脂肪吸引の魅力と怖いところが分る!術前得るべき12の知識

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【著者】渋谷高野美容医院
院長:高野 洋一

脂肪吸引は気になる部分の皮下脂肪を手術で吸引することで、部分痩せが可能になる手術です。ダイエットよりも簡単に短期間で細くなれるので、美容外科では非常に人気の手術です。

そのため、脂肪吸引に興味があったり、手術を受けたいとお考えの方は多いのではないでしょうか。しかし、なんだか怖いイメージだし、痛みや麻酔が心配だったり、失敗したらどうしよう…という不安をお持ちの方もいらっしゃいますよね。

このページでは、脂肪吸引の効果や、リスク、費用、手術後の経過など、脂肪吸引を検討する際に必ず知っておくべき情報を詳しくお教えいたします。さらに、クリニックや医師選びの際に重要なポイントも解説していきます。

脂肪吸引で失敗したり後悔したりしないためには、クリニックの広告や宣伝に惑わされずに、正確な情報を知っておくことが最も重要です。

このページを読んで、正しい知識をお持ちいただければ、手術を受けるべきかどうかの判断もしやすくなりますし、失敗してしまうリスクを最小限にすることが出来ますので、ぜひお役に立てて下さい。

目次

1.脂肪吸引とは

脂肪吸引とは字のごとく、脂肪を吸引して減らす手術です。減量やダイエットとは違いますが、吸引した部分はスリムになって見えます。簡単に吸引すると言っても、皮膚に傷(5-7mm)を付けて、その穴から脂肪を吸い取っていきます。

脂肪吸引は身体の多くの部位で行う事が出来ます。代表的な部位は「顔の下半分(ほほ・あご下)」「二の腕」「お腹・腰まわり」「太もも・お尻」「ふくらはぎ」です。
皮下脂肪の少ない人に行うのは難しい場合もありますが、ほとんどの場合は脂肪吸引を行えば吸引した部分は細くなり、医師の技術力にもよりますが、満足度も約80%にもなる結果の出る手術です。

Broughton G 2nd, Horton B, Lipschitz A, et al.Lifestyle outcomes, satisfaction, and attitudes of patients after liposuction: a Dallas experience.Plast Reconstr Surg. 2006 May;117(6):1738-49.

2.脂肪吸引の効果

脂肪吸引の効果は、文章で説明する事が難しく、1000㏄の脂肪を取ればお腹が〇〇cm細くなると言うような画一的なものでもありません。それぞれの個人によって、または吸引できる脂肪量によって最終的な変化は変わってきます。

恐らく写真で見るのが一目瞭然ですので、いくつかの例を提示していきます。

太もも・お尻の脂肪吸引の効果

女性の太ももは脂肪の付きやすい部位で、大きな効果も出やすい部位です。

 

二の腕・背中の脂肪吸引の効果

二の腕や背中は痛みも少なく人気のある部位です。

顔の脂肪吸引の効果

顔の脂肪吸引は大きな効果ではありませんが、下顔効果やあご下の脂肪を取ったり、フェイスラインをスッキリしたりすることが出来ます。

お腹の脂肪吸引の効果

お腹の脂肪吸引は効果も大きいですが、凹凸やたるみが目立ちやすく注意が必要な部位です。

3.脂肪吸引のメリットとデメリット

脂肪吸引をやるべきかどうか?自分の中でメリットがデメリットを上回った時に、手術を受けるべきだと思います。

脂肪吸引のメリット

脂肪吸引した部分が細くなる

脂肪吸引のメリットは脂肪吸引した部分が細くなることです。あくまでイメージですが4-7kg位痩せた感じになると思います。

その後も脂肪吸引した部分は細いままであることが1年ほどの追跡で確認されています。ただし、かなり長期(5年以上とか)はどうなるか不明な点もあります。

キレイなラインに変わる

脂肪吸引は皮下脂肪の好きなところから脂肪を取る事ができます。たとえば太もものところに多くついているなと感じる方も多いでしょう。その場合は、多くついているところから多めに、他の部位はそこそこ脂肪を取って、女性特有の脂肪の張り出しがなくなってラインをきれいに見せる事が可能です。

