糸による二重まぶた手術「埋没法」を受ける際に、みなさん一番気になさるのが「腫れ」に関してです。続いて内出血や何日仕事や学校を休めばいいかなどのダウンタイムについてです。
どうして腫れるのか、さらに腫れに関しては糸のかけ方や技術的な話、腫れにくくする方法はないのか、自分でできるケアも含め、この記事で解説していきます。
これを読めばドクターとよく相談でき最適な方法が選べます。
目次
1.腫れる理由
上記でも少し触れていますが、腫れるには理由があります。いくつかあるので見ていきましょう。
1-1.麻酔
埋没法を行う際に局所麻酔を行わないことはまずありません。この麻酔の量は手術後直後のまれに影響します。もちろん多すぎると腫れに原因になりますが、麻酔の影響による腫れは1-2日で軽減します。
1-2.内出血
手術を行う際には、針を使用します。この針で血管を刺してしまうとそこで内出血が出てしまいます。
表面の血管は透けて見えますが、体の中までは見えません。たまたま血管に針が当たってしまうと内出血します。少しくらいの内出血であれば腫れにはさほど影響しません。
1-3.手術中の操作
乱暴な操作は腫れに影響します。早くて丁寧が一番いいのですが、早ければいいと言うものではありません。体の組織と言うものは愛護的に扱う必要があります。
1-4.糸のかけ方
糸のかけ方にはいろいろな方法があり、それぞれが腫れに影響してきます。
- 糸をどこにかけるかの違い(挙筋法と瞼板法)
- 糸で縛られるまぶたの体積の違い
- 糸を結ぶ力
以上をそれぞれ解説していきます。
1-4-1.方法(挙筋法 瞼板法)
挙筋に糸をかける方法を挙筋法
瞼板に糸をかける方法を瞼板法といます。
「瞼板法」と「挙筋法」腫れに関していえばどちらが腫れるのでしょう?同じ様に手術すれば挙筋法の方が腫れます。同じ様にというのは
- 同じ糸の数で
- 同じ幅で糸をかけて
- 同じ強さで糸を結べば
という事です。
挙筋法の方が糸で縛られる組織の体積が多くなりますし、筋肉は瞼板よりむくみやすい組織だからです。
【瞼板法】
まぶたには瞼板と言って、まぶたの形を作るためのコラーゲン線維の塊のようなものがあります。10㎜の幅があるとされています。
この瞼板に糸をひっかけて、二重まぶたを作る方法を「瞼板法」と呼びます。
この瞼板にはマイボーム腺という皮脂を分泌する構造が含まれます。糸で縛ることによってこれが詰まり炎症を起こすことがまれにあります。
また、瞼板はまつ毛の生え際から10㎜しかないため、糸が少しでも露出したり、緩んだりすると強い異物感が出現します。
【挙筋法】
瞼板に続く組織が挙筋(眼瞼挙筋)と言われる筋肉です。この筋肉に糸をかける方法が「挙筋法」です。
10㎜以上の奥にあるので、瞼板法より奥へ引っ張ってくれますので、しっかり食い込んだ二重まぶたになる場合が多いです。
こちらも筋肉ですので傷つけることにより、目の開きが悪くなる(眼瞼下垂)、目を開けているのが疲れる、頭痛、肩こりの症状が出るなど不都合なことが起こることが稀ですがあります。
(細かい話、瞼板法でもあり得ます)
1-4-2.糸で縛られるまぶたの体積
瞼板法と挙筋法のところでも少し触れましたが、まずこの2者による違いがあります。
また、糸が縛っているまぶたの体積によっても違います。
大きく糸をかけた場合の方が腫れます。同じ強さで結んだと言う仮定です。これは何となく想像しやすいですね。
また、作る二重にラインが太い方が腫れも出やすいです。
1-4-3.糸を結ぶ強さ
最後に糸を強く結んだ方がより腫れます。これも想像しやすいですね。血液の流れも悪くなりますし、むくみも強く長引きます。
1-5.糸や針の太さは腫れに影響するのか?
糸はほとんどのクリニックで7-0という太さの規格のものを使っています。針に関していえば様々でしょう。
時々、糸や針が太いから腫れが出るというような記述を見ますが、9割方間違いのように考えます。
針が太いと内出血の可能性が上がりますので若干腫れが出る可能性があるくらいです。
それよりも1-4に書いてあることの方が腫れには大きく影響します。
2.腫れる事は悪いことなのか?
