医療脱毛ではヤグレーザーというレーザーが使われることがあります。
医療脱毛の代表的なレーザーはアレキサンドライトレーザーとダイオードレーザーですが、ちょっと変わった特徴を持ったヤグレーザーが医療脱毛で重宝される場合があります。
アレキサンドライトレーザーやダイオードレーザーはメインの脱毛レーザーですが、これらを漫然と使い続けてもなかなか脱毛が完了しなかったり、リスクが高い方もいらっしゃいます。
そこで、このページでは、どのような時にヤグレーザーを使えば効率的な脱毛が可能か、どの様な人にヤグレーザーが向いているのかを解説いたします。これを知っておけば、無駄なく医師と相談しながら脱毛が完了するでしょう。
目次
ヤグレーザーとは
ヤグレーザーとはレーザーの中の一つの種類で、1064nmの波長を持ち美容医療の現場では脱毛や若返りの手段として用いられます。
脱毛に使用されるレーザーには「アレキサンドライトレーザー」「ダイオードレーザー」「ヤグレーザー」があり、これらのレーザーは体の中の色に反応して脱毛効果をだします。
出典:ルートロニック社患者説明用資料改
上の図のように、ヤグレーザーの特徴は755nmのアレキサンドライトレーザーや810nmのダイオードレーザーに比べて黒色(メラニン)に反応しにくいという点です。また、皮膚の奥の方までレーザーが届いてくれるという特徴があります。
他の脱毛レーザーより黒色(メラニン)に反応しにくいので色の黒い人にもかなり安全に施術できます。また、レーザーが奥まで届くため根元が深い毛にも有効です。
ヤグレーザーの脱毛が向いている人
ヤグレーザーの脱毛はそのレーザー特性から以下のような方に向いています。
肌の色の黒い方
肌の色が黒いとレーザーが毛ではなくお肌の色に反応してしまい、火傷する恐れがあります。ヤグレーザーは肌の色が黒くても安全に施術できることがメリットです。
どれ位の色の濃さであればヤグレーザーの方が良いかというのは難しい問題です。明確な線引きはありませんが、色が黒いほど、他のアレキサンドライトレーザーなどはリスクが上がります。
男性のヒゲ脱毛
男性のヒゲ、特にあご周りや口周りの毛は非常に脱毛が難しい毛です。理由は毛の生えている部分が皮膚の深い部分にあり、ヤグレーザー以外でしっかりレーザーの力を届けようとすると火傷などのリスクが上がってしまいます。しかし、ヤグレーザーは皮膚の奥の方までレーザーが届いてくれるという特徴があるため、ヒゲ脱毛に向いているのです。
“男性のヒゲ脱毛のポイント”
男性のヒゲのレーザー脱毛は痛みを伴います。中でもヤグレーザーは強い痛みを伴いますので、初めにアレキサンドライトレーザーやダイオードレーザーで毛を薄くしておいてから、抜けにくい毛に対してヤグレーザーを使うのがオススメです。
また、痛みに関しては麻酔クリームを使用した方が痛みを抑えれますので、不安な人は使って下さい。
ヤグレーザー:ヒゲ脱毛の効果
私はアレキサンドライトレーザーで15回以上ヒゲ脱毛を行いました。
やはり口周りのヒゲは頑固でなかなか薄くなってくれませんでした。もともとヒゲが濃い訳ではないので、もみあげの毛やあご下の毛は5-6回で無くなりましたが、15回以上行った今でもアゴにはまだ毛が残っています。
ヤグレーザーを1回照射したところ、以下のような写真になりました。(髭剃りせずに10日間の写真)
アレキサンドライトレーザーを15回以上行っても残っていたヒゲが、ヤグレーザー1回で結構減ったのが分りますね。
ヤグレーザーの痛み
痛みは人によって感じ方が異なり、毛の濃さによっても変わってくるので、表現が難しいですが、一般的にヤグレーザーは他のレーザー照射と比較して痛いと思ってください。
また、下の表も参考にしてみてください。
アレキサンドライトレーザー | ダイオードレーザー | ヤグレーザー(髭に最適) | |
効果 | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ 口周り・顎の髭には最適 |
痛みの少なさ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ |
