目元は皮膚が薄く、非常に年齢が出やすい部位です。
そのため、目元のハリ、まぶたのたるみ、目周りの小じわの改善など、目元の若返り治療に興味を持っているという方は多いですよね。
しかし、手術や注射の処置には抵抗がある方や、腫れや内出血が出ない方法を希望の方もいるでしょう。
「サーマクールアイ」は、まぶたにラジオ波(高周波)を当てることで、お肌を引き締めてたるみを改善するという治療法です。短時間で行えて、腫れや内出血などのダウンタイムがないので、お手軽な若返り治療のひとつとして人気があります。
そこで、今回は、サーマクールアイの効果やリスク、実際の処置方法をご説明いたします。
また、サーマクールアイ以外で、まぶたのたるみを改善する治療法もご紹介しますので、まぶたのたるみでお悩みの方は、ぜひこのページをご覧下さい。
目次
1.サーマクールアイとは
サーマクールアイとは顔のたるみレーザーで有名なサーマクールのまぶた用の機械です。上まぶたと下まぶたの両方ともに照射することが出来ます。
サーマクール自体はラジオ波(高周波)で皮膚に熱を与えてお肌を引き締める機械ですので、サーマクールアイはまぶたに照射して、たるみを引き締める事が目的になります。
サーマクールの原理
モノポーラー式高周波と言うものになります。背中に対極板と言うものを貼り、機械からその対極板に向けて高周波が出ます。
ただ単に高周波を出すと、皮膚が一番熱くなり火傷になりますので、皮膚に接触している部分には冷却装置が付いて冷えるようになっているのです。
2.サーマクールアイの効果
海外の文献では上まぶたで80%以上の人に何らかの効果が見られ、下まぶたでは70%前後の人に効果が認められたとしています。
参考文献:Shrinking upper and lower eyelid skin with a novel radiofrequency tip. Carruthers J, Carruthers A. Dermatol Surg. 2007 Jul;33(7):802-9
Monopolar radiofrequency treatment of human eyelids: a prospective, multicenter, efficacy trial. Biesman BS, Baker SS, Carruthers J, Silva HL, Holloman EL. Lasers Surg Med. 2006 Dec;38(10):890-8.
しかし、日本人の場合皮膚も分厚くここまでの効果が出ない可能性が高いと私は思っています。
効果の持続
1年に1回程度の処置が推奨されています。しかし、1回行った効果と言うのは基本的にはずっと続きます。その理由はサーマークルアイは皮膚の中を一気に60度程度に熱して焼いてしまうからです。焼かれてしまった組織は引き締まったまま元には戻りませんが、老化も止まる訳ではないのでたるみはどうしても出ては来てしまいます。
サーマクールアイやサーマクールの個人的なお勧め度
サーマクールアイやサーマクールは個人的にはお勧めです!ただし、機械の値段や使い捨てのチップの代金も高いので、料金が高いのが難点です。
今まで何度もサーマクールアイの処置を直接行ってきましたが、評判はいいと思います。内出血や腫れなどのダウンタイムもなく行えます。手術の様に手術前後で写真にとって分るほどの効果はなかなか出ませんが、「まぶたが軽くなった」と言って喜ばれる方が多く、一番頂く事の多い感想です。
見た目をしっかりと変化させたい方には切る手術をお勧めしますが、「手術したくない」「切りたくない」「手軽に行いたい」「少しでも変わりたい」と言う方には向いています。
3.サーマクールアイの処置の手順
まずはクリニックでカウンセリングを行い、処置をするかどうかを決定します。上まぶただけ、下まぶただけ、両方行うのかなどを決めます。
- 洗顔をしてメイクを洗い流します。
- 大きめのコンタクトレンズを入れるので、点眼の麻酔をします。
- 処置前にまぶたにコンタクトレンズを入れますが、大きいので入りにくい方もいます。コンタクトレンズが入っている間は異物感がありますが、目をつぶっていれば支障ありません。
- 照射になります。少し厚い~痛い程度で行っていきます。我慢はせずに医師に感じた状態を伝えましょう。それによってパワーを調節してくれます。
- 施術後はコンタクトレンズを外して終わりです。メイクも直後から可能です。
4.施術中・施術後に気を付ける事
施術中に気を付ける事
サーマクールは少し熱い程度のパワーで行っていくのが良いとされています。施術中に医師から「熱いですか?」とか「痛みはどうですか?」と聞かれた場合は正直に答えましょう。我慢してパワーを上げたりすると、やけどの原因になります。
施術後に気を付ける事