ダイエットで落ちにくい部位も効果が出せる

ダイエットで体重を落としていく場合、脂肪が減る部位は自分では選べません。減りやすいところから脂肪が減って、気になるところが最後まで残ったりする場合も多いです。

女性特有の二の腕の膨らみや、腰、太もも・お尻周りなどです。脂肪吸引であればここへダイレクトにアプローチできますので、ダイエットではなかなか落ちにくい部分の脂肪を落とすことができます。

効果が出るのが早い

脂肪吸引の場合、細くなってある程度自然になるのが6-8週間です。ダイエットの場合は極端なことをしない限りは急激にこんなに細くなることはありません。

脂肪吸引のデメリット

やはり手術ですのでリスクがあったり、デメリットもあります。失敗やリスクではない、デメリットを解説していきます。

費用がかかる

当たり前ですが、クリニックで手術をすると費用が掛かります。部位にもよりますが数十万円、高いクリニックでは100万円以上かかる場合もあります。ダイエットには運動やランニングを自分で行い、食事制限をする事にはお金はかからないのです。

下の表は2017年に12個のクリニックから調べた平均値です。オプション料金の有無、税込抜き表示、などで表示が変わってきます。おおよその相場感として見て下さい。

平均 安値 高値
顔(ほほ)・あご下 401,134円 198,000円 646,280円
二の腕(+肩) 383,393円 200,000円 675,000円
お腹全体+腰 763,357円 350,000円 1,700,000円
太もも全体 865,855円 550,000円 1,712,930円

脂肪吸引の相場について具体的に知りたい方は「【脂肪吸引の値段相場】賢く手術を受けるための5ステップ」をお読みください。(こちらのリンクには2015年のデータを載せていますが、平均値はあまり変わっていません。)

また、多くの場合は、麻酔代金や圧迫代金などの追加の費用がかかります。安い場合は数万円、高い場合は10万円ほど上乗せになります。

完成までに数か月はかかる

ダイエットを頑張るよりは効果も早く出ますが、それでも手術をしたからと言ってすぐには細くなりません。痛みや手術後の違和感もあります。だいたい2カ月ほどで大きく気になる事が無くなってきます。1か月目では約60%、2-3か月目で80%、6カ月で100%出来上がるようなイメージなのです。

手術後はまず、痛みが出ます。痛みのピークは2-3日ですが、その後も1-2週間ほど痛みは続きます。それと同時に内出血や腫れが起こります。これらが徐々に引いて行って、1か月後には細くなってきますが、触ると硬い、感覚が鈍い、引きつれるような感じがすると言った違和感があります。

数か月は圧迫が必要になる

脂肪吸引の手術後は圧迫する下着を着用する必要があります。これはきれいに仕上げるためです。クリニックによって、圧迫を行うように指導している期間に違いがありますが、少なくても1ヶ月は必要です。(当院は3ヶ月間、12-24時間の圧迫を指導しています)

例えばですが、上記のような感じの圧迫下着を使用します。

お腹用

二の腕・背中用

太もも用

リバウンドする

リバウンドに関しては色々な意見がありますが、急に脂肪細胞がなくなることにより、代わりの脂肪を付けようとする作用が働くとする説があります。脂肪吸引した部分には脂肪が付きにくいのですが、内臓脂肪に付きやすいとする報告もあります。

しかし、運動などで体重を維持すれば脂肪を減らしたままの状態をキープできるという報告もあり、脂肪吸引後は体重を増やさないようにすることが重要です。

4.脂肪吸引での失敗やリスクとは

脂肪吸引を行うと腫れや内出血が必ず出ます。そういった通常の経過ではないリスクや失敗をこの章では解説します。

デコボコする事がある

気になるようなデコボコが出ることはほとんどありませんが、浅い部分の脂肪を不均一に吸引するとデコボコが出る可能性があります。

対処法:デコボコの程度にもよりますが、多くは凹んだところに脂肪を注入して修正します。

引きつれが出る事がある

手術後1か月くらいは、手を上げたり、屈伸して足を大きく動かしたときにひきつれ感が出る事があります。基本的には自然と改善していきますが、残ってしまう場合もあります。

