ニキビ肌やニキビ跡がなかなか改善せず、お悩みの方は多いのではないでしょうか?
市販の化粧品やお薬では効果が出ず、皮膚科や美容皮膚科でのレーザー治療をお考えの方もいると思います。
しかし、レーザーで本当にキレイになるのか、自分のニキビの状態にレーザー治療は合っているのか、数あるレーザーの中でどのレーザーが良いかなど、疑問をお持ちの方も多いでしょう。
そんな方のために、今回はレーザー治療の効果や方法、費用の相場を解説します。また、レーザーの種類や選び方、効果を高めるための受け方なども詳しくお教えいたします。
このページをお読みいただければ、ニキビやニキビ跡に対してのレーザー治療を効率的に受ける方法がお分かりいただけます。ニキビでお悩みの方は是非お役に立ててください。
目次
1.ニキビのレーザー治療とは
ニキビは状態によって色々な段階がありますが、ニキビにレーザー治療を行うのは一般的に「ニキビ跡(クレーター)」に対する治療です。
主に用いられるのはフラクショナルレーザーと言うものです。これはフラクショナルシステムと言って、レーザーを点状に皮膚に当てていく方法で、凹凸のある皮膚を滑らかにしていってくれます。下の写真の様に点状にレーザーが当たります。(写真はフラクショナルCO2レーザー)
このように作られた、小さな傷はきれいに治っていきます。肌の凹凸も削っては治り、削っては治りしている間に徐々になだらかになっていきます。
また、フラクショナルレーザーには種類があり、フラクショナルシステムにどのレーザーを組み合わせるかで種類が違ってきます。CO2レーザーを用いた「フラクショナルCO2レーザー」が有名です。その他にも違うレーザーを用いたものがたくさんの種類があります。しかし、効果としてはそこまでの違いはないと思います。結局はどの程度のパワーで当てるかによって、同じものでも結果が違います。
赤いニキビやニキビの跡が赤い場合の治療にはVビームと言うレーザーを使います。ニキビは治ったんだけど、赤みがずっと残っていて気になると言う場合はVビームが向いています。また、このVビームと言うレーザーは赤いニキビにも効果的であると言う報告が多数出て来ています。
2.レーザー治療の内容と効果
フラクショナルレーザーは強いレーザーを使っているので、処置した後に赤みやザラツキが出ます。2日程は海で日焼けしたような赤みが続き、5-6日程は皮膚がザラザラとざらつきます。1週間すると元の状態に戻ると言うのを、1ヶ月に1回程度で続けていきます。
また、フラクショナルレーザーは麻酔クリームを塗って行いますが、それでも痛みはあります。処置後は日焼けしたような顔のほてり感が数時間続きます。
このレーザーは点状にレーザーが当たりますので、当たっていない部分も存在します。1回の治療では皮膚全体に対して10%程度しかカバーできないと言われていますので、繰り返して治療する必要があるのです。
ニキビ跡が無くなると言うのは難しく、凹みの角が取れて目立ちにくくなると言った感じです。
3.レーザー治療後のダウンタイムと4つの注意点
フラクショナルレーザーの治療後はダウンタイムがあります。赤みが出たり、肌にザラツキが出ます。
個人差もありますが、赤みは大体2日間で海水浴に行って来たように赤くなります。その後に皮膚がザラつき、皮がむけてきます。これは5-6日必要です。
3-1.化粧は1日はしない
お化粧するまでは出来るだけ時間を空けましょう。目安は24時間です。レーザー後は肌に細かい穴が空いた状態です、化粧品や雑菌などが肌に入り腫れたりする事もあり得ます。
3-2.肌をこすらない
赤みが引いた後、肌のザラツキが気になると思いますが、自然に剥がれるまでは無理に剥がさないようにして下さい。ザラツキの下で新しい肌が出来てきています、無理に剥がしてもしっかりした肌が出来ていない状態です。
3-3.日焼けしない
レーザーによって肌がダメージを受けた状態になっています。処置後1か月間は必ず日焼け止めを使用するようにしましょう。この時期に日焼けすると、将来的なシミやシワのリスクが上がります。
3-4.保湿する
レーザー後は非常に乾燥した状態になります。しっかり保湿してあげましょう。
4.レーザー治療のリスクや副作用
ダウンタイムと言って、赤みが数日間出たり、肌がざらざらしている期間が7-10日程あることは前述しました。
それ以外のリスクとして、頻度は多くありませんが、かなり大きな腫れが出たり、色素沈着と言ってシミのような色が残る可能性があります。
5.レーザーの種類と選び方
フラクショナルレーザーには色々な種類の製品があって非常に分りにくく、どれを選べばいいのか迷ってしまうと思いますが、一番重要なのは機械の種類ではなく適切なパワーで治療する事です。
フラクショナルレーザーを調べると色々な機械の名前が出て来て、どれがいいのか分らなくなります。しかも、どこを読んでも宣伝しているレーザーの良い点しか書いていません。しかし、実際には機械の種類によって、効果やリスクに大きな違いはありません。
