フォトフェイシャルとはIPLという光をお肌に当てる治療法で、シミやそばかす、お肌のくすみ等の美肌効果があります。数多くのクリニックやエステで行われており、とても有名な治療法です。
しかし、実際に効果はどの程度あるのか、何回やれば効果がでるのかなど、フォトフェイシャルの詳しい効果が知りたいという方は多いのではないでしょうか。
このページでは、フォトフェイシャルの詳しい効果や、効果をより高めるためのポイントをお教えいたします。
このページを読んで注意点を知っておけば正しいケアができますので、フォトフェイシャルの処置を受ける前に必ずお読みください。
目次
1.フォトフェイシャルとは
フォトフェイシャルとはIPL(光治療)と言うもので、ある波長の光を肌に当ててシミやくすみ、そばかすを薄くする治療です。IPL(光治療)には色々な種類の機械がありますが、一番有名なものがフォトフェイシャルと言う商品(機種)になります。
このフォトフェイシャルから出てくる光が肌の色(メラニン)や血管の赤色、水分などに反応します。シミやそばかすの様に少し濃い色になっているところ(メラニンの多い所)には強く反応し、メラニンを壊します。このような作用によってシミやそばかすが薄くなるのです。
フォトフェイシャルは医療機器であり、医療機関でしか扱われていません。エステサロンでフォトフェイシャルと書いてあっても、それは類似品でありフォトフェイシャルではありません。
2.フォトフェイシャルの効果とは
フォトフェイシャルは主に色のあるものに反応します。すなわち、シミ、くすみ、そばかす、赤み、などです。1回で効果が出る訳ではなく、1ヶ月おきに3-5回ほど繰り返す治療になります。クリニックによっては毛穴やニキビ跡の凹凸にも効果があると書いてある事もありますが、あまり期待できません。
2-1.シミに対する効果
フォトフェイシャルが一番効果を発揮するのがシミに対しての治療です。シミを1回の治療で消してくれるシミレーザーと言うものもありますが、処置の後にかさぶたになったり、保護用のテープを貼る必要があったりします。ダウンタイムなしでシミを薄くするにはフォトフェイシャルが向いています。
フォトフェイシャルを92名の方に行い、シミ等の評価をしたところ、約90%以上の人が6段階中4以上の評価をしました。
フォトフェイシャルを27人の日本人に対して使用した文献があります。シミに対しては59%で、くすみに対しては66%で効果が見られました。ここで言うくすみと言うのは、正常な皮膚が白くなったという事を指しています。
97名のアジア人に光治療を行った結果、”良い”または”すごく良い”と評価した人が90%でした。
26名の韓国人女性に対して光治療を行った結果、84%に改善を認めた。
2-2.血管拡張に対する効果
毛細血管の赤みに反応して、皮膚表面に浮き出るような赤く細かい毛細血管拡張に対して効果があります。以下のようなデータがあります。海外のものですので、アジア人とは効果の出方が違う可能性もありますが、毛細血管の拡張による赤みに対しても有効です。
50%の毛細血管が消失したと言う報告(しかし、ダイレーザーと言うレーザーの方が効果的であった)
約80%の人で50%以上の減少がみられた
140名の方に対して治療を行った結果、97.9%の人が”良い”もしくは”とても良い”と回答した
97名のアジア人種の方に対して行い、83%に改善があった
2-3.スキンテクスチャ(肌の手触り、質感)に対する効果
光治療によってコラーゲンが増えた、再構築されていると言う文献もありスキンテクスチャが良くなるメカニズムが存在します、また光治療を行っている方は化粧乗りが良くなったなどと言う声を聞く事も少なくありません。
97名のアジア人種の方にIPL(光治療)を行い、65%の人がスキンテクスチャが良くなったと回答した。
2-4.ニキビに対する効果
ニキビに対する効果は多くの文献で確認されています。フォトフェイシャル(IPL、光治療)が効果的な理由としては、ニキビの原因菌であるアクネ菌が作り出すポルフィリンと言う物質に反応し、その物質が殺菌性を持ち、アクネ菌を殺菌するためです。また、皮脂腺から皮脂の分泌を抑えるという理由もあります。
