ついつい顎に力を入れてしまってシワが気になったり、年齢とともに顎に梅干しのようなシワが出てきたりしますよね。
実はボトックス注射で簡単にこの症状を解消出来るのです。しかし、聞いたこともないお薬をいきなり使用するのも戸惑うと思います。この記事では、ボトックス注射を顎に打つ場合の効果やリスク、失敗について詳しく解説します。
読み終えた時には、顎のボトックス注射について正しい知識が身に付き、ボトックス注射をするかどうかの判断が出来るようになっている事でしょう。
また、顎が出ていて嫌だ、顎が割れていて嫌だ、と言うような場合の対処法もお伝えします。是非、この記事を読んでお悩みを解消してください。
１．ボトックス注射とは
ボトックス注射は注射した場所の筋肉の動きを止めてしわを取ったり、汗を抑えたりする事が出来ます。
１－１．顎のボトックスの仕組み
顎にボトックスを注射するとその場所の筋肉の動きが止まります。動きが止まった筋肉はゆるんで伸びるので、いつも顎にしわを寄せるクセのある人や、加齢であごにしわが寄っている人のシワが改善します。
１－２．顎ボトックスの効果と持続期間
顎ボトックスを打つと以下の写真のようになります。両方とも顎に力を入れた状態ですが、シワが改善しているのが分ります。
注射後数日で効果が出てきますが、ボトックスの効果はずっと続くわけではありません。４カ月程度が目安です。効果が切れてきたときに再び注射する必要があります。しかし、早めに切れたように感じ出ても、3ヶ月は期間を空けて打つようにしましょう。
年齢とともに顎のしわが気になってきている場合は、顎の骨自体が徐々に小さくなってきていることもあります。昔に比べて顎がシャープではなくなってきたと言う時には、ヒアルロン酸注射と併用するとよりキレイになります。
ボトックス注射を続けていると、だんだんと効果が出なくなる場合があります。効かなくなってくることがあります。この場合、対処方法が難しいのですが、半年～1年ほど期間を空けて注射したり、お薬の種類を変えて注射する事によって再び効果が出る事があります。
１－３．ボトックスの種類と値段
実はボトックスには種類がありそれによって値段が変わります。
ボトックスの種類
ボトックスと言うのはアメリカのアラガン社が作ったもの になりますが、ジェネリック医薬品として色々な会社が他にも作っています。その場合は名前が変わってきます。
イギリス製のものは「ディスポート」韓国製のものは「リジェノックス」や「ニューロノックス」と言うものがあります。
ボトックスの値段
顎のボトックスの値段は、アメリカ製で約３万円、韓国製だと約1.2万円です。ボトックスはアメリカ製かそれ以外なのかによって値段が違ってきます。アメリカ製の「ボトックス」と最も安い韓国製の「リジェノックス」や「ニューロノックス」の値段を調べました。
両方とも20個のクリニックから調べました。アラガン社の「ボトックス」は9,500円～54,000円で平均は29,800円で、韓国製のものは3,500円～30,000円で平均12,500円でした。
ボトックスの値段は、ほとんどのクリニックで１か所○○円と言うことが多いです。上記は顎の値段ですが、眉間や目尻などもほぼ同じ値段です。
２．ボトックスの副作用と失敗
ボトックスはお薬なので、副作用のリスクがあったり、失敗があったりすることがあります。しかし、両方とも頻度は低いです。
２－１．痛みがある（必ず）
注射の時に痛みがあり、避けれません。注射をする痛みはそれ程ではありませんが、ボトックスが体内へ入って来る時の痛みが他の注射に比べて強いです。
２－２．内出血が出る事がある（数％）
注射した場所に内出血（青アザ）が出る事があります。注射した針がたまたま血管に当たってしまうと内出血になります。
２－３．頭痛が出る事がる（0.5％程度）
ボトックス注射後に頭痛が起きることがあると言われます。5％程度とも言われますが顎のボトックス注射の場合はもっと頻度が少ないと感じています。
２－４．喋りにくくなる（ごく稀）
顎のしわを全体的に取ろうとして、ボトックス注射広めに打った場合に出る事がりますが、頻度はごく稀です。唇が動きにくくなるので、喋るのに不自由します。ボトックスの効果がなくなると共に解消されますが、3－4か月不便なままになってしまいます。これを即座に解消する確実な方法はありません。
３．顎ボトックスで失敗しないためのポイント
顎のボトックスでは失敗と言うのはほとんど起こりません。稀に広い範囲に注射し過ぎて唇の動きが悪くなる場合と、ボトックスの効き目が段々無くなってくる事です。
３－１．欲張って広範囲に注射しない
顎のボトックス注射は顎の梅干じわを消すために注射します。ですので、欲張って広範囲に打たない方が無難です。広範囲に注射すると、唇の動きが悪くなる可能性が高まります。