重要な事は、合併症を起こさない程度で、ニキビ跡が改善する、適切なパワーでレーザーを使いことが一番重要です。弱すぎるとそもそも効果が出ませんし、強すぎると赤みが長引いたり、消えなかったりします。そのため、各クリニックで使用している機種で適切なパワーを見極めている事が重要になります。
ちなみに、厳密にはフラクショナルレーザーは大きく2つに分かれます。凝固型と蒸散型と言うものです。
凝固型:フラクショナルレーザーは肌に穴を開けると言われますが、正確には凝固型の場合は穴は空きません。レーザーが当たって熱の力で皮膚が凝固します。このタイプの機種は「フラクセル」「アファーム」「モザイク」「ラックス」と言うものがあります。
蒸散型:初めに説明したように、皮膚に穴を開けて治療をします。このタイプには「パールフラクショナル」「ピクセル」「フラクショナルCO2レーザー(エコツーやアンコアなど)」と言うものがあります。
蒸散型は肌を削りますので理論上は強力です。そのため、より強い作用を必要とするニキビ跡には向いているかもしれません。しかし、目で見て違いがわかるほどのものではありません。(凝固型のフラクセルより蒸散型のフラクショナルCO2レーザーの方が効果が良かった言う文献もありますが、実際に使用しているパワー設定によっても効果が大きく変わるので、正確にどの機種が良いと言うことを比較するのは困難です。)
6.レーザーの効果をより高めるための3つの方法
6-1.定期的に通い、トータル4回以上は行う
フラクショナルレーザーは1回では目に見えた効果は出ません。続けて行う事で徐々に効果が出てきます。やると決めたら、1-2カ月に1回のペースで通うようにしましょう。4回ほどやって効果が見えてくると思います。
6-2.クリニックは変えない
フラクショナルレーザーで効果を出すためには適切なパワーで照射する事が重要です。しかし、どこのクリニックでも安全のため、いきなり強いパワーで照射することはありません。徐々にパワーを上げていきます。
ですので、毎回お試しで安いからとクリニックを変えていると、結局はお試しのパワーでしかやっていないので、あまり効果を感じないと言う事になります。
6-3.適切なパワーで処置する
ニキビ跡が改善するようなパワーで行わなければ効果はありません。適切なパワーとは合併症が起こらず、ニキビ跡が徐々に良くなるレベルです。前回の処置後の経過がどうだったのか、効果の実感はどうなのかを毎回聞いてくれてパワーを設定してくれるクリニックがいいでしょう。
しかし、いきなり強いパワーで照射する事はなく、徐々に的なポイントを目指してレーザーの設定を変えていくのが通常です。これはいきなりパワーを上げて思わぬ合併症を起こさないためです。
7.レーザー治療以外のニキビの治し方と比較
ニキビ跡に関して、可能な限り強いレーザーを副作用なく照射できると言う点でフラクショナルレーザーが一番効果的ですが、その他にも治療法があります。それぞれご説明します。
7-1.ピーリング
ピーリングとは、特殊なお薬を肌に塗る事により、肌の浅い部分を剥がして新しい肌にしようとする治療方法です。肌のザラツキやくすみ、赤いニキビなどに効果があります。ピーリングには種類がありますが、肌への負担を考えると、肌の弱い日本人には、あまり深い部分まで効果のあるピーリング剤は使えません。ニキビ跡(クレータ)に関してはフラクショナルレーザーに劣ります。
フラクショナルレーザーであれば、肌全体的にレーザーが当たらないので、一つ一つのレーザーは深くまで強く当てれるという事です。ピーリングはダウンタイムの短く費用も安いですが、効果としては小さいです。
7-2.CO2レーザー
フラクショナルレーザにも使われますが、フラクショナルシステムを使わない単一のCO2レーザーと言うものがあります。1本のレーザー光線が出てくるのですが、これでニキビ跡のフチを削っていく事によって目立ちにくくすると言う方法です。
効果は良いのですが、ダウンタイム(赤みや処置したところに色が残る)が長引きやすく、ニキビ跡一つ一つ行わないといけないと言う手間もあります。逆に、全体的なニキビ跡ではなく、1個2個気になる場合は、CO2レーザーが安く付きますしお勧めです。1個1回につき1万円位です。
7-3.ダーマローラー
生け花に使う剣山のような機械を顔に当てていきます。無数に短い針を顔に刺していく治療です。フラクショナルレーザーが出現するまでは比較的有名な治療でしたが、フラクショナルレーザーが出現してからは、あまり優位性がなく下火です。
デメリットとして、人手が必要で手間がかかる、痛みがあるなどがあります。
7-4.光治療(フォトフェイシャルなど)
光治療は色に吸収される光を照射してシミを薄くする事に使われます。残念ながらニキビ跡に効果はありません。しかし、ニキビやニキビの赤みには効果があります。1回2-3万円程度です。
7-5.フラクショナルレーザとの比較表
8.まとめ
現在、ニキビのレーザーと言えばフラクショナルレーザーでニキビ跡を治療するのが主流です。ニキビ跡が気になっている場合は、このレーザーを根気よく続けるのがいいと思います。