実際の現場では、フォトフェイシャル単独で治療を行う事は少なく、ビタミン剤の内服やその他の治療との組み合わせで行われる場合も多く、効果を説明する事が難しい分野ではあります。IPL(光治療)を単独で4回行った場合、赤ニキビの40%程度が減少したと言う報告もありますが、IPL(光治療)単独では効果は大きくなく、塗り薬や内服薬、ピーリングなどと併用して行われる場合が多いです。
3.フォトフェイシャル以外のシミ・そばかす・血管拡張の赤み治療と効果の比較
3-1.しみやそばかすに対する効果の比較
フォトフェイシャルはシミやそばかすを薄くしたり、美白治療がメインに行われます。シミやそばかすに対しては他にも効果的な方法があります。それはシミレーザーと呼ばれるもので、1回の治療でシミやそばかすが取れます(そばかすは時間とともに再び出てきます)
シミレーザーはお顔全体ではなく、スポットでシミにレーザーを当てる事によってシミで色のついた皮膚を焼き切ってしまいます。ですので、処置後にはかさぶたになり、テープによる保護が必要になります。また、色素沈着と言って一時的にシミが再発したように皮膚に色が付く場合もあります。
ピンポイントで取りたいシミがあれば、シミレーザーの方が安く簡単に行えます。全体的にシミを薄くして、肌を明るくするような効果ですとフォトフェイシャルの方が向いています。
3-2.血管拡張などの赤みに対する効果の比較
フォトフェイシャルは血管拡張や赤みに対する効果はあります。1章の様に50%くらい改善すると言う報告があります。しかし、その他にもダイレーザーやVビームなどがあります。これは顔の赤みに対して有効なもので、フォトフェイシャルよりも効果的です。
赤みのみをターゲットにする場合はダイレーザーやVビームをお勧めします。しみや赤みなどを幅広く治療したいと言う場合はフォトフェイシャルをお勧めします。
4.より効果を高めるための5つのポイント
Point① 1〜2ヶ月間隔で定期的に行う
フォトフェイシャルを受ける間隔は3-4週間に1回のペースです。目安としては4-5回と言うところでしょう。フォトフェイシャルは1回の効果は限定的ですが、複数回受ける事によって効果が高まります。
Point② フォトフェイシャルの前後1ヶ月は日焼けしない
施術前に日焼けしている(色が黒くなっている)とフォトフェイシャルの光が正常部分にも反応して火傷や色素沈着(しみ)の原因になります。また、施術後は肌が敏感になっていますので、日焼けする事により、逆にシミが濃くなったり目だったりすることがあります。
ですので、少なくとも1ヶ月は日焼け止めを使用するようにしましょう。SPF30以上/PA++以上をお勧めします(*)。
Point③ 施術後は必ず保湿をする
フォトフェイシャルの施術を受けた後はお肌が乾燥しやすくなります、保湿はしっかり行うようにしましょう。化粧水で十分に保湿した後に、水分の蒸発を防ぐためにクリームを塗ることが大切です。また、ビタミンC誘導体入りの化粧品も多く市販されているので、より効果を高めたい方にはおすすめです。
Point④ 外用・内服を併用する
美白効果を高めるために、ビタミンC(誘導体)入りの化粧品やハイドロキノンと言う美白剤の外用、ビタミンCやE、トラネキサム酸(トランサミン)の内服を勧めるクリニックもあります。必須ではありませんが併用しても良いでしょう。
Point⑤ エステではなく美容クリニックで受ける
フォトフェイシャルは商標登録されていて、医療機関でしか扱われていません。エステサロンでもフォトフェイシャルと記載されているものがありますが、フォトフェイシャルではありません。
それらはフォトフェイシャル以外のIPL(光治療)です。そして、エステサロンで扱われるものは基本的にパワーの設定などが弱くなっており、効果も低い可能性があるとお考えください。また、何かトラブルがあっても医療行為が出来ないので治療してもらえません。
*クリニックにもフォトフェイシャルではないIPL(光治療)と言うものがありますが、これらはフォトフェイシャルと変わらない効果が期待できます。
5.フォトフェイシャルのリスクや副作用
