加齢とともに段々目立ってきてしまう「ほうれい線」。どうすればほうれい線が消えるのか、その方法をお探しではありませんか?
ネットや雑誌では数多くの方法が紹介されていますが、医師の視点から見ると、その中には効果のない方法もたくさんあります。
実は、自力で完全にほうれい線を消すことは、残念ながらできません。しかし、ほうれい線を目立ちにくくするための方法や、日常生活の中でほうれい線を進行させないための予防策はきちんとあります。
このページでは現役の美容外科医が、本当に効果のありそうな、ほうれい線を改善・予防するための方法をご紹介していきます。
また、確実にほうれい線を消すためには美容医療の力が必要ですので、美容クリニックでできるほうれい線の治療法もご紹介します。
このページを読めば、現在あなたがお悩みのほうれい線のケア方法が必ずお分かり頂けます。
まずは、今日から始められることから実践してみてはいかがでしょうか。
目次
1.ほうれい線を消すための4つの方法
ほうれい線を消す方法としては、エクササイズ、マッサージ、美容液、美容クリニックへ行くなど色々な方法があります。それぞれの方法は求める効果や予算など向き不向きがあります。
もちろん美容クリニックへ行った方が効果は確実ですが、費用がかかる、ちょっと怖い、そこまでは考えてない、などあると思います。そこで、エクササイズやマッサージなど自分で出来る方法を医師の目線から少しでも効果のありそうなものをご紹介していきます。
また、美容クリニックで行う方法に関しては4章で詳しく解説します。
1-2.ほうれい線の原因を知ってから対応する
ほうれい線が出来る原因は完全には解明されていなかったり、細かくは諸説あります。しかし、簡単には以下の4つが主な原因です。
- ほうれい線の上のボリュームの増加
これは頬のお肉が垂れてくるだけが原因ではありません。頬のお肉は年齢とともに減って来て、ほうれい線のお肉は増えてくるので、より垂れてくるように見えるのです。
⇒むくみをとるマッサージ、脂肪溶解注射や脂肪吸引を美容クリニックで行う
- ほうれい線の下(くちびる側)のお肉や骨の減少
ほうれい線の上はお肉が増えてきますが、逆に下側は減ってきます。また、骨も年齢とともに減ってくるのです。これによって、余計に段差が目立ちます。
⇒美容クリニックでヒアルロン酸注射などを行う
- 筋肉からほうれい線についている靭帯で境目に見える
ほうれい線には筋肉から伸びるスジのようなものがあり、強力にくっついています。このスジによって上と下で段差に見えます。
⇒エクササイズで筋肉を緩める、美容クリニックでボトックス注射をする
- 肌の老化や乾燥
ほうれい線に限らず、肌は老化してきます。水分量も減少してシワが目立ちやすくなってきます。
⇒美容液や化粧水で肌に潤いを保つ、美容クリニックでレーザー治療をする
2.ほうれい線を消すお勧めのエクササイズ
実は、ほうれい線を消したり、解消したりする有効な方法は現在認められていません。(ほうれい線のみではなく若返りとして一部、主観的な評価のみで行われたエクササイズの実験で若返りに有効であったとするものはあるようです)
参考文献:・Facial exercises for facial rejuvenation: a control group study. De Vos MC, Van den Brande H, Boone B, Van Borsel J. Folia Phoniatr Logop. 2013;65(3):117-22.
・The effectiveness of facial exercises for facial rejuvenation: a systematic review. Van Borsel J1, De Vos MC, Bastiaansen K, Welvaert J, Lambert J. Aesthet Surg J. 2014 Jan 1;34(1):22-7.
しかし、ほうれい線を作っている上唇鼻翼挙筋(じょうしんびよくきょきん)にボトックスと言う筋肉を弱める注射を打つと、ほうれい線が目立ちにくくなることがあります。
これは、上唇鼻翼挙筋(じょうしんびよくきょきん)がゆるくなり伸びる事でほうれい線が薄くなると考える事が出来ます。また、筋肉が伸びる事で皮膚も伸ばされるれ、ほうれい線が薄く見えます。
ですので、これをエクササイズに応用したものは自分でタダで出来るので、試してみる価値があると思います。上唇鼻翼挙筋と言う筋肉を伸ばして緊張をほぐすエクササイズです。
2-1.ベロ回しのエクササイズ
ベロ回しエクササイズで、ほうれい線の原因となる筋肉(上唇鼻翼挙筋:じょうしんびよくきょきん)をストレッチする事が出来ます。ほうれい線を薄くしたい場合は、ほうれい線のやや外側を舌でぐっと中から押すように上下させます。
1日1回行えばいいと思います。
2-2.ペットボトルを使ったエクササイズ
ペットボトルを咥える方法です。ほうれい線を調べると、時々出てきますね。
500mlのからのペットボトルに100mlほどお水を入れて、唇だけで持ち上げます(歯で噛まないように)。10秒を1セットとして3回繰り返します。これを1日1回行います。
この時、唇の真ん中で持ち上げると言うよりは、唇の横側で持ち上げるように意識してください。上唇鼻翼挙筋は唇の横に付いています。唇から小鼻の所が伸ばされる感覚があればOKです。
3.ほうれい線を消すためのマッサージ方法
ほうれい線のボリュームを減らす方法です。