対処法:見た目でも不自然なひきつれが残っている場合は、脂肪注入や注射で治療することもあります。

取り残しが出る事がある

頻度は少ないです。脂肪吸引の手術中には均一に脂肪を取れたように見えても、出来上がってみると一部だけ取残している場合や取りすぎている場合があります。特にお腹で気になることがあります。

対処法:再度吸引して修正できるものは、再手術を行います。

左右差が出る事がある

気にあるような左右差が出ることはほとんどありません。特に腕や太ももでは左右の腕や足も離れているので、少しくらいの左右差は気になりませんし、もともとあります。

しかし、お腹で左右差が出た場合には右と左がつながっているので目立つことが多く、お腹自体が平坦なので気になることも、他の部位より多いです。

対処法:左右差が出た場合は、再度吸引したり、脂肪注入で凹みを修正します。

血や水が溜まることがある

脂肪吸引の手術をした後は皮下脂肪のレベルの空洞ができています。手術後は出血の予防やその空洞に不要なものが溜まらないように圧迫を行います。

しかし、手術後に脂肪吸引した部分に水(体液や血液)が溜まることがあります。可能性としては1%くらいでしょうが、多い報告では3%と言うものもあります。

対処法:程度によって、医師の対処法が異なりますが、多くの場合は注射器で水を抜くことになります。1回で大丈夫な場合もあれば、再度溜まってくるので繰り返す必要がある場合もあります。

たるみが出る事がある

皮膚の引き締まる程度より多く脂肪を取るとたるみが出る事がります。特に下腹で起こりやすいです。下腹でたるみが出た場合は脂肪はなくなったけれども、皮膚が乗っかる感じが残ります。

また、その他の部位では、明らかなたるみと言う訳ではなくても、動いた時に筋肉の動きがダイレクトに皮膚に伝わるような感じになり少し不自然に感じることがあります。

対処法:明らかに皮膚がたるんでいる場合は切除することも可能ですが、傷が大きく残るため受け入れられる人は多くありません。全体的に取り過ぎてたるみやたるんだ感じが出ている場合、対処は難しいです。

色素沈着することがある

色素沈着とはシミのような色が皮膚についてしまう事です。傷口ではなく、脂肪吸引した部分の一部に起きることがあります。内ももや二の腕の内側に起こる割合が多いです。6カ月ほどで改善していきますが、残念ながら残ってしまう場合もあります。

対処法:色を薄くする薬をぬったりすることもあります。

ばい菌が付いて感染することがある

脂肪吸引後に感染を起こすことがあります。頻度としては非常に稀です。傷口が軽く生む程度のものから、脂肪吸引した部分全体的に感染してしまう場合などあります。

対処法:広範囲に感染した場合は入院して治療が必要になりますが、そのリスクは稀です。

効果に満足しない場合がある

脂肪吸引を行えば、脂肪を取った部位は確実に細くなりますが、どれくらい細くなるかは人によって結構差があります。自分の期待していた程度よりも細くならずに満足できない人も稀にいます。

特にふくらはぎや顔は大きな効果は出にくい場所で、手術前に効果が出そうか医師としっかりカウンセリングを行う事が重要です。

血管が詰まる事がある

症状の出るような事は非常に稀です。血管に血の塊や脂肪が詰まってしまって、重篤な合併症を起こすことがありますが、ほとんど起こらないリスクと考えていいでしょう。

出血量が多すぎて手術の中断や病院へ搬送になる場合がある

基本的には起こりませんが、手術中に出血量が多くなったりして貧血が進むと途中で手術を中断したり、場合によっては高次の医療機関に搬送する必要が出てきます。

やはり脂肪吸引に慣れている医師に手術してもらうのが良いでしょう。

死亡例もある

アメリカの調査では0.02%の確率で死亡事故があったと報告があります。これは1990年代の調査ですので現在ではもっと安全になっています。1998-2000年の調査では0件です。

