気になるお顔のしわ取りや脇汗の解消、小顔などに、ボトックス注射が有効とは知ってはいるけど、副作用が心配…という方はいませんか?
お薬を注射するとなると、副作用の有無や、その後の効果の出かたなども知っておきたいですよね。
意外に、ボトックス注射は安全性が高く、副作用が出ることはほとんどありません。
ただし、ごくまれですが、副作用が出ることもあります。
また、副作用ではありませんが、ボトックス注射の効果によって、違和感を感じる場合はあります。
今回は、気になる副作用や違和感の種類、一般的な注射部位ごとの副作用とその対処法を詳しく解説していきます。
ボトックス注射をしたいけど、副作用が心配という方はこの記事を読んでみて下さい。
目次
1.ボトックス注射の安全性
ボトックス注射は基本的に安全で手軽に出来る美容医療です。日本の厚生労働省にも認可されているお薬です。
しかし、非常に少ないですが医療行為である以上、一定確率でリスクも起こりえます。
2.ボトックス注射の副作用の種類
この章ではボトックス注射の一般的な副作用に関して解説します。部位ごとの特徴的な副作用については3章をご覧ください。
ボトックス注射は4か月ほど持続しますが、その後に作用はなくなります。効果が出すぎた場合、副作用が出た場合は基本的に効果がなくなる事を待つしかありません。
マッサージすると作用部位の効果がなくなるのが少し早くなります。
よくヒアルロン酸注射と言うのを聞くかもしれませんが、ヒアルロン酸注射には溶解するお薬がありますがボトックスにはありません。
「イデバエ」と言う注射がボトックスの効果が出過ぎた場合に有効だという報告がありますが、一般的にはまだ行われていません。
2-1.痛み、内出血
・痛み
クリニックによっては極細の針を使用したり、表面麻酔を使用したり、笑気ガスと言って痛みを和らげるガス麻酔を使用したりしています。原始的ですがアイスノンなどで冷やすのも効果的です。
ただし、ボトックス注射は針の痛みだけでなく、お薬が体の中に入ること自体が痛いので表面麻酔だけでは不十分な場合があります。
・内出血
ボトックス注射に限らず、注射をすると内出血が出る可能性があります。100%避けるのは不可能です。
基本的に内出血は1週間ほどで引きますのでお化粧でごまかしてお待ちいただくしかありません。
内出血がひどく出てしまった場合には腫れも出ます。こちらも待てば必ず引きます。
【出てしまった場合の対処法】
1-2日冷やすのがいいでしょう。その後はお化粧などでごまかしてください。
ヘパリン類似用物質として「ヒルロイド」等の医薬品が多少効果があるかもしれません。
その他一般薬でも「ピアソンHPローション」や「ヘパリンZクリーム」と言うものがあるので使ってみてもいいかも知れません。
2-2.違和感
ボトックス注射は筋肉をストップさせてしわを取ります。
顔の筋肉がストップすると、普段の表情が取れなくなって違和感を覚える場合があります。また、表情がストップするので笑っていない印象を与えたりする場合があります
2-3.頭痛
頭痛を来すことがあります。0.5%未満とされています。
2-4.その他の副作用
・アレルギー(アナフィラキシーショック)
強いアレルギー症状を起こす可能性があります。
頻度としては0.01%未満とされています。
- 気分不良、食欲不振(0.5%未満)
- 皮膚のかゆみ(0.5%未満)
- めまい(0.5%未満)
- 発疹(0.5%未満)
3.部位ごとの副作用と対処法
2章ではどの部位でも起こりうる副作用を説明しました。
3章では部位ごとの特徴的な副作用を解説いたします。
3-1.目のまわり
- 笑った表情が硬く感じる
- 目尻が上がったように感じる、下がったように感じる
- 涙が出やすい(0.5-2.0%)
- 目の乾燥(0.5%未満)
- 物が2重に見える(0.5%未満)
その他、非常にまれですが、目の周りの筋肉に効果が出てしまったため、笑うと目の下が膨らむというケースを見たことがあります。
3-2.おでこ・眉間
・眼瞼下垂(0.5-2.0%)
目の筋肉に作用し目が開きづらくなります。片方の目が開きにくく、片方の目が異様に開いてしまいます。
しかし、本物の眼瞼下垂になってしまう状態はもっと少ないと思います。
・目の開けづらさ、二重幅が狭くなる
上記、眼瞼下垂とはあえて分けて書きますが、こちらが0.5-2.0%位の頻度で起こる印象です。