フォトフェイシャルのリスクや副作用はゼロではありませんが、非常に少ないです。可能性としてどういう事が起こりうるのかを事前に知っておいた方がいいでしょう。起こりうる可能性があるという事で理解しておいてください。
5-1.ヤケドする事がある
まれにヤケドすることがあります。これはパワーが強すぎたり、光の当たり方が不適切だった場合に起こります。
ヤケドした場合は適切な処置を行わないと跡も残りますので必ず処置を受けたクリニックに受診してください。
5-2.肝斑が悪くなることがある
肝斑と言うのは、一般的な日焼けによるシミとは違う両頬に出来ることが多いボヤッとしたシミです。シミレーザーやフォトフェイシャルで悪化することがあります。事前に医師の診察を受ける事はもちろんですが、フォトフェイシャルを続けていて逆にボヤッとしたシミが濃くなってくるような事に気が付いたらフォトフェイシャルを行っているクリニックに相談しましょう。
肝斑が悪化するリスクを承知の上で、シミの方が気になるのでフォトフェイシャルを行うとか、肝斑の治療(内服)と並行して行うとか、肝斑が出ている部位は避けて行う、そもそもフォトフェイシャルは続けないなど、相談して決めましょう。
5-3.シミがかさぶたになる事がある
これはフォトフェイシャルを受けた後の正常な反応です。フォトフェイシャルではダウンタイムがほとんどないと言いましたが、シミがかさぶたになる事があります。この上からお化粧で隠して大丈夫です。
5-4.痛みが出る
フォトフェイシャルはゴムではじく様な痛みが出ます。痛みの感じ方は人によって違うので表現が難しいですが、中にはかなり痛かったと言う方もいますし、それ程ではなかったと言う方もいます。結構痛いかも知れないと言うつもりでいて頂くのがいいと思います。
6.フォトフェイシャルが受けられない人・注意が必要な人
下の方はフォトフェイシャルを受ける事が出来ません。
- 妊娠中・授乳中
- 日光や光に対して過敏症がある方
- 日焼けしている人
- 自己免疫疾患の方
- 糸が入っている人や異物が入っている人は注意が必要なので、医師と相談して決める必要がある
7.フォトフェイシャルとその他のIPL(光治療機)の違い
フォトフェイシャルとは560nm~1200nmの幅を持った光を一気に出します。この幅の波長の光が出てくると言っても、全てが均一に出てくる訳ではなく、ある特定の波長にピークが来るように設定されているのです。
フォトフェイシャルに代表されるIPL(光治療)はこのようにある特定の幅の波長の光を照射するのですが、機種によってその幅に差があったり、ピークとなっている波長が違ったりします。(しかし、このピークとなる部分は製品のコアにかかわる部分で公表されていなかったりします。)
このようにIPL(光治療)には機種によって微妙な設定が変わって来るのですが、実際の目に見える効果としてはそれ程変わらないと考えます。それよりも目的とする効果を得るために医師とカウンセリングを行い、適切なパワー設定で行う事が重要です。
フォトフェイシャル以外のIPL(光治療)としては、以下のようなものがあります。
- フォトシルク
- ライムライト
- オーロラ
- ICON
- エリプスフレックス
これらは実績のあるメーカーが作っており、安心して使用できると考えます。しかし、photoSOLと言うものは、製品の多くがアジア製でメーカもそんなに実績のないメーカーです。費用が他のIPLの半額以下であれば考慮してもいいと思いますが、費用が同程度であれば上記のものをお選びいただく方が効果、安全性に勝ると考えます。
7.まとめ
いかがでしたか?フォトフェイシャルについてお分かりいただけたと思います。フォトフェイシャルやIPLと呼ばれる光治療はお手軽でダウンタイムも少なく、かつ効果の高いものです。美肌ケアとしても効果的です。
費用はかかりますが、気になっている方はまずはお試しから始めてみていはいかがでしょうか?
エクリシスをして フォトフェイシャルをしたい場合 どのくらいの日にちを開けたらいいですか?
エクリシスとフォトフェイシャルの併用はいいですか?
赤みが落ち着きましたらいつでもよろしいかと思います。