脂肪吸引の失敗やリスクに関しては「脂肪吸引で失敗しないために知っておくべき失敗例と対処法」をお読みください。各部位に特有のリスクなども詳しく解説しています。

5.脂肪吸引の手術の流れ

脂肪吸引の手術は以下のような流れで行います。

  1. 手術前の写真撮影や計測
  2. 医師による吸引部分のデザイン
  3. 点滴の挿入や心電図等のモニターの装着
  4. 消毒
  5. 麻酔:眠る麻酔や痛み止めの麻酔を使用ます。
  6. チュメセント麻酔:脂肪吸引部分に薄い局所麻酔を行います。
  7. 脂肪を吸引する
  8. 圧迫

写真による解説

4の消毒以降の、脂肪吸引の手術の様子を写真で見ていきましょう。(写真は太ももの脂肪吸引の手術です)

・傷を付ける

当院ではこの状態で麻酔がかかっており、痛みが取れている状態です。
7-8㎜の傷口を作り、その穴に「シース」と呼ばれる傷口保護用の装具を取り付けます。脂肪吸引の手術は傷口から細長い管(くだ)を出し入れするので傷への負担がかかりやすくなります。そのためシースを使用します。中にはシースを使用しないクリニックもありますが、その場合は傷が汚く治る傾向にあります。

・脂肪に麻酔をする(チュメセント麻酔)

6の部分です。今度は脂肪自体に局舎麻酔を行います(チュメセント麻酔と呼ばれる)。脂肪をふやかして吸引しやすくする目的と、麻酔液に入っているお薬で血管を収縮させて出血を抑える目的で行います。

・脂肪を吸引する

ここまでの下準備が終わったら、いよいよ脂肪の吸引です。マーキングを行った部分を見ながら脂肪を吸引していきます。

・手術終了前に麻酔液や血液を絞り出す

手術が終わる前に麻酔液や血液を出来るだけ絞り出します。実はダウンタイムを軽減して効果を高めるために重要な作業なのです。

・傷口を縫う

傷口を糸で縫って手術は終了です。抜糸は1週間前後に行います。

6.脂肪吸引の方法で効果に違いはない

脂肪吸引を調べているといろいろな方法が出てきて、何が違うのかよく分りませんよね。脂肪吸引の歴史とともに色々な機械が考えられ作られましたが、残念ながら効果がアップする機械やダウンタイムが短くなる方法はありません。

ほとんどの機械は、脂肪に麻酔をした後に使用します(6のチュメセント麻酔の後です)。レーザーや超音波、高周波を当てて脂肪を溶かす事によって脂肪を吸引しやすくする目的や効果を高める目的で開発されましたが、術者が脂肪吸引を行いやすくなると言う事はあっても、効果を高めると言う事はいまだに出来ない状況です。

日本で流行っているベイザー脂肪吸引と言うものがあります。引き締まりが良くなるとか、脂肪が9割取れるなどという宣伝文句ですがそんなことはありません。ベイザー脂肪吸引について詳しく知りたい方は「ベイザー脂肪吸引を検討したら知っておきたい効果と口コミ」をお読みください。

*皮膚の引き締め効果が高いのはボディタイトと言う機械の方が文献も多く根拠が多いと考えます。日本ではベイザー脂肪吸引が大々的に宣伝を行い、流行ってしまったのでボディタイトはほぼなくなってしまいましたので、詳しくは述べません。

7.手術後のダウンタイムと経過

脂肪吸引は手術になりますので、身体への負担もあります。手術後にはダウンタイム(回復期間)と言って腫れや内出血が出る期間があります。

手術後に腫れが出る

脂肪吸引の手術後には腫れが出ます。腫れてるなと感じるのは1-2週間です。

むくみが続く

腫れが引いても、むくんでいる感じが続きます。徐々に引いていきますが、1か月はむくんでいるなと感じて、細くなったりむくんだりを繰り返していきます。

内出血が出る

脂肪吸引の手術後は1-2週間内出血が続きます。ちょっとグロテスクに見えますが、基本的に消えていくものですのでお待ちください。

痛みが出る

手術後は必ず痛みが出ます。顔や二の腕の場合はそれほど大きな痛みではありませんが、太ももやお腹の場合は結構痛いと思います。ひどい筋肉痛のような痛みです。手術を行ったクリニックで傷みどめのお薬を処方してくれます。