ほうれい線へのむくみが非常に多いと言うのは考えにくいので、効果は少ないと思いますが手軽に出来るので試してみてはいかがでしょうか?顔の注射では内出血が出た場合はほうれい線付近へ内出血が溜まりやすいので、水分も多少は溜まりやすいの可能性があります。
リンパマッサージと言うものがありますが、リンパはほうれい線から顔の外側に流れて行きます。外側やや下方向です。ですので、その方向に押し流してあげるのが正しい方法でしょう。
朝起きた時と日中、寝る前に1日3回位から始めてみてはいかがでしょう。
4.ほうれい線を消す美容液
ほうれい線を消す美容液には、ほうれい線への特別な効果と言うのはないと考えた方がいいでしょう。美容液の成分はほとんどが皮膚の中には入っていきません。ですので、表面を保湿する程度の効果しかありません。
コラーゲンを増やしてハリを出したり、リフトアップする効果はありません。日常のケアとして、保湿としてご自分が使用しているものをそのまま使用すればいいと思います。
しかし、乾燥は肌に良くないですので、何らかの化粧水や保湿液は必ず使用しましょう。
5.美容クリニックで行うほうれい線を消す方法
美容クリニックで処置を行うのが、ほうれい線を消すうえで、最も手っ取り早いです。色々な方法があります。
- レーザーでお肌を引き締める処置
肌の老化に対する処置です。肌を引き締めて、ほうれい線を目立たなくします。これだけでほうれい線が消える訳ではありませんが、肌の引き締めには効果的です。
強いものに、サーマクールやウルセラと言うものがあります。1年に1回行う程度のものです(数年に1回でもいいくらいです)。その他、毎月や数か月に1回のケアとして行うテノール、エクシリスなどがあります。
費用は必要ですが、美容クリニックの処置の中でも手軽に行えて、ほうれい線以外にも効くので人気があります。
一度で効果の大きいサーマクールに関しては「サーマクールの正しい知識。効果とリスク,値段の相場」をお読みください。サーマクールの効果や仕組み、費用などが分ります。
毎月行って効果を出すものとしてエクシリスと言うものがあります。「エクシリスによる顔のたるみ改善と痩身効果の正しい知識」を読んで頂けると効果や費用など詳しくご理解いただけます。
- ヒアルロン酸注射でシワを目立たなくする処置
ほうれい線の下のボリュームを補く処置です。ヒアルロン酸とは人体にもある成分を人工的に作ったものになり、安全性も高いです。(6カ月ほどで、身体に吸収されていきます)
ほうれい線の下のボリュームの減っているところに注射して、膨らませます。これによってほうれい線の段差をなくして、ほうれい線を消します。ほうれい線を消す場合にはこの方法が一番変わります。
ヒアルロン酸注射に関しては「ヒアルロン酸注射の効果・リスク・クリニック選びのポイント」をお読みください。効果、リスク、費用など詳しく分ります。
- 自分の脂肪をほうれい線に注入する
太ももやお腹から、脂肪を取って、ほうれい線に注入します。ほうれい線の下のボリュームを補う処置で、ヒアルロン酸の代わりにご自分の脂肪で行います。
脂肪で行うメリットはヒアルロン酸よりも長持ち(5年くらいは持っている)
デメリットは脂肪がどれだけ定着してくれるか分らない(注入した脂肪の一部が数か月でなくなってしまう)
- ほうれい線の脂肪溶解注射や脂肪吸引をする
ほうれい線に乗っているお肉を減らす方法です。理論的ではあるのですが、なかなか思うように減りません。ほうれい線のお肉が多くてほうれい線が目立つ場合には考えてみてもよいでしょう。
- ボトックス注射をする
エクササイズで出てきた、上唇鼻翼挙筋に筋肉の動きをストップさせるボトックスと言うお薬を注射する事で、ほうれい線を薄くする。ヒアルロン酸など異物を入れるのが嫌だと言う方に向いていますが、行っているクリニックは少ないです。理由としては効果が大きくない事と、効きすぎると口の動きが悪くなるからです。
- 糸で引き上げる手術
ほうれい線の上のお肉を糸で持ち上げてほうれい線を消す手術です。想像するとかなりよさそうですが、ほうれい線を消すと言う効果ではヒアルロン酸より効果が劣ります。たるみの予防や他の部分も一緒に持ち上げるのには効果的です。
- 皮膚を切って引き上げる手術
目の下の皮膚を切って、ほうれい線の上のお肉を持ち上げる手術です。効果はありますが、ほうれい線が消えると言うほどではありません。
「フェイスリフトで頬を引き上げる手術・糸・レーザーのまとめ」をお読みいただければ、フェイスリフトに関してよくご理解いただけます。
6.ほうれい線予防のための日常生活の注意点
2章のエクササイズや4章の化粧水もそうですが、日頃の老化に対するケアも重要です。
- 乾燥を防いで保湿をしっかり行う
シワに乾燥は大敵です。皮膚の保湿をしっかり行い、シワが入らないようにしましょう。
- 紫外線ケアをしっかり行う
紫外線も肌を老化させます。日焼け止めは必ず毎日使用するようにしましょう
- タバコは控える
タバコも老化を早めます。なかなか止めれない人も多いのですが、最近は禁煙外来も出て来ています。美容・老化を気にする人は、タバコを止めるのが目標達成への近道です。
7.まとめ
いかがでしょうか?実は、ほうれい線を消すマッサージやエクササイズで効果が出ると結論付けられているものはありません。しかし、手軽に出来て効果があるかも知れない方法もあるのでまずは紹介した方法を試してみてはいかがでしょうか?
それでも無理な場合、どうしてもほうれい線を消したい場合は美容クリニックへ相談すると確実な方法をアドバイスしてくれます。