３－２．注射の間隔をしっかり空ける事と種類を選ぶ事
ボトックス注射を続けているとだんだんと効果が出なくなることがあります。これはボトックスの種類によっても違ってくると言われます。ボトックスにはアメリカ製の「ボトックス」イギリス製の「ディスポート」、韓国製の「リジェノックス」や「ニューロノックス」、ドイツ製の「ゼオミン」などがあります。
効きにくくなるリスクが低いのはドイツ製のゼオミンが一番で、次にアメリカ製のボトックスと言われています。
また、頻回に注射を繰り返すと効きにくくなるとも言われます。同じ場所のボトックス注射は３か月位以上は空けて注射するようにしましょう。
４．ボトックスの選び方とコスト
ボトックスとは正確にはアメリカ製のものを指しますが、ジェネリック医薬品としてイギリス製の「ディスポート」、韓国製の「リジェノックス」「ニューロノックス」ドイツ製の「ゼオミン」があります。
これらを全ての製品同士を比較してデータにする事は困難でそのような論文もありません。適正量も薬によって違うので、効果や持続期間、効きにくくなりにくさ、ランニングコストなどを正確には検討できていないのです。
情報としては以下のような報告があります。
「アラガン社のボトックス（20単位）とイギリス製のディスポート（50単位）を比べた結果、4か月目の時点でアラガン社のボトックスの方が効果の持続が良かった」
「アラガン社のボトックスの方が含まれるたんぱく質が少なく効きにくくなりにくい可能性がある（抗体ができにくい可能性がある）」
また、アラガン社のボトックスは品質管理が行き届いており、お薬を使用した後にど れ位の副作用が起きたかなどの調査を入念に行い国に報告しています。ですので、日本の厚生省にも認可されています。特に眉間と目尻に使用する事に関しては 認可が取れています。品質管理や省庁への届け出など費用がかかりますし、どうしても値段が高くなってしまいます。
ただし、アラガン社のものでも、その他のものでも、効果はそれ程は変わりません。アラガン社のボトックスにこだわらなくても大丈夫です。ご心配な方はアラガン社のものを使用すればいいと思います。
ドイツ製の「ゼオミン」と言う種類のものもあります。ボトックスは何回も繰り返し行う事で効かなくなってくることがあるのですが、ゼオミンは効きにくくなる可能性が少ないと言われています。
以上、分る範囲でこれらを比較しているのが下の表です。
韓国製品の安さが際立ちます。安く続けたいのであれば韓国製がいいと思います。デメリットとして、効果にムラのある可能性、効きが弱くなってくる可能性があります。
アメリカ製のボトックスは日本の厚生省の認可も取れていますので、安心して使用できます。効果や品質も安定しています。
効きにくくなる可能性を少しでも抑えたい方はゼオミンです。日本の認可はありませんが、製品自体もドイツの大きなメーカーが作っており安心できます。
５．ボトックスでは解消しない顎の悩とそれぞれの対処法
顎のボトックスはしわを消すために注射するものですが、他の要望でボトックスを希望される方がいます。しかし、ボトックスでは解消しないのが以下のような症状です。
- 小顔にしたい
- しゃくれているのを治したい
- 顎が割れているのを治したい
これらは、ボトックス注射では改善しません。対処法としては以下のような方法があります。
５－１．小顔にしたい場合はエラのボトックスか骨切り手術
顎を小さくして小顔にしたい場合は、顎の骨を切って治療します。また、顎ではありませんが、エラにボトックスを注射すれば小顔にする事が出来ます。エラのボトックスについては「エラボトックスで小顔になるために必ず読んでおくべき知識」をお読みください。エラのボトックスの効果や費用など詳しくご理解いただけます。
５－２．しゃくれているのを治したい
この場合も、骨を切る手術が必要になります。歯の噛み合わせに問題がある場合は矯正治療も必要になる事がります。
５－３．割れているのを治したい
これはボトックス注射ではなくヒアルロン酸注射やレディエッセと言う注射が向いています。効果はボトックスより少し長く６カ月程度です。ヒアルロン酸について詳しく知りたい方は「シャープな顎をヒアルロン酸で手に入れる/効果と注意点」をお読みください。
６．まとめ
顎のボトックス注射に関してお分かりいただけたでしょうか？顎のしわを気にしている方には、手軽でリスクも少なく非常にいい方法です。注射はちょっと痛いですが、すぐに終わりますので是非チャレンジしてみて下さい。
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