脂肪溶解注射の種類別の効果と効果を最大にするための知識

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【著者】渋谷高野美容医院
院長:高野 洋一

脂肪溶解注射をすればすぐに部分痩せできると思っている方は多いのではないでしょうか。

しかし、実際には、1回では効果を感じにくく、数回繰り返すことが必要です。

また、脂肪溶解注射は薬剤の種類によっても、効果や腫れの度合いが違ってきます。

注射すると、どのくらい腫れるのか、何回くらいやれば部分痩せができるのか知っておきたいですよね。

今回は、脂肪溶解注射の効果や適応の部位、副作用、薬剤の種類などを詳しくご説明します。

美容クリニックにカウンセリングに行く前に、脂肪溶解注射について知っておきましょう。

お薬を皮下脂肪に注射する事により、脂肪細胞を破壊し、注射した部位の脂肪量を減少させる方法です。 手術をしなくてもお手軽な注射のみで部分痩せが実現できる方法できます。特にダイエットしても痩せにくい部分(あご下、二の腕、下っ腹、太ももの内側)には効果が出やすい傾向がります。

脂肪溶解注射と言えば、正確にはPPC(フォスファチジルコリン)とDOC(デオキシコール酸)という物資を含む薬液のようですが、近年はこれらを含まないものも登場してきています。クリニックによって血管拡張剤(血管を広げ血の巡りを良くするお薬)やビタミン剤を一緒に混ぜるところもあります。

実は下の表のように脂肪溶解注射には3つのタイプ があるのです。

脂肪溶解注射 顔

また、脂肪溶解注射は部分的に脂肪を減らすものであって、全身のダイエットや体重減少はできません。

2.脂肪溶解注射の効果

脂肪溶解注射は脂肪吸引と違って一度で大きな効果の出るものではありません。何回か続けるうちに徐々に効果が出てきます。治療回数は1~4回が目安として行われます。

2週間間隔で行う場合もあれば、8週間開ける場合もあり、クリニックや使用する薬剤によって違います。脂肪溶解注射 顔

あくまで私のイメージですが、脂肪吸引では皮下脂肪の50~70%が吸引されるのに対して、脂肪溶解注射では5~20%が無くなるといった印象 です。

脂肪溶解注射 効果

3.効果を最大にするための量と頻度

最適な注射の量

DOCやPPCを含む脂肪溶解注射は手のひらサイズ(指を除いた部分)で1部位 としているクリニックが多く、それに合わせて注射の本数が必要になります。これらの注射は4部位までをMAXとしている場合が多いです。

BNLSは500円玉程度の大きさに1~2㏄ が妥当だと思います。1度には最大50㏄まで可能と言われています。

少ない本数を広く打つことも可能ですが、効果が出ない可能性もありますので、範囲と量はクリニックの指示に従うべきです。

最適な注射の頻度と回数

DOCやPPCを含む脂肪溶解注射は2~8週間に1回 とクリニックによっても指示がマチマチです。
BNLSに関しては、1-2週間に1回 と言うのが一般的です。どちらの脂肪溶解注射も4回前後は行って効果を判定 するべきでしょう。

効果を出すための注意点

当日は1ℓ以上の水分を取るようにしましょう

DOCやPPCが入っている注射の施術後は数時間で注射部位に腫れが出て来て、水分を取られます。十分な水分補給が必要です。代謝物を流すためにも水分は重要です。BNLS注射の場合もコップ2杯分位のお水をいつもより余分に飲みましょう。

また、腫れが出る注射の場合はサポーターのような圧迫するものを付けるように、指導するクリニックもあります。

少し運動をする

数日して腫れが引いてからはマッサージや脂肪を燃焼させるように運動を行った方が効果的です。BNLS注射の場合も同様ですが、当日から運動を行っても大丈夫です。

4.脂肪溶解注射の部位別の効果

皮下脂肪が付いていれば、ほとんどどの部位でも注射可能です。(☆印は効果の出やすい部位です)

  • 顔(☆)、あご下(☆)
  • 二の腕(☆)
  • 胸、背中
  • お腹(☆)、
  • お尻
  • 太もも内側(☆)、 外側など
  • ふくらはぎ

気を付ける部位は目の上と目の下です。こういった場所に脂肪溶解注射を行った文献もありますが、腫れが強く出た場合は眼球を圧迫して危険です。現在、行っているクリニックはほとんどないと思います。

