。
その他の副作用は非常にまれですが、以下のようなものがあります。
- 肝臓の障害
- 胆石症
- 腎臓の障害
- アレルギー
以下のような症状がある場合は担当医に相談してください。
- 食欲不振
- 体のだるさ
- 皮膚のかゆみ
- 皮膚が黄色っぽい、白目が黄色くなる
- 手足のむくみ
- 尿の減少
- 血尿
- 背中の痛み
ゼニカルには肝臓移植が必要になった例など重大な副作用の報告もありますが非常に稀です。通常は下痢やビタミン不足以外には対応する必要なく服用できるものです。より詳しく知りたい方は「【医師が解説:使う前に知っておきたいゼニカルの副作用の全て」をお読みください。
4.ゼニカルの購入方法と価格
海外ではゼニカルはお薬として使用されていますが、日本では販売されていませんので美容クリニックで購入することができます。最近はネットなどで購入することもできるようですが、類似品や偽物も出回っているそうです。何かあった時にも病院で対応できない可能性もあります。ゼニカルはお薬ですので必ず医師の指示のもとに使用してください。費用は安い所で1錠当り200円位、300円~400円が相場です。
5.ゼニカルを使用するときに注意すること
主な副作用は下痢ですので急な便意などに注意して下さい。おならとともに便が出ることもありますので、ナプキンなどを使用してください。
次に重要なのはビタミン(A,D,E,K)やβカロテンを補う事です。サプリなどで販売されているもので大丈夫ですので、ゼニカルの服用前後2時間は避けて1日1回補ってください。寝る前など決めて飲むのもいいでしょう。たまにゼニカルを服用する場合では必要ないでしょう。
お薬の飲み合わせに注意が必要な場合がありますので、服用中のお薬がある場合は必ず申し出るようにしてください。特に以下のお薬を飲んでいる方は注意が必要です。
- シクロスポリン
- チラージン
- ワーファリン
- 抗てんかん薬
また、以下の方はゼニカルを飲むことができません。
- 妊婦
- 授乳中
- 胆石症
- 肝臓、腎臓の悪い方
- 消化吸収に関する病気のある方
- ゼニカルにアレルギーを持っている方
6.まとめ
ゼニカルはダイエット薬として美容系クリニックで多く販売されています。結構下痢の頻度が高いお薬ですが、実際の副作用の頻度も少なく使用しやすいダイエット薬である印象です。しかし、その効果や飲み方、副作用をしっかり理解して医師の処方のもとに服用してください。
参考サイト:ロシュ社Genentech(http://www.xenical.com/xenical/hcp-default.do)
こんばんわ!
アドバイスを頂きたいのですが、交通事故で胆嚢を摘出しております。
胆嚢が無い人間はゼニカルを服用しても大丈夫でしょうか?
堪能がなくても胆汁が出ていない訳ではなく、肝臓に異常があるという訳でなければ使用可能と考えます。しかし、ゼニカルを処方してくれる医師に必ず確認を取ってください。