鼻を高くしたい:鼻のヒアルロン酸注射の適応・失敗・リスク

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【著者】渋谷高野美容医院
院長:高野 洋一

鼻を高くしたい方は日本人女性には結構多いです。中でもヒアルロン酸注射で鼻を高くできることはよく知られており、多く行われています。

しかし、鼻へのヒアルロン酸注射は失敗例もよく見られます。どういったものが失敗でどういう時に起こるのか。他に鼻を高くするいい方法はないのかを解説していきます。

失敗については鼻のヒアルロン酸注射に特有の事を解説していきます。

1-1.左右差

実はお顔は真っ直ぐ左右対称ではありません。

鼻も少し曲がっています。低い状態ではほとんど気にならなかった左右差が、鼻が高くなることによって気になる場合があります。

鼻の骨に沿ってヒアルロン酸を注入していきますので、もともと曲がりが強いとヒアルロン酸を注射することで気になる事があります。

手技的なこともありますが、もともと曲がっている場合も多いです。

1-2.形

ヒアルロン酸を1回、2回注入するくらいでは問題ありませんが、繰り返し行う事によって徐々に広がってきます。太い鼻になってきますので入れすぎには要注意ですし、ずっと高くしたい場合はプロテーゼ(シリコン)の方が向いています。今後、より広がりにくい鼻に適したヒアルロン酸が開発されるかもしれません。

1-3.しこり

鼻と言うすごく狭い場所に何度もヒアルロン酸を入れることで塊になり溶けなくなります。これをしこりになるといいます。しかも大抵の場合は広がって見えます。

しこりはヒアルロン酸溶解注射で溶かせる場合が多いです。

参考記事「あとで後悔しない!知っておくべきヒアルロン酸注射の副作用

1-4.鼻のヒアルロン酸注射が向く人向かない人

鼻を高くしたい方はほとんど適応があります。

ただし、

・鼻の始まりを上にし過ぎて二重のラインよりも上から始まる鼻はおかしく見えます。

・鼻のラインが直線や凸のカーブは男性的に見えてきます。

ヒアルロン酸やレディエッセは入れすぎには注意が必要です。

・もともと鼻が大きく曲がっている人は高くすると余計曲がってみえます

かといって、敢えて修正するようにヒアルロン酸を入れる場合、真ん中からずれると血管も多くリスクが高くなってしまいます。

また、ヒアルロン酸は気に入らなければ溶解する注射がありますがレディエッセにはありません。
(*溶解注射にもアレルギーのリスクがあります)

鼻のヒアルロン酸注射のリスクとして、2章で説明することが起こりえます。これが気になる方はプロテーゼの方が合っているかも知れません。

2.鼻のヒアルロン酸注射の安全性とリスク

ヒアルロン酸自体は体にも存在し安全な物質です。ヒアルロン酸自体が悪さをするという事はほとんどありませんが、注射をすることやヒアルロン酸のように物質が体内に入ることによって悪影響を及ぼす場合があります。

2-1.内出血・腫れ

ヒアルロン酸に限らず注射することによって内出血や腫れが出る場合があります。必ず出るという事もありませんし、初めに出なかったから次も出ないという訳ではありません。 針が血管にたまたま当たってしまう事で内出血が出ます。

基本的に内出血は1週間ほどで引きますのでお化粧でごまかしてお待ちいただくしかありません。

2-2.痛み

施術中に針を刺す痛みがあります。針も細いのでそれほど強い痛みではありませんが、お顔なので少し怖いですよね。

痛みどめのテープを貼ってから処置したり、笑気ガスと言って「ボー」っとするガスを吸いながら処置するクリニックもあります。

最近のヒアルロン酸はその中に麻酔が溶かし込んであるので、処置後の痛みはほとんどないと思います。

2-3.血流障害

ヒアルロン酸が血管内に誤注入されたり、入れすぎによって血管が圧迫されることによって起こります。

・皮膚の壊死(皮膚が黒くなってきます)

・失明

両方ともにめったにない事ですが、報告されている合併症です。

患者側の注意点

皮膚がパンパンに張った状態で鼻にヒアルロン酸を入れても皮膚に余裕がないので鼻は高くなりません。
血管を圧迫するリスクも高くなりますので入れすぎには注意しましょう

クリニック側で行っている注意点

・骨のすぐ上に入れるなどして血管が豊富にある場所(層)を避けて注入するようにしていますが100%合併症を回避することはできません。

*ヒアルロン酸を入れた直後や翌日に目が見えにくい、異常に痛いなどあれば、すぐにヒアルロン酸注射を行ったクリニックへ受診してください。

発生頻度

日本で唯一製造販売を認められているジュビダーム・ビスタ®のほうれい線に対する臨床報告ですが、144例中血流障害は1例も認められていません。

血流障害の正確な頻度は不明です。ちらほら報告がある程度です。恐らく1万件に1件ほどの頻度ではないでしょうか。交通事故に合う確率より低いです。

3.鼻のヒアルロン酸注射の効果・持続期間

鼻のヒアルロン酸注射で高さを出せる部位は鼻根部と言って目と目の間の部位です。鼻先の方は血管が豊富で血流障害などのリスクが高くなってくるので行っていないクリニックが主流です。鼻先を変化させたい場合は手術をお勧めします。

