エステサロンやクリニックの痩身メニューを調べていくと「ラジオ波」という言葉をよく見かけると思います。
しかし、ラジオ波とは一体何なのか、痩身効果はどのくらい出るのか分からないという方は多いのではないでしょうか。
ラジオ波は主に、家庭用の機械、エステサロンでの施術、クリニックでの施術がありますが、それぞれパワー設定が異なるため、実際に一定の効果が得られるのは、実はクリニックでの施術のみです。
今回は、ラジオ波でどれくらい痩身効果がでるのか、機械の種類、料金の目安などを解説していきます。
ラジオ波は、何度か繰り返し施術を行う必要があるため、お金と時間の無駄とならないように、必要な情報をきちんと知ってから施術を検討されることをおすすめします。
目次
1.ラジオ波の効果と副作用
ラジオ波で本当に痩せるのか、効果が出るのかと思われるかもしれませんが、医療の世界で扱われる機械ではちゃんとしたデータがあります。
ラジオ波の痩身効果について、医学論文より効果の部分を抜粋します。ラジオ波でも様式によってモノポーラー(ユニポーラー)式、バイポーラ―式、マルチポーラー式とありますので分けて紹介しますが、効果はそれ程変わりません。
1-1.ラジオ波の痩身効果
モノポーラー(ユニポーラー)式
1個の電極から体の奥に向けてラジオ波が出ます。電極が1個ではラジオ波が勧めないので対極板と言うものを体に貼ります。
- 2回の施術で68%の人で効果があり。その人たちで脂肪層が20%減少した。
[引用]Effect of controlled volumetric tissue heating with radiofrequency on cellulite and the subcutaneous tissue of the buttocks and thighs. Emilia del Pino M, Rosado RH, Azuela A, Graciela Guzmán M, Argüelles D, Rodríguez C, Rosado GM.J Drugs Dermatol. 2006 Sep;5(8):714-22.
- 太ももへの6回の施術で30人中27人の人で効果があり、太ももの周囲径が2.45㎝減少した。
[引用]Clinical, laboratory, and MRI analysis of cellulite treatment with a unipolar radiofrequency device.Goldberg DJ, Fazeli A, Berlin AL.Dermatol Surg. 2008 Feb;34(2):204-9; discussion 209
バイポーラ―式
2個電極があり、その間をラジオ波が流れます。ですので浅い所にメインで効きます。
- バイポーラ―式ラジオ波+超音波+吸引マッサージの3種類
お腹の周囲径が3.91㎝減少(3回の施術)
- バイポーラ―式ラジオ波+赤外線+吸引マッサージの3種類
お腹の周囲径が1.4-7.4㎝減少(4-9回の施術)
[引用]A review of the aesthetic treatment of abdominal subcutaneous adipose tissue: background, implications, and therapeutic options. Friedmann DP. Dermatol Surg. 2015 Jan;41(1):18-34
マルチポーラー式
電極が3個以上あり、その間を色々な方向にラジオ波が流れます。電極間の距離により浅い所と深い所の両方に効きます。
- 腹部の周囲径が2.3㎝減った(8回の施術)
- 太ももの周囲径が2.2㎝減った(8回の施術)
- お腹、お尻、腕、太ももの周囲径が2.9㎝減った(6回の施術)
[引用]Painless, safe, and efficacious noninvasive skin tightening, body contouring, and cellulite reduction using multisource 3DEEP radiofrequency. Harth Y. J Cosmet Dermatol. 2015 Mar;14(1):70-5.
- お腹の周囲径が3.5-4.5㎝減った(7-8回の施術)
[引用]A review of the aesthetic treatment of abdominal subcutaneous adipose tissue: background, implications, and therapeutic options. Friedmann DP. Dermatol Surg. 2015 Jan;41(1):18-34
いかがでしょうか?きちんと効果が実証されているのが分りますね。顕微鏡の検査では脂肪細胞自体のサイズが小さくなっていたり、しぼんで壊れた細胞があったり、破壊された脂肪が確認されています。
しかし注意しなくてはならないのは、多くの場合は結構肥満の方(BMI30以上など)を対象とするものであり、標準体型の日本人で同じような効果が出る事は期待できないという事です。文献にもBMIが大きい人(体重が多い人)ほど痩身効果が出やすいとあります。
ただし、効果がないわけではなく、細い人は効果が感じにくく、太い人は効果を感じやすいと言う当たり前の事です。
1-2.ラジオ波の副作用
ほとんどリスクはありません。ごく稀に火傷や内出血、むくみのリスクがありますが0.1%以下の確率です。その他、軽い痛みがあったり、照射後に赤みが数時間でたり、する事があります。
また、施術前後で血液中の脂質異常を検査した文献もありますが、異常は見られなかったとあります。
2.ラジオ波での痩身とは
ラジオ波で痩身効果が得られる仕組みと言うのはどういうものか紹介します。少し難しいので、この2章は飛ばしてしまっても内容は理解できます。
ラジオ波とは電磁波の一種です。これを人体に流すことにより熱に変換されます。この熱で、脂肪を燃やしたり、肌を引き締めたりして痩身効果を出すことが出来ます。
ラジオ波は30KHz~300MHzまでの周波数を持つものですが、機械の種類よって使用している周波数は違います。しかし、周波数以外の要因も大きいので機械の効果を考える際にはそこまでは気にしなくても大丈夫です。
また、ラジオ波を出す原理として、モノポーラ(ユニポーラー)式、バイポーラ―式、マルチポーラー式など色々な様式があります。
モノポーラー式は1つの電極からラジオ波が出るもの、バイポーラ式は2つの電極の間をラジオ波が流れるもの、マルチポーラー式はいろいろな2つの電極の間をラジオ波が流れるものです。
それぞれの様式によりどれくらい奥までエネルギーが届くかですが、モノポーラ式やマルチポーラー式では2㎝までの深さ、通常のバイポーラ―式ではそれより浅くなりますが、皮膚を吸引してからラジオ波を照射する機械では最大で深さ2.5㎝とも言われます。
3.ラジオ波の施術後に行った方が良いこと
- 水を多めに飲んだ方が良い(コップ2杯程度)
- 運動した方が良い(1-2kmのウォーキング)
と言われますが、きちんとした証拠がある訳ではありません。ラジオ波により組織の熱が上がるので、その間に運動する事により代謝があがると言われたり、熱によって広がった血管から老廃物が排出されるので水を飲んだ方が良いなど言われます。
4.ラジオ波の機械の選び方と費用・照射回数
テノール、エクシリス、エンディメッドプロ、ヴェラシェイプは文献などもあり痩身効果もさほど変わらないと考えます。
- テノール(ユニポーラー式ラジオ波がメイン)
- エクシリス(モノポーラー式ラジオ波)
- エンディメッドプロ(マルチポーラー式ラジオ波)
- ヴェラシェイプ(バイポーラ―式ラジオ波+赤外線+吸引マッサージ)
- ウルティマアンサンブル(モノポーラー式ラジオ波+キャビテーション)
などがあります。どの機械でも、理論的にはそれ程効果に違いがないと考えます。なぜなら、どの機械を使用しても脂肪が44-46度を目標にし、皮膚が42度以上にならない様に設定されているからです。
それぞれの機械は4回は行った方が良いでしょう。紹介した論文のように8回ほど行っているものもあります。間隔については色々ありますが、2週間前後に1回の施術で効果が出ている論文が多いです。
エクシリスが相場として若干安いかも知れませんが、どれも1回3-4万円(お腹)が相場です。効果の章でも解説したようにどの様式でも効果が出ています。上記の機械(ウルティマ以外)はどれを選んでも間違いはありません。繰り返しになりますが、効果に関しては脂肪が多い人の方がどうしても大きな痩身効果が出やすいと言うのがあります(もともとの脂肪が多いので)。日本人では上記論文と同じ効果は得られにくいと思います。
ウルティマアンサンブルはスペイン製とされていますが、中国の部品がメイン⇒スペイン⇒日本と輸入されているものです。最終組み立てはスペインかも知れませんが、中身の多くは中国製品で、他の機械の様に文献・論文はありません。機械の出力の安定性などよく分りません。
他の機械の値段から考えてウルティマアンサンブルの相場は高すぎると感じます。その点をご理解してお受けになるのがいいでしょう。
日本への輸出をしているスペインの会社(nutridermovital)はホームページをみる限り中国製品を扱う商社のように感じます。
5.クリニックとエステ・家庭用のラジオ波の違い
エステサロンや家庭用のラジオ波では効果は望めません。特に家庭用では難しいです。なぜなら出力が弱く設定しているからです。
エステサロンでは人体の細胞を傷つけるレベルでの出力で行う事は禁じられています(医師法違反)ですので、医療機関よりも低いレベルで照射せざるを得ないのです。しかし、エステサロンでは高出力になる機械も扱われているようです。
また、家庭用も同じです。特に家庭用では合併症のリスクもありますから、限りなく低い出力に抑えられている事でしょう。
6.まとめ
いかがでしたでしょうか?ラジオ波の痩身効果についてご理解いただけたでしょうか?とても大きな効果という訳ではありませんが、皮膚に傷を付けずに、ダウンタイムなしで痩身効果を得られるのは魅力的ではないでしょうか?興味のある方は是非、医療機関で施術を受けてみてください。
初めまして。痩身で調べていたらこちらのページに辿り着き、とても分かりやすい説明に納得出来ました。ぜひ医療にて美容痩身を受けたいと考えています。が、関西に住んでいますので御社に通院が出来ません。大阪、京都、市内で安心して通える医院を教えていただければと思いました。
どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
コメントありがとうございます。
申し訳ありません、この場で特定のクリニックさまや医師の方の名前を出すことが出来ません。気になるクリニック様をいくつか回ってみてはいかがでしょうか?