深い毛への効果(ヒゲなど) | ☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ |
痛みの程度は機種による痛み対策や設定パワー、照射する速度によっても変わってきます。また効果も設定パワーによって変わりますので、参考として考えて下さい。
ヤグレーザー脱毛のデメリット
ヤグレーザーは1回1回の脱毛効果はアレキサンドライトレーザーやダイオードレーザーに劣ります。ですので、肌の色の黒い方以外はまず、アレキサンドライトレーザーやダイオードレーザーで医療脱毛を始めてみるのが良いでしょう。
また、他のレーザーに比べると痛みが強いのが欠点です。
痛みはなかなかなくすことは出来ませんが、麻酔クリームを塗って処置することにより痛みをある程度抑える事が出来ます。特に男性のヒゲは痛いので麻酔クリームを使用することをお勧めします。
ヤグレーザーを受けるべき状態
脱毛の基本はアレキサンドライトレーザーやダイオードレーザーになります。しかし、アレキサンドライトレーザーやダイオードレーザーでなかなか抜けない毛にはヤグレーザーを試してみるのが良いと思います。
ですので、いきなりヤグレーザーで医療脱毛を始めると言うのはあまりありませんが、アレキサンドライトレーザーやダイオードレーザーでもなかなか完了しない場合はヤグレーザーを考慮してみましょう。(ヤグレーザーを受けたからと言って軟毛が全然生えてこない状態になる訳ではありません)
また、色の黒い方は火傷のリスクがあるのでヤグレーザーを受けた方が安全に施術が可能です。
ヤグレーザー脱毛が受けられるところとは
ヤグレーザーによる脱毛が受けれるのは病院・クリニックです。医療脱毛ですのでエステサロンでは受ける事が出来ません。
しかし、どこのクリニックでもヤグレーザー脱毛を行っている訳ではなく、機器を置いていないところもあります。電話やメールで問い合わせて聞くのが早いのですが、ヤグレーザーによる脱毛ができる機械を一部紹介いたしますので、これらの機器を置いているところは施術が可能だと思います。
各機種の違いは、痛み対策でクーリング装置の違いなどがあります。しかし、ヤグレーザーと言えば一つですので、基本的にはどのヤグレーザーの機種を選んでも効果に大きな差はありません。
GENTLE YAG(ジェントルヤグ)・GENTLE MAX(ジェントルマックス)シリーズ
シネロンキャンデラ社と言うところが出している機械です。日本ではこのジェントルシリーズが一番多く使われていると思います。
出典:シネロンキャンデラ社HP
クラリティ
韓国のルートロニックというメーカーが出しているレーザーです。アレキサンドライトレーザーとヤグレーザーの両方を備えております。
出典:ルートロニック社HP
エリートシリーズ
アメリカのサイノシュアというメーカーが出している機械です。これもアレキサンドライトレーザーとヤグレーザーの両方を備えています。
出典:サイノシュア社HP
ヤグレーザーの費用
ヤグレーザーだからと言って、通常の医療脱毛レーザーよりも高くなったり安くなったりするクリニックはほとんど見かけません。
例えば男性のヒゲ脱毛では以下のような相場感です。
部位 | 5回平均 | 安値 | 高値 |
口ひげ+アゴ+あご下 | 78,960円 | 34,800円 | 180,000円 |
ホホ(もみあげ) | 54,880円 | 35,000円 | 90,000円 |
髭全体 | 111,071円 | 63,200円 | 200,000円 |
*メンズ脱毛を行っている10個のクリニックから算出しました
まとめ
お分かりいただけたでしょうか?
当院では、アレキサンドライトレーザーの脱毛を基本としながら、最後の方は毛が薄くなって痛みも減りますから、アレキサンドライトレーザーで反応しにくかった毛に対して、ヤグレーザーを使用しています。
ヤグレーザーの欠点は、痛みが強いことですが、痛みが強いようであれば医師と相談して麻酔クリームを使用するなど対策を練りながら、使用するのが良いと思います。