痛みのピークは3日程度ですが、1週間ほどは痛みがあります。そのあとはちょっとした痛みy違和感が徐々に引いていきます。

硬縮(こうしゅく)が起こる

硬縮と言って、脂肪吸引した部分が硬くなってきます。手術後1週間目位から起こり始めて、1-2ヶ月続きます。私はマッサージを指導してほぐしていってもらっていますが、硬縮の時に行うマッサージが痛みを伴います。

かゆみが出る事がある

吸引した部分が手術後数日してからかゆみが出る事があります。内服のお薬や塗り薬で対応しますが、1-2週間で治まっていきます。

感覚が鈍くなることがある

吸引した部分が手術後数か月にわたって皮膚の感覚が鈍くなることがあります。感覚が鈍くなったままと言う事が起きるのは稀です。

傷跡が残る

5-7㎜ですが皮膚を切って脂肪吸引を行うので傷跡が残ります。傷がキレイに治るかは個人差があります。ですので、傷は目立ちにくい場所に作るのが手術の基本になります。

手術前のカウンセリングでどこの部分に傷を作るのかを確認しましょう。目立つ場所に傷を作ってしまって後悔している人もいます。

8.手術前に行っておきたい準備

食料を2日分用意する

太ももやお腹の脂肪吸引では手術後に痛みや身体のしんどさであまり外出する気にはなれないでしょう。また顔の脂肪吸引では手術後に顔のバンドをしています。
できれば2日分位の食料を確保しておくと、自宅でゆっくり過ごせます。
二の腕の脂肪吸引の場合は、痛みも大きくなく、長そでを切れば外出できるのでそれ程気にしなくてもいいでしょう。

手術には汚れてもいいゆったりした服装、歩きやすい靴で行く

手術後は圧迫下着を付けたり、身体のだるさがあったりするのでゆったりした服装で行くのがベターです。また、時々、傷口から血液がしみ出てくることがあり汚れてもいい服で過ごすのが良いでしょう。また、ヒール付きの靴など控えて、履きやすく歩きやすい靴で行きましょう。

“顔の脂肪吸引の場合”

顔の脂肪吸引の場合、フェイスバンドと言う圧迫をして帰ります。これだけですと結構変な人に見えますので、以下のものを準備しておくといいでしょう。

・帽子:つばの長いもの
・マスク
・マフラーやストール

食事制限、水分制限は必ず守る

手術当日、手術前はクリニックから食事や水分の制限を言われると思います。麻酔を使用する場合に必要な事ですので必ず守るようにして下さい。

車やバイクでは行かない!

脂肪吸引の手術後は麻酔を使っていたり、圧迫下着のために動きにくい状態です。車やバイクの運転は絶対に行わないようにして下さい。行く時に自転車を使用してもいいですが、帰りは押して帰るようにして下さい。

9.手術後の経過を良くするためにやった方が良いこと

必ず圧迫を行う!

脂肪吸引の手術後は必ず圧迫を行いましょう。基本どの部位でも1ヶ月は行うようにしましょう。手術を受けるクリニックで圧迫用のボレロやウエストニッパー、ガードルなどを紹介してくれます。医師の指示に従い、必ず着用するようにしましょう。顔の場合は1日中圧迫を行うのは難しいので、家にいる時や寝ている時に着用しましょう。

圧迫を行う期間は医師によって指示が異なります。圧迫してもデメリットはないので、私は3か月を目途にしてもらっています。

マッサージやストレッチをした方が回復が早い

脂肪吸引後のマッサージやストレッチが必要かどうかは議論のあるところですが、ストレッチやマッサージを行った方が回復が早いと考えています。手術後1週間したら、痛みが我慢できる範囲で、可能な限り動かしたり揉んでもらったりしています。