額や眉間の筋肉がストップすることで、目が開けにくくなり、もともと目を開ける時に、額や眉間の筋肉を使っている人に起こりやすいです。
・上記と関係がありますが、頭痛は額や眉間に打った場合に出やすい印象があります。
・眉尻のみ挙上する、怒った様にみえる
中央部にのみ効いて、外側への効果が不十分な場合に起こります。
【対処法】追加で眉尻付近に追加注入すれば修正可能なことが多いです。
3-3.小顔(エラ)
非常にトラブルの少ない場所です。
・広めに打った場合や、お薬が広がってしまった場合には、笑いにくくなり、口の周りが動きにくいという事が起きます。
・打ち方や薬に効き方によっては、筋肉の盛り上がりが逆に強調される場合があります。
【対処法】この場合はさらに追加することで修正可能です。処置を受けたクリニックを受診しましょう。
・焼肉とかを食べていると顎が疲れやすい・痛いなどありますが効果が出ている証拠です。
3-4.脇
国内臨床試験において2.08%に副作用が報告されています。
- 発汗(他の部位から汗が増えてしまう) 2.08%
- 四肢痛 0.69%
3-5.首
美容目的では首のしわにボトックス注射をする場合があります。斜頸と言って病気の方に打つ場合に報告されている副作用ですが一部紹介します。
- 嚥下障害(ものが飲みこみにくい) 1.95%
- 局所の筋力低下 0.84%
- 脱力感 0.29%
- 呼吸困難 0.03%
ただし、美容目的に打つ場合は斜頸の方に打つ場合よりも皮膚の浅い所に注射するので副作用の可能性はもっと低いはずです。
【対処法】嚥下障害・呼吸困難や脱力感が出た場合は速やかに処置を受けたクリニックに連絡しましょう。
3-6.ふくらはぎ
こちらはふくらはぎを細く見せるために美容目的で打つ場合があります。
下肢の痙攣患者さんへのデータですが以下のような副作用があります。
- 筋肉痛 2.61%
- 注射部の疼痛 4.35%
その他、下肢の脱力感、歩きにくいと言うケースを見たことがありますが稀です。
4.ボトックス注射の種類と費用
ボツリヌストキシンをアメリカの会社が作ったものが「ボトックス」です。イギリスの会社で「ディスポート」というものを作っている会社があったり、韓国の会社があったりします。「レジェノックス」や「ニューロノックス」というものです。
同じコーラでも「コカ・コーラ」と「ペプシコーラ」が違うようなものです。
実際に同じボツリヌストキシンですのでそれほどの違いはないと思います。
しかし、アメリカのアラガン社が作っている「ボトックス」は、その品質管理などが認められ、眉間・目尻の表情じわに対して、国内で唯一製造販売承認を得ています。(正確には日本で作っているものは「ボトックスビスタ」という名称です)
それゆえアラガン社の「ボトックス」はコスト面では高くなっています。
アラガン社のボトックスで1部位:20000円-50000円
その他の会社のもの:7000円-15000円
が、多い価格帯だと思います。
脇の多汗症の場合は使用する量が多くなるので、2-3倍の値段になります。
5.クリニック・ドクターの選び方
ボトックス注射は人によっても効果の出方が違うことも多いです。
初回、強く効きすぎたなら次回は弱く注射したり、効果が弱かったなら次回は強めにしたり、その人それぞれに合わせて注射していく必要があります。
注射自体に高度な技術を要するものではありません。
だからこそ、いつも同じ医師に注射してもらうのは良い方法だと思います。今回は少し利きが弱かったから次回は少し弱めましょうとか、打つ位置をずらしましょうとか相談できる先生がいいです。前回の効果も聞かずに注射する医師はあまりよくありません。
ヒアルロン酸注射の項目でも書きましたが、ホームページからだけで医師の技術や人柄を評価することは非常に困難です。
何度か通ううちにあなたに最適な打ち方を見つけてくれる医師がいますので、初回の効果がいまいちだったから医師やクリニックを変えるのではなく、2-3回は通ってみてください。また、前回の状態や要望をきちんと伝えるようにしてください。
ただし、以下の事に注意してください。
- やたらと高いものを勧めてこない(韓国製やイギリス製でも効果はでます)
- 事前に他のクリニックの料金と比較する
6.まとめ
いろいろと解説しましたが、ボトックス注射は基本的に安全で副作用の頻度的は少ないです。一度注射してみれば効果の高さを実感していただけると思います。
分らないことがあれば医師に相談するようにしましょう。