処置後に赤みやむくみが出る事がありますが心配いりません。通常半日で引きます。まれに長引く方もいます。
火傷が一番のリスクになります。翌日にかさぶたの様なものが出来ていたら、処置を行ったクリニックに相談しましょう。
5.サーマクールアイのリスクと失敗
5-1.火傷することがある
ごく稀(0.1%以下)ですが、火傷することがあります。処置中に痛みや熱さを我慢しすぎない事が重要です。
火傷した場合は翌日にかさぶたの様なものが出来ますので、処置を行ってクリニックに相談しましょう。基本的にはかさぶた程度で、跡もなく治る場合がほとんどです。
5-2.変化がないことがある
サーマクールアイは見た目の変化に乏しい治療です。大きな期待は禁物で、手術の様な効果は出ません。
6.サーマクールアイの費用とショット数
サーマクールアイのチップは1個225発です。225発と言うのは、「ピッ、ピッ」とレーザーを当てるのが225回出来るという事です。これを左右の上下まぶたに4か所に分けて行う事も出来ますし、左右の上まぶたのみなども可能です。
個人的には、225発(1個)であれば上か下のまぶたに絞って行った方が効果が出ると経験上からは考えます。左右の上下まぶたに行う場合は225発×2個をお勧めします。
225発の費用を11個のクリニックから調べました。最安値は80,000円、最高値は270,000円で、平均は158,170円でした。
クリニック選びの際に気を付ける事
サーマクールアイやサーマクールの照射用のチップは使い捨てになっています。このチップはかなり高額なので、アジア製の商品で正規品の代用をしたり、チップについているカウンターをリセットしたりして使いまわしているクリニックが存在します。
アジア製のものに関して、その品質は分りかねます。しっかりパワーが出ているのか、正規品と変わりないのかは残念ながら分りません。
カウンターをリセットして使いまわした場合は、チップが劣化していきます。チップ先端のフィルターに穴でも開いてしまうとやけどの原因になります。
上記のように正規品を使用していないと、サーマクールの正規代理店のフォローも受けられなくなる場合もあり、メンテナンスが行き届いているか分りません。安い値段でサーマクールアイやサーマクールを行っているクリニックではそのようなところもあります。
聞いても教えてくれないでしょうから、処置前に実際にサーマークルのパッケージから新品を取り出しているかで判断するしかありません。
ですので、値段だけで分る訳ではありませんが、極端に安いクリニックを選ぶのは避けた方が無難です。
2017/2/16の記事でサーマクールの不正使用のニュースが出ており、やけど被害が出ているとして厚労省から使用中止が呼びかけられています。(毎日新聞)
7.サーマクールアイ以外でまぶたのたるみを解消する方法
他の高周波の機械でまぶたのたるみを解消する方法
以前はサーマクールアイのみがまぶたの引き締めが出来る唯一の機械でしたが、最近はまぶたにも照射できる高周波機器が出てきました。エンディメッドプロなどは小さなハンドピースでまぶたにも照射可能ですが、サーマクールの様にコンタクトレンズを入れて行う訳ではなく、まぶたの”きわ”までは出来ず、眉毛からまぶたの中央部位までしか出来ません。
サーマクールよりは費用的にも安く顔と合わせて出来る場合が多いので、顔とまぶたと両方のたるみ治療を行いたい場合は 良い方法だと思います。
切る手術でまぶたのたるみを解消する方法
「まぶたの皮膚を切ってたるみを解消する方法」と「眉毛の下の皮膚を切ってたるみを解消する方法」の2通りがあります。切る方法では見た目をしっかり変化させてあげることが出来ますが、内出血や抜糸までの期間は糸が付いていたりと不便なこともあります。
サーマクールアイを考えている人でも切ってしっかり効果を出したい方は「まぶたのたるみとり:眉下切開の特徴と向いている人とは」をお読みいただければ、切るまぶたのたるみとりに関して十分にご理解いただけると思います。
二重まぶた埋没法でたるみを解消する方法
糸でまぶたの皮膚を留めて二重まぶたにする埋没法と言う方法でたるみの見た目を解消することが出来ます。正確にいえば、たるみによって幅が小さくなってきた二重まぶたの幅を広く作り直す方法です。
二重まぶたがパッチリすると、自然とたるみも解消したように見えます。糸をまぶたに埋め込むだけですので、傷も作らずに行う事ができます。内出血や腫れは出る事があります。
埋没法に関してより詳しく知りたい方は「二重埋没法を受ける前に必ず読んでおくべき埋没法のすべて」をお読みいただければ、埋没法に関してすべての知識が手に入ります。
8.まとめ
いかがでしたか?レーザー系の中でまぶたのたるみには一番強い効果を出すと考えられます。費用的には少し高いかも知れませんが、手術が嫌だけれども瞼のたるみを何とかしたい方は一度施術を考えてみてもいいと思います。