傷口保護用のテープを貼る

傷口は出来るだけ目立たなくなって欲しいですよね。手術後の傷口は、保護のためテープを貼った方がキレイに治ると考えられています。手術を行ったクリニックで術後のケアとしてもらえるところが多いです。

体重は増やさない

脂肪吸引の手術後には体重は増やさないようにしましょう。脂肪吸引の手術後は体重が増えやすくなる、脂肪付きやすくなると言う報告もあります。脂肪を取っているのですから、取った脂肪分くらいは体重を減らすつもりで手術後も頑張ってください!

脂肪吸引をしたからと言って、食事やお菓子を食べ過ぎない、運動は適度に行った方が良いでしょう。

10.脂肪吸引の手術費用の相場

医師のデザインや技術によっての差はありますが、6章で解説したように脂肪吸引の方法で、経過や結果に差はありません。

しかし、日本では「ベイザー脂肪吸引」と言うものが別格かのように扱われ、料金も高くなっています。ここでは、ベイザー脂肪吸引の料金とその他の脂肪吸引の料金をご紹介します。12個のクリニックのホームページから算出した値です。

また、脂肪吸引の場合、追加で麻酔代金・圧迫物品代金などが必要なクリニックも多くあり、消費税込み・抜きの表示でも誤差が出ますので参考としてみて下さい。

顔の脂肪吸引の費用

顔(頬+あご下) 安値 高値 平均値
ベイザーリポ脂肪吸引 ¥198,000 ¥646,280 ¥478,183
その他の機械の脂肪吸引 ¥200,000 ¥420,000 ¥324,084
全ての平均 ¥401,134

二の腕の脂肪吸引の費用

二の腕(+肩) 安値 高値 平均
ベイザーリポ脂肪吸引 ¥248,000 ¥675,000 ¥470,539
その他の機械の脂肪吸引 ¥200,000 ¥420,000 ¥296,247
独自の脂肪吸引 ¥383,393

お腹の脂肪吸引の費用

お腹・腰 安値 高値 平均
ベイザーリポ脂肪吸引 ¥350,000 ¥1,700,000 ¥884,000
その他の機械の脂肪吸引 ¥395,280 ¥860,000 ¥594,456
独自の脂肪吸引 ¥763,357

太ももの脂肪吸引の費用

太もも 安値 高値 平均
ベイザーリポ脂肪吸引 ¥550,000 ¥1,712,930 ¥971,616
その他の機械の脂肪吸引 ¥570,000 ¥933,320 ¥724,840
独自の脂肪吸引 ¥865,855

11.費用を比較するときの注意点

手術方法で効果に差がない事や費用の相場は理解していただいたと思います。脂肪吸引の費用はややこしい場合が多く、オプション料金となるものがいろいろとかかる事が多くあります。

オプション料金としてかかる事が多いものは以下のようなものがあります。例えば当院では圧迫下着の料金と採血代金がオプションになっています。

麻酔代が必要なことがある

麻酔の代金がオプションになっているクリニックがあります。クリニックによって値段が違いますが、数万円から高いクリニックでは10万円ほど別途必要な場合があります。

圧迫物品の料金が必要なことがある

手術後に使用する圧迫用の下着の料金が必要です。1枚分は手術料金内に含まれる場合もありますが、多くは別途必要です。
クリニックで購入したり、ネットでも購入する事が出来ます。出来ればクリニックでサイズを見てもらって選んでもらうのが良いと思います。

部位にもよりますが、ガードル、タイツは1着1万円程度が相場です。

手術前の採血代が必要なことがある

お腹や太ももの広範囲の手術の場合、手術前に採血によるチェックをすることが多いです。仮に採血結果で異常値が出て手術できなくても費用が掛かりますので手術料金に含まれていない事が多いのでしょう。