現在いろいろなクリニックで持ちが良い方法が紹介されています。そのほとんどが糸を強固にかける方法です。それによって腫れは出やすくなりますが、持ちが良くなるというメリットがあるのです。
「糸のかけ方に関して」
例えば、取れにくい埋没法として各クリニックが色々な方法を提案しています。それらの方法のコンセプトは
- 糸の本数を増やす
- 糸の結び目や糸同士が絡むポイントを増やす
この2つに絞られます。
上記に沿うようにした糸のかけ方が取れにくい方法として各クリニックで紹介されています。
糸の本数を増やすと結果的に大きく糸をかけて、糸によって縛られるまぶたの体積が増えますので腫れは出やすくなります。
糸の結び目を増やす方法や糸同士を絡める方法も同じです。
「糸を結ぶ強さに関して」
腫れない様に糸をゆるく結ぶとどうなるのでしょう。ゆる過ぎると皮膚やまぶたの裏から糸が出てきたりしっかり食い込んだ二重まぶたにならなかったりします。
逆に結ぶ力が強すぎると腫れも出ますし、糸が中に食い込みすぎて取れるのが早かったりする事が考えられます。
これに関しては各ドクターの微妙な考えによって相違がありますし、結び方の強さを客観的に測定することができなので何がいいとも言えないのが現状です。
あくまで私見ですが、目を閉じたときに糸に全く負荷が掛からない位の強さがいいと思っています。
3.ワンポイントアドバイス:長持ちしやすい人と長持ちしにくい人の見分け方
自分が埋没法でどれくらい持つのかを知る簡単な方法をお教えします。
ステップ1
用意するものは針金だけで大丈夫です。クリップを折り曲げて使っても問題ありません。
ややカーブするように針金を曲げて希望する二重幅に押し当てます。この時、半目で行います。片目だけつぶれない人は友達にやってもらいましょう。
ステップ2
針金を押し当てたまま目を開けると二重まぶたになっていると思います。この時、眉毛をいつもと違うように動かしたりすると二重になりませんので注意が必要です。
ステップ3
この後針金を外して、まばたきをしない様に我慢します。この状態で二重まぶたがすぐ取れてしまったり、ゆっくりでも取れてくる場合はあまり埋没法での持ちは良くないと考えます。
ステップ4
瞬きをしないでいる限り二重が取れないという場合は持ちがいい方だと推測できます。
- 持ちがよさそうな人⇒腫れにくくてベーシックな方法
- 持ちが悪そうな人⇒多少腫れても持ちが良い方法
を、お勧めします。
4.腫れの期間
腫れの期間は方法によって様々です。
腫れにくい方法で行った場合は目立つ腫れは3日前後でしょう。
むくみやすかったり、希望のラインよりも少し幅が広い感じは3-4週間続く場合もありますが、ほとんど気にならない程度です。
*手術後メイク等あり
そんなに腫れは気にならないと思います。
持ちが良く、糸を絡めて止めていく方法では腫れは1週間ほどです。こちらも完全に落ち着くには3-4週間かかる場合があります。
上記の2例よりも腫れていますね。
*腫れにくい場合でも内出血は出ることがあります。その場合目立ってしまいますのでご注意ください。
5.腫れないようにできる工夫
5-1.ドクター選び
・なぜ腫れるのか腫れないのか、なぜ持ちがいいのか悪いのか、まぶたの状態や希望に沿う方法はどの方法なのか、しっかり説明してくれないクリニックは止めておくべきでしょう。
・糸を結ぶ強さなどの調節になれが必要なので、二重まぶた埋没法を50-100件以上は行っているドクターを選びましょう。
持ちがいいと考えられる方法と腫れの少なさは両立しません。
二重まぶたの手術を始めたばかりのドクターとベテランドクターでは手術法をカバーする技術差があるでしょうが、それなりに経験を積んでるドクターであればなおさらです。
・腫れを気にするのか、持ちの良い方を選ぶのかの希望をしっかり伝えて担当医と相談するのがいいでしょう。
5-2.セルフケアで出来る事
どのような埋没法の手術を行った後でも以下のようにするのがいいでしょう。
・安静にする(当日帰宅後)
動くと血流が良くなりまぶたも腫れます。日常生活は大丈夫ですが安静にしましょう
・頭を心臓よりも高くしておく(大きな腫れが引くまで)
朝起きると顔やまぶたがむくんでいることありますよね?
寝ていると腫れが出やすくなりますので座って休むか、枕を高くして寝るなどの工夫をしてください。
・軽く冷やす(1日程度)
あまり冷やし過ぎると、組織の回復が遅れるとい指摘もあります。アイスノンなどを薄いタオルやハンカチにくるみ、冷やすのがよいでしょう。
・体を温めすぎない(1週間)
入浴、アルコール、運動で体を温めすぎないようにしましょう。
6.手術の相場
費用についてはピンキリです。
方法(糸のかけ方)により違いますが、一般的な方法だと3万円位から12万円が相場ではないでしょうか。
特殊な糸のかけ方などでもう少し費用が掛かる場合もあります。
どうして値段に大きな開きがあるのかと言うと、手術的なものに関しては手技料という目に見えないものに対する値段があります。その他は、内装費や家賃などクリニックの運営費用が違ってくるからです。都内の一等地で豪華な内装でスタッフも多く採用すれば当然コストに乗ってきます。
安い値段のメニューを1つ作って集客し、そのメニューを希望していざカウンセリングに行くと、違う方法の方があなたに合っているからなどと言われて高い施術を進められるケースがあるようです。
それがあなたの希望に合うものであればいいと思いますが、この記事を読んで頂きご自分の希望に合った方法を選ばれるのが良いと思います。
7.まとめ
埋没法を行う際に皆さん気にされるのは腫れについてです。腫れが少ない方がいいに決まっていますま。
しかし、埋没法と言うのは糸が緩んで二重のラインが取れてしまうことがあり、持続も重要な要素です。
現在のところ、一番長持ちで一番腫れない方法と言うのは存在しません。自分の求めている方法やまぶたの状態を主治医と相談して方法を決めるのが良いでしょう。
また埋没法と言っても手術ですので、腫れが長引く事や内出血が出る、思ったようにならない、などのリスクがあります。メリット・デメリットよく考えて受けましょう。