しかし、最近流行りのBNLS注射と言うものは腫れが出ず、注射可能です。

5.脂肪溶解注射の出来ない方

脂肪溶解注射はお手軽ですが、誰でも出来る訳ではなく、やってはいけない方もいます。以下のような場合は注射は出来ません。

  • 小児
  • 妊娠中、授乳中の方
  • 糖尿病など血管の病気を併発するものをお持ちの方
  • 肝臓や腎臓の病気の方
  • 自己免疫疾患の方
  • 炎症のある方

4.脂肪溶解注射の副作用

脂肪溶解注射の作用や影響はまだまだ不明な点も多くありますが、現在確認されている副作用には以下のようなものがあります。

必ず起こるもの(DOCを含む場合)

  • 腫れ:半日後から起こります。3~7日で消失します。
  • 熱感:半日後から起こり、数日で無くなります。
  • 軽い痛み:数日で治まりますが、長いと10日程続きます。
  • かゆみ:数日で治まりますが、長いと10日程続きます。

局所を冷やしたり、安静にする。場合によっては痛みどめの飲み薬で対応する

頻度が低いもの

  • 吐き気:数時間後から起こり、翌日には治まります。
  • 軽い頭痛:数時間後から起こり、翌日には治まります。

十分な水分補給で対応してください。

その他のもの

  • 知覚過敏:2~3か月続く場合があります。
  • しこり: 2~3か月続く場合があります。まれですが、しこりがそのまま残ります。

自己注射による皮膚壊死(部分的に血液がめぐらなくなり、皮膚の組織が死んでしまう)などが報告されているので、ちゃんとクリニックで施術を受けてください。

6.脂肪溶解注射の種類と費用

脂肪溶解注射とはPPCとDOCが入っているものを指してきましたが、近年これらの成分が入っていないものも登場しています。

脂肪溶解注射 顔

PPCとDOC両方含むもの

  • メソラインスリム
  • リバイタルセルフォーム

などがあります。クリニックによっては他の薬液を混ぜたり、名前を変えたりしているところもあります。

向いている人:腫れてもいいので脂肪溶解注射で効果を期待したい場合には向いています。また、身体の場合は腫れが隠せる事と費用がBNLSよりも安いです。

PPCのみのもの

  • リジェンスリム

という商品があります。DOCが入っておらず腫れが少ないのが特徴ですが、効果が少し出にくい可能性もあります。2週間に1回の間隔で施術します。

上記の商品は手のひらサイズを1単位としているクリニックが多く、10,000円前後が相場です。

向いている人:腫れは少ない方がいいが、BNLSの様に高額にはしたくない場合に向いています。顔では腫れが気になる場合もあります。

PPCもDOCも含まれないもの(BNLS)

  • 輪郭注射®
  • BNLS®

として売り出されています。

両方とも植物由来の成分を使用し、腫れがほとんどないのが特徴です。従来の脂肪溶解注射はそれなりの腫れが出ていたので、顔には非常に使用しにくかったのですが、こちらは顔にも使用しやすくなっています。(体にも使用できます)

効果はマイルドですが、1~2週間に1回程度で3~4回注射します。

BNLSはそもそもスペインで開発された輪郭注射®を韓国の医師が商品名、容量、また成分や濃度を変更し、プロトコール(手順)も変更し、オリジナル商品として韓国内及び日本に販売しているものです。

細かい成分や容量が公表されていないのではっきりとは分りませんが、輪郭注射®とBNLS®ほぼ同一製品と考えていいと思います。両方ともに1㏄当り10,000円前後の値段です。手のひらサイズに換算すると3-4万円の費用になるでしょう。

向いている人:とにかく腫れを出したくない人や顔に注射する場合は向いています。

”BNLS注射の量について”
BNLS注射は、1シリンジとして、BNLS自体の量が0.7㏄の所もあれば1㏄の所もあります。本数を増やしていくと結構な費用の差になりますので事前にクリニックに問い合わせてみるといいでしょう1㏄と言う表記でもBNLS:0.8㏄+局所麻酔:0.2㏄のように溶解しているところもあります。

7.まとめ

脂肪溶解注射は注射するだけで手軽に行えます。大きな合併症も現在言われておりませんが、予想以上に腫れたり、痛みが続いたりする可能性もあります。安易に考えず、しっかり医師と相談して行いましょう。

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