鼻 ヒアルロン酸

*写真はヒアルロン酸ではなく、レディエッセというもので行っております。参考としてご覧ください。

ヒアルロン酸には柔らかく目の周りなどに用いるものから、硬めの鼻や顎に用いるタイプのものなど色々な種類があります。
鼻に用いるヒアルロン酸は硬いものを用いることが多いです。硬い方が広がりにくく形を維持しやすいからです。「ジュビダーム・ウルトラ4」や「レスチレン・パーレーン」などが有名です。

最近、従来のものよりも硬くて形を維持しやすい「クレビエル」と言う商品が発売されました。
しかし、日本人の鼻で本当に広がりにくいのか、しこりになる確率はどうなのかなど。新しいものには分らないこともつきものです。

鼻に限らずヒアルロン注射は6カ月ほどで溶けてきます。鼻の場合はしこりになったりして溶けない場合もあります。溶けずに気になる場合は注入したクリニックで見てもらいましょう。

 

参考記事:「ヒアルロン酸注射の効果・リスク・クリニック選びのポイント

4.鼻のヒアルロン酸注射以外で鼻を高くする方法

鼻のヒアルロン酸注射は何回も繰り返すと溶けなくなってしこりになったり、広がって太い鼻になったりします。

長期的に繰り返すのは得策ではないと考えています。今後より広がりにくく、しこりになりにくいようなヒアルロン酸が発売されるかもしれません。

ヒアルロン酸注射 レディエッセ注射 プロテーゼ
メリット 注射するだけ 溶かすこともできる 注射するだけ広がりにくい 半永久的
デメリット 広がりやすい上記のリスクがある 溶かす注射がない上記のリスクがある 手術が必要位置がずれたり、出てくることがある
費用 3-6万 6-10万 18-30万

 

4-1.レディエッセ

ハイドロキシアパタイトと言って歯磨き粉のCMで聞いたことのある言葉かもしれません。骨を砕いたような成分でできています。

ヒアルロン酸よりも硬く、形を維持しやすいという利点があります。

欠点は溶解する注射がないので、高くなりすぎた場合や万が一血流障害が起きたときに対応しにくくなったりします。

4-2.プロテーゼ

シリコンと呼ばれるものです。

鼻の中を少し切開し、そこから挿入します。永久的に鼻を高くできますが、触るとばれやすい、極まれに感染して腫れる、出てくる、ずれるなどの可能性があります。

5.クリニックとドクターの選び方・費用

鼻を高くする方法に関して、一番いい方法と言うのはありません。それぞれメリットデメリットがあります。ですので施術に関してヒアルロン酸のみを推奨するドクターでなく、プロテーゼなどの説明もできるドクターに相談するのがいいと思います。

ヒアルロン酸やレディエッセしか出来ないドクターはそれしか勧めて来ないです。メリット・デメリットを理解した上で希望に合った良い方法を進めてくれるドクターを選んでください。

  • やたらと高いものを勧めてこない
  • 事前に他のクリニックの料金と比較する
  • 何か所かカウンセリングに行ってみる

なども重要だと思います。

参考記事「ヒアルロン酸注射の効果・リスク・クリニック選びのポイント

費用は上の表にもありますが、ヒアルロン酸製品は大体が1.0㏄という製剤で販売されています。鼻への注入はそれほど多くの量は使用しませんので余ってしまいます。

保存しておいてくれるクリニックもありますので、余りそうでしたら問い合わせてみてください。

*開封したヒアルロン酸を保存しておくと細菌が付く可能性がありますが、半年程度ですと非常にまれだと思います。

 

気を付けなくてはいけないのは、0.1㏄という単位で販売している場合です。

1㏄などの製剤を使用する分だけ他の注射器に移して使用している場合は大丈夫ですが、同じ注射器で使う分のみ使用して他の患者さんに使用している場合が仮にあれば非医療的な行為ですのでお気をつけください。

(針の話ではなく注射器も患者さんごとに分けるのが基本です)

6.まとめ

鼻へのヒアルロン酸注射は手軽に出来て大きな合併症も少ないです。ただし、長期的に

・広がる

・しこりになる

などの不都合が起きる場合も多いですのでずっと鼻が高い状態をキープしたければプロテーゼや、注射という事であればレディエッセを考えてみることもありだと思います。

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