一般の健康診断の採血以上の検査項目が必要で、料金は1万円~1.5万円が相場でしょう。

消費税もチェックしよう

馬鹿に出来ないのが税込・税抜きの料金表示です。脂肪吸引は数十万円のコストがかかります。消費税がかかるだけで、思わぬ差が出てしまう事があるのでチェックしてみるようにしましょう。

12.クリニックや医師選びのポイント

いざ脂肪吸引をしようと思っても、どこのクリニックで行えばいいのか、どの医師で行えばいいのか、分らないと言う事も多いでしょう。この章では、医師の選び方についてご紹介します。

もっとも重要なことは医師選び

どのクリニックで手術を受けるかよりも、どの医師を選ぶのかが重要です。医師の技術が重要な事は想像できると思いますが、満足度はあなたの希望がしっかり伝えられること、つまりコミュニケーションが重要です。

ですので、いくつかの医師にカウンセリングを受ける事をお勧めします。

下の表は、どこで脂肪吸引を受けるかの際に重要な事をまとめています。

選ぶ基準 重要度
医師選び ☆☆☆☆☆:非常に重要
値段 ☆☆☆:そこそこ重要
脂肪吸引の種類 ☆:重要ではない
アフターケアや術後の処置 ☆:どこでもあまり差はない
麻酔方法 ☆:重要ではない(医師選びの方が重要)

ランキングサイトは当てにしない

脂肪吸引を調べていると必ずと言っていいほど、ランキングサイトやクリニックへの誘導サイトが出てきます。このようなサイトはまず当てになりません。ほとんどがアフィリエイトと言ってネット上での紹介手数料を得る仕組みになっています。そして、手数料を多く払ってくれるクリニックが上位表示されている仕組みです。

脂肪吸引 名医 ランキング

そこに載っているクリニックがダメと言う訳ではありません。ただし、ランキングなどの順位は信用しない方が無難です。

また、誰が書いているか分らない脂肪吸引のまとめサイトも使用しない方が無難です!脂肪吸引についてそれらしく書いていますが、結局はどこかのクリニックに誘導する形式になっています。

個人ブログの見方・付き合い方

脂肪吸引を体験した方のブログは非常に参考になりますよね。しかし、あくまでも1個人の経過や結果、感想が書いてあると思って下さい。脂肪吸引に限らず、ブログを参考にする時は以下の3点に注意して読んでみて下さい。

  • クリニックのページへのリンクがないブログを参考にする
  • クリニックの紹介がないブログを参考にする
  • ブログを読む際は5個以上のブログを見る

クリニックで選ばない!

個人クリニックであれば医師も1人のことが多いですからクリニックの技術力=医師の技術力ですが、医師が多く在籍する大手クリニックの場合は医師によって技術力もバラバラです。「有名クリニックに行けば安心」なんてことは絶対にありません。

有名クリニックに行くにしても、個人クリニックに行くにしても、必ず医師で選ぶようにして下さい。

カウンセリングに行って決める

症例写真やクリニックの方針などを見て、良いなと思う医師がいたら実際にカウンセリングに行きましょう。そこで医師の説明が分りやすいか、疑問点にきちんと答えてくれるか、自分の悩みを理解してくれているかをチェックしてみて下さい。

ちなみに、脂肪吸引の診察時に触診(実際に身体を触って診察する事)しない医師は、手術を受けるのを止めた方が良いでしょう。ちゃんとした医師ならば絶対に触診して脂肪の厚みなどを確かめて、手術が可能かどうか判断します。

脂肪吸引の医師選びについては「脂肪吸引の名医とは/名医を探すために必要な3つのポイント」をご覧ください。より詳しく脂肪吸引の医師選びについて解説しています。

13.まとめ

脂肪吸引について理解が深まったことと思います。脂肪吸引は手術ですし、美容クリニックの中でも大きめの手術になります。また高額な費用もかかります。安易に決めずにじっくり考えて、さらに医師選びはいくつかのクリニックに行ってから決めましょう。ネットの情報やランキングサイトなどに惑わされずに自分で決めるのが